トップ >政策科学技術政策分野別第十二次五ヵ年計画> 国家大学サイエンスパーク『12・5』発展計画

国家大学サイエンスパーク『12・5』発展計画

2011年8月 科学技術部、教育部

概要

 「国家大学サイエンスパーク『12・5』発展計画」には、ハイテク技術成果の移転、ハイテク型企業の育成、戦略的新興産業の育成および大学の教師・学生の起業を支援する重要な拠点となっている国家大学サイエンスパークをますます充実するための発展目標が掲げられている。

 科学技術部と教育部、地方の科学技術・教育行政機関に対してそれぞれ支援策の拡大を要請し、大学には科学技術、教育、人材、設備などの資源を開放することを求めている。


国家大学サイエンスパーク「12・5」発展計画

 国家大学サイエンスパークは、国家イノベーションシステムと中国の特色を有する高等教育システムの重要な構成要素であり、一流の国家大学サイエンスパークは一流大学の重要なシンボルである。「国家中長期科学技術発展計画要綱(2006-2020年)」と「国家中長期教育改革・発展計画要綱(2010-2020年)」を徹底実行し、「12・5」期間における国家大学サイエンスパークの建設を科学的に指導するために、本要綱を制定した。

一.発展現状と情勢

 「11・5」計画以降、国務院の関係機関、地方政府および大学の共同推進により、国家大学サイエンスパークの建設と発展は顕著な成果を挙げ、ハイテク技術成果の移転、ハイテク型企業の育成、戦略的新興産業の育成および大学の教師・学生の起業を支援する重要な拠点となっている。

 全体の実力は絶えずに増強し、体系は初歩的に上がった。科学技術と教育の体制改革が不断に深化することに伴い、地方政府と大学は大学サイエンスパーク建設をさらに重視するようになり、国家級、省級および大学独自運営という3段式の大学サイエンスパークシステムが成熟しつつある。国家大学サイエンスパークに認定されたのは、累計で86カ所あり、24の省、自治区、直轄市にある134の大学をカバーしている。

 イノベーション成果を移転し、企業を育成している。国家大学サイエンスパークは、公共サービスプラットフォームを構築し、大学イノベーション資源を集め、移転・孵(ふ)化メカニズムを改善し、育成中の企業の技術イノベーション能力を高める。2010年末現在、国家大学サイエンスパークは独自で支配する面積が814.5万㎡、入居した育成中の企業が6,617社、卒業企業が累計4,364社であった。2010年、移転した科学技術成果は4,606件、育成中の企業からの特許出願は5,603件、うち発明特許は2,333件であった。

 大学の優位性を発揮し、区域の経済発展を促進している。国家大学サイエンスパークは産業発展の需要に応じて、大学の技術と人材の優位性に依拠し、産学研用(*企業、大学、研究所、使用者)連携モデルを革新し、地方と共同で産業化基地を建設し、地方の科学技術に対する切迫した需要を充分に満たし、地域の経済発展をサポートする効果がますます顕在化し、地域の経済発展をけん引するメカニズムが絶え間なく改善され、地域経済の健康かつ高速な発展を促進している。

 イノベーション人材を結集・育成し、大学生の起業・就業を促進している。国家大学サイエンスパークは良い環境づくりに努力し、奨励措置を制定し、ハイレベル人材を吸引してパークで企業を起こすよう促している。大学生を対象とする科学技術起業実習基地を設置し、学生がサイエンスパークで起業することを支援することによって、キャンパスとサイエンスパーク間の双方向人材育成モデルを作り、大学の人材育成の質を高めるために、41の国家大学サイエンスパークを大学生科学技術起業実習基地と認定した。

 発展モデルを探索し、発展環境の最適化に努める。「1大学に1パーク」、「複数の大学に1パーク」、「大学・政府による共同設立」などのモデルを作り上げ、各種イノベーション資源を効果的に統合し、サイエンスパークの急成長を促している。制度の整備を強化し、「国家大学サイエンスパーク評価の指導意見」を制定し、「国家大学サイエンスパーク認定管理規則」を改正し、大学サイエンスパークに対する実績評価と統計を開始し、標準化した動態管理を導入している。国務院の関係部門は、税収の優遇政策を打ち出した。

 「12・5」期間は、わが国が科学的発展観を徹底実行し、経済発展のモデルチェンジを加速し、産業の構造調整を促進し、自主イノベーション能力を全面的に向上させ、イノベーション型国家を建設するための大詰め段階である。科学的管理体制と効率の高い運営メカニズムを探求し、国家大学サイエンスパークにおける科学技術イノベーションプラットフォームの総合的優位性を発揮させることは、新しい情勢の下で国家大学サイエンスパークに求める新しい要求である。

二.指導思想と発展原則

(一)指導思想

 鄧小平理論、「三つの代表」という重要思想を指針とし、科学的発展観を全面的に貫徹し、「国家中長期科学技術発展計画要綱(2006-2020年)」、「国家中長期教育改革・発展計画要綱(2010-2020年)」、「国家中長期人材発展計画要綱(2010-2020年)」を切実に実行して、改革を深化し、サービス能力を次第に向上させ、科学技術成果の移転と産業化を加速し、大学の教師・学生による起業と人材育成を推進し、大学のイノベーション資源によって地域経済を振興させることを支援し、国家大学サイエンスパークを科学技術・教育・経済の有機的結合の実証担体に発展させ、国家イノベーションシステムの構築を支援する重要な存在となる。

(二)発展原則

 科学的に計画し、政府・大学・企業・研究開発と起業者など各種の力量の国家大学サイエンスパーク建設への参加を促進する効果あるメカニズムを構築し、国家大学サイエンスパークの持続的発展を実現する。

 適正に運営し、社会主義市場経済の法則に適合する管理体制と運行メカニズムを積極的に探究し、大学の社会貢献を果たすプラットフォームとするサイエンスパークの機能を強化し、中国の特色ある国家大学サイエンスパークを建設する。

 動的に管理し、国家大学サイエンスパーク運営の質と収益の向上を目的とする動態管理メカニズムを整備し、実績評価と政策によるけん引を強化し、国家大学サイエンスパークが健全で快速に発展するよう促進する。

 調和的発展をはかり、大学の優位性ある学科に依拠し、地域の重点産業に向けて、サイエンスパークの特色と優位性を形成し、大学の学科整備とイノベーション起業人材の育成を推進し、国家大学サイエンスパークと所属大学、地域経済社会との調和的発展を実現する。

(三)発展目標

 「12・5」期間中、国家大学サイエンスパークは自主イノベーション能力向上を核心とし、大学の科学技術成果移転、イノベーション起業人材の育成促進、地域の経済発展促進に重点を置いて、大学研究成果の移転と産業化のための重要な経路、ハイテク型企業と戦略的新興産業を育成するための重要な媒体、地域経済のイノベーション駆動型発展の実現を促進するための重要なサポート、大学におけるイノベーション・起業教育とハイレベルのイノベーション起業人材育成のための重要な基地となるよう努力する。

 2015年には、全国の大学サイエンスパークを200カ所に増やし、3段体系をさらに改善する。国家大学サイエンスパークを100カ所に、サイエンスパークの自ら支配できる面積を1,000万㎡に、所属する専門サービス機構を1,000社に、育成中の企業を8,000社に増やす。「12・5」期間中、卒業企業をトータルで5,000社に、サービス企業を10万社に、移転を果たした科学技術成果を10,000件に、育てられたイノベーション起業人材を10万人に、国家大学サイエンスパークに依拠する学生科学技術起業実習基地を80カ所に、育成された学生発のベンチャー企業を3,000社に増やす。

三.重点任務

 「12・5」期間、国家大学サイエンスパークは、所属する大学のイノベーション優位を十分に発揮し、優位性ある学科を中心に技術移転と成果移転を促進し、大学の教師・学生による科学技術起業を推進し、そのサービス能力を高め、イノベーション創業人材を育成しなければならない。サービス資源を結集し、地域経済発展の重点産業に向けて、イノベーション要素のマッチングと相互連携を加速し、産業クラスター、イノベーションクラスターおよび戦略的新興産業の育成を促進する。

(一)大学の優位性を発揮し、成果移転を加速する

 主要任務:大学の特色ある資源に拠って、大学・企業連携の技術開発機構、専門技術コンサルティング・サービス機構、特色ある教育研修機構、情報交流・評価機構、学生起業・兼職サービス機構を含む各種の専門的な技術イノベーションサービスプラットフォーム、および業界ネットワークサービスプラットフォームを構築する。企業ニーズと技術供給とのマッチング、科学技術成果と金融資本とのマッチング、イノベーション人材と科学技術型企業とのマッチングを強化するように国家大学サイエンスパークを指導し、国家大学サイエンスパークの総合サービス水準を不断に改善する。国家大学サイエンスパークによる地域的戦略連盟と業務連盟の構築を奨励して、連携と協力を強化し、地域イノベーション要素の結集効果とクラスター優位を形成する。

 具体的措置:国家大学サイエンスパークが推進する専門技術イノベーションサービスプラットフォーム整備に対する支援を強化する。国家大学サイエンスパークによる地域連盟と業務連盟の建設を推進し、北京と上海における連盟建設を引き続き支援し、北東、北西、南西、中部などにおける地域連盟と専門的な業務連盟の構築を探求し、その活動交流と提携を強化する。

(二)イノベーション資源を統合し、企業を育成する

 主要任務:イノベーションサービスシステムを改善し、サイエンスパーク入居企業に向けた大学資源の開放を拡大し、大学内の研究開発資源を統合し、研究開発設計などの公共サービスプラットフォームを構築し、研究機関を設立するか大学と共同で研究機関を設立するよう中小企業を刺激し、企業のイノベーション能力を向上させる。起業環境を最適化し、起業サービス機関がサイエンスパークで法人または支店を設立するよう促し、企業の運営管理、市場開発、資格認定などで抱える問題を解決し、一群の科学技術型中小企業を育成する。金融・投資機関との提携を深め、投融資サービスプラットフォーム構築を探求し、貸付、出資、担保などの手段によって、サイエンスパーク入居企業の発展のために良いサービスを提供する。クリエイティブ、デザイン、科学技術サービスなど新興分野の企業を育成するように探索し、新しい競争力とイノベーションの活力を育成する。

 具体的措置:国家大学サイエンスパークが鮮明な特色ある産業クラスターを育成することを支援し、科学技術サービス業の新しいあり方を探求し、科学技術サービス業の特別行動に参加するよう指導する。

(三)人材育成を強化し、起業・就業を促進する

 主要任務:イノベーション起業人材を育成する機能を強化し、サイエンスパークにある濃厚なイノベーション文化、豊富なイノベーション資源および良好なイノベーション環境などの優位性を利用して、大学生科学技術起業実習基地を建設する。学生科学技術起業基金の設置を探求し、サイエンスパーク入居企業が学生の実習と就業を受け入れることを支援し、学生がサイエンスパークでイノベーション起業活動を行うことを支援し、起業によって就業を促進する。大学生がサイエンスパークで起業とイノベーションの実践活動を行うよう指導・奨励し、大学生起業支援基金の設置などによって、学生創設の科学技術型企業に資金援助を提供し、すでにイノベーション起業に取り組んでいる大学卒業生を対象に、人事代理などのサービスを提供し、より多くの起業人材がサイエンスパーク内で起業するよう促進する。

 具体的措置:150カ所の大学生科学技術起業実習基地を建設する。国家大学サイエンスパークに依拠して、80カ所の大学生科学技術起業実習基地を認定する。

(四)地域産業に貢献し、経済発展を支える

 主要任務:地域産業発展の重点分野と段階をめぐって、人材、技術、情報などの資源優位性を十分に発揮させ、ハイテク開発区、ハイテク産業化基地、特色ある産業基地などの産業クラスターとの提携を強化する。技術イノベーション公共サービスプラットフォームを建設し、共通コア技術の研究開発を促進し、先進な適用技術を普及し、運行メカニズムを革新し、プラットフォームの専門的で市場化したサービス能力を高める。大学に依拠する研究優位を発揮し、企業と大学の技術協力を推進し、一群の産業技術イノベーション戦略連盟を構築する。技術移転と成果移転に資するサービス方式を改善し、大学の技術移転を加速し、科学技術成果の産業化を加速し、産業の競争力を高める。

 具体的措置:国家大学サイエンスパークによる大学研究成果移転促進、イノベーション起業人材育成促進、地域経済振興促進に関わる特別行動(「3促進」行動)を実施し、一群のパイロットサイエンスパークを重点的に建設する。

(五)効果あるモデルを探求し、自らの実力を高める

 主要任務:管理体制と運行メカニズムを改善して、市場を手段とし、社会貢献達成を目的とする国家大学サイエンスパークの運行メカニズムを積極的に探索する。国家大学サイエンスパークをハードウェアの環境づくりからハードウェアとソフトウェアを両立する環境づくりへ転換させ、一般サービスから専門的サービスへの転換を促進する。国家大学サイエンスパークで専門的なイノベーション起業サービス人材チームの養成を奨励する。相互補完、特色重視という科学技術イノベーション資源共有メカニズムを探求・構築し、国家大学サイエンスパークの発展水準を高め、地域イノベーション活動の効果と質を高める。国家大学サイエンスパークの国際協力と交流を強化し、国家大学サイエンスパークの国際化を早める。国家大学サイエンスパークの実績評価指標体系を改善し、分類指導を強化し、動態管理メカニズムを充実する。

 具体的措置:実績評価を確実に実施し、統計年報制度を改善し、サイエンスパーク管理者の業務研修を強化し、産業サービス基準を制定する。

四.保障措置

  1. 科学技術部と教育部は、大学サイエンスパークに対するマクロ管理と業務指導をさらに強化し、国の科学技術と教育関連計画に盛り込む。国家大学サイエンスパークに対する支援を拡大し、関連の科学技術計画を利用して優先的に支援する。関係機関と協力して、国家大学サイエンスパークの発展に資する関連施策を研究し、税収優遇などの支援政策を引き続き推進する。
  2. 地方の科学技術・教育行政機関は、国家大学サイエンスパークを関連計画に盛り込み、大学サイエンスパークに対する指導と管理を強化し、支援を拡大しなければならない。大学サイエンスパークを数多く有する地域では、本計画に基づいて現地の大学サイエンスパーク発展計画を制定するよう奨励する。
  3. 関係する大学は、指導を強化し、国家大学サイエンスパークの発展を本学の全体計画に盛り込み、国家大学サイエンスパークの科学技術成果転化における機能を強化し、政策、資源、人員配置などの面で支援を提供し、積極的に条件をつくり、本学の科学技術、教育、人材、設備などの資源を開放しなければならない。
  4. 意思疎通・コミュニケーションメカニズムを充実する。情報流通プラットフォームを構築し、国家大学サイエンスパークと国内外のサイエンスパークおよび関係機関との連携を促進する。国家大学サイエンスパーク協会を設立し、協会もしくはその他の組織の役割を十分に発揮させ、活動交流と業界自律を促す。多様な形式でシンポジウムや専門的フォーラムを開催するよう奨励する。

さくらサイエンスプランウェブサイト

さくらサイエンスプランウェブサイト

 

中国関連ニュース 関連リンク

オリジナルコンテンツ

柯隆が読み解く

2014/2/18更新
「中国の歴史問題」

富坂聰が斬る!

2013/12/27更新
「中国賃金事情」

和中清の日中論壇

2014/2/3更新
「失望」に潜む米国のメッセージと日本の「積み木崩し」

田中修の中国経済分析

2014/2/7 新コーナー開設
「中央経済工作会議のポイント」

服部健治の追跡!中国動向

2014/2/27 新コーナー開設 「安倍総理の靖国神社参拝に想う(上)」

川島真の歴史と現在

気鋭の研究者が日中関係を歴史から説き起こす。幅広い視点から新しい時代の関係を探る。

科学技術トピック

New

2014/3/5更新
「赤外線カメラと簡牘資料の日中共同研究」
工藤 元男

取材リポート

New

日中関連、科学技術関連のシンポジウム・講演等を取材し、新鮮なリポートをお伝えします。

中国の法律事情

New

2014/3/7更新
「百度(バイドウ)の著作権侵害をめぐる攻防の結末」朱根全

日中交流の過去・現在・未来

日中交流のこれまでの歩みとこれから

日中の教育最前線

日中の教育現場の今をレポート

中国国家重点大学一覧

 

中国関連書籍紹介

New

2014/3/12 書評追加掲載

文化の交差点

New

2014/3/18更新
「日本における中国古代絵画」朱新林

中国実感

日本人が実感した中国をレポート

印象日本

中国が日本に滞在して感じたことをレポート

CRCC研究会

過去の講演資料、講演レポート

CRCC中国研究サロン

過去の講演資料、講演レポート

最新イベント情報

アクセス数:31043468