軽量でコンパクトな眼鏡型デバイスが今後、人工知能(AI)関連のテクノロジー企業が熾烈な競争を繰り広げる分野になる可能性がある。中国新聞網が伝えた。
IT専門調査会社「IDC」の最新報告によると、今年第1四半期(1~3月)における世界のスマートグラス出荷台数は前年同期比82.3%増の148万7000台で、出荷台数が大幅に伸びた。IDC中国のアナリスト、葉青清氏はこの状況について、「音楽再生機能や録画機能を持ったスマートグラスが発売されたほか、中国政府の購入補助金政策が販売を促進し、市場全体の出荷台数を押し上げている。また、メーカーによる実店舗(オフライン)チャネルの拡充も、出荷増を支える大きな要因となった」と分析した。
中国市場では今年2月、スマートグラスを開発するRokid社の創業者が、スマートグラスに浮かび上がる原稿の文字を見ながらスピーチする動画が、大きな話題となった。また、小米(シャオミ)も最近、初のAIスマートグラスを発売した。企業情報サイト「天眼査」の今年4月のデータによると、中国にはAIスマートグラスを開発する企業が440社以上ある。
小米の創業者である雷軍董事長は、「AIスマートグラスは、次世代のパーソナルスマートデバイスだ」との見方を示している。
AIスマートグラスを導入する企業も増えている。今後は、開発の選択肢として、パソコンやモバイル端末のほか、AIスマートグラスも加わることになりそうだ。
Rokid社は最近、決済機能が搭載されたスマートグラスを発表した。同社の「Rokid Glasses」には、決済アプリ「支付宝(アリペイ)」が内蔵されており、例えば、AIアシスタントに「10元(1元=約20円)払って」と話しかけ、店に置いてあるQRコードを「見る」と、決済が完了する。ユーザーが忙しい時や、両手がふさがっている時などに、とても便利だ。
ゲーム産業も、AIスマートグラスの導入を加速させている。例えば、これを装着して人気ゲーム「Plants vs. Zombies」を遊ぶと、ゲーマーは現実空間にゾンビの侵入を防ぐ植物を配置することができる。あるゲーマーは「ゾンビが続々と目の前に現れてとてもリアル。初めての感覚だ」と語った。
華金証券の調査報告によると、AIスマートグラスをはじめとするスマートウェアラブル機器の急速な普及によって、ユーザーがAI製品を受け入れやすくなり、オフィス業務や映像コンテンツ、ゲームなどの分野でAIの活用がさらに広がる可能性があるという。

(画像提供:人民網)