2024年06月03日-06月07日
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太陽光発電所に変身した鉱滓ダム

2024年06月07日

 中国河北省唐山市にある中電建首鋼鉱業100メガワット(MW)太陽光発電所では、敷地内の鉱滓(こうさい、スラグ)ダムにソーラーパネルが設置され、まるで「輝く海」のように、尽きることのないグリーンな電力を供給している。人民網が伝えた。

「パネルの上で発電し、パネルの下で砂を固定する」この2つの作業を同時に行うソーラーパネルがある。この小さなソーラーパネルには、尽きることのない巨大なグリーンエネルギーが隠されているのだ。

 スタッフによると、ここはかつて、多くの廃泥や廃砂が積み上げられ、放置されていた鉱滓ダムだった。それが今では約200ヘクタールの土地に22万枚以上のソーラーパネルが設置され、分散型太陽光発電所になった。

 鉱滓ダムとは、金属または非金属の鉱山で排出されるスラグや、他の産業廃棄物を廃棄する場所を指す。そのため「土で覆い緑を取り戻す」ことが鉱滓ダムのガバナンスにおいて重要になっている。

 発電所の敷地内では、以前のように廃泥や廃砂が広がる様子は見られなくなっており、その代わりに「パネルの上で太陽光発電し、パネルの下で生態回復する」光景が広がっている。

 同プロジェクトのマネージャーである袁慧氏は「ソーラーパネルは定期的に水で洗浄する必要があるが、その水がパネルの下に流れ落ちることで、そこで植物がよく育つようになる。このようにソーラーパネルは、下にある植物に『人工的な雨』を提供するとともに、これらの植物の『日傘』にもなり、不必要な直射日光を遮る。これは植物が大樹に守られているようなものだ」と説明した。

 スタッフによると、発電所では現在、32の太陽光発電ユニットが稼働している。これにより、年間で標準炭消費量6万5627トン、粉塵排出量約8.23トン、二酸化炭素排出量12万トンをそれぞれ削減できるという。

 
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