2024年06月03日-06月07日
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「空飛ぶタクシー」が現実に? 北京市が雄安・天津への通勤路線を計画

2024年06月03日

 中国北京市経済・情報化局はこのほど、「北京市の低空経済産業の質の高い発展の促進に関する行動案(2024-2027年)」について意見公募を行った。同市では空の移動手段や都市間通勤などの応用シーンを構築すべく、周辺地域向けの低空路線を3本以上開設させる計画だ。中央テレビニュースが伝えた。

 SF映画の「空飛ぶ車で構成される低空立体交通網」というシーンが現実化するかもしれない。中国の複数地域では、すでに有人低空交通の大規模な試みが行われており、数年もしないうちに「空飛ぶタクシー」や「空飛ぶフードデリバリー」が一般的になる可能性もある。

 今回の意見募集稿の中で、北京市は緊急救助や物流配送、都市間通勤などの応用シーン構築について、「周辺地域向け」の低空路線を3本以上開設させ、3年間で1000億元(1元=約22円)以上の経済成長を牽引するとしている。

 また、低空経済(低空域飛行活動による経済形態)の新業態・新モデルの模索を急ぎ、低空経済の牽引モデルとその波及効果を大幅に高めるとしている。具体的な目標としては、3年間で低空経済関連企業数を5000社以上にし、低空技術サービスの全国カバーを実現し、低空産業の海外と国内における影響力とブランド認知度を大幅に高め、技術イノベーションや応用ニーズなどを牽引するモデルになるというものだ。

北京から雄安・天津への通勤路線の実現は容易か? 

 では、空飛ぶタクシーによる通勤の実現は容易なのだろうか。計画によると、都市間通勤の面においては、大興国際空港と雄安新区、首都国際空港と天津・廊坊などの地域間通勤路線を構築する。北京市ではすでに短距離航空路線を模索しており、北京平谷石仏寺空港から河北雄安鄚州空港までの通勤路線は飛行距離が短く白洋淀風景区に近いことから、開設から1年で延べ150便が運航されている。北京から白洋淀風景区までは100キロ以上離れており、車での移動時間は2時間ほどかかるが、飛行機なら約30分で着く。高速鉄道や車での移動時間をさらに短縮できるため、北京の未来の低空航路計画の参考材料にもなっている。

画像は人民網日本語版(CCTV提供)より

 
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