地球変動研究国家重大科学研究計画『12・5』特定計画
2012年5月 科学技術部
概要
「地球変動研究国家重大科学研究計画『12・5』特定計画」は、地球変動研究について「国の地球変動対応、社会経済の持続可能な発展の確保、および国際気候変動交渉への参加に科学的な支援を行う」と、重要性を強調している。
一方、現状については「先進国と比較すれば、まだ学際的クロス統合のレベルが低く、データシステムの国際比較に参加する能力が不十分であり、地球システムシミュレーションの突っ込んだ研究が不足する」と厳しい評価。「モンスーンアジア‐北太平洋‐インド洋地域における地球システム力学と気候変動に関する研究において世界をリードする地位を獲得する」という目標を掲げ、意欲的な研究目標を掲げている。
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原文リンク:「全球变化研究国家重大科学研究计划“十二五”专项规划」
一、情勢とニーズ
地球変動とは、自然要因と人間活動により引き起こされた地球システム機能の地球スケールの変化を指し、地球温暖化を顕著な兆候とする気候変動は地球変動の重要な表れの一つである。地球変動研究は今世紀の国際地球科学の最先端分野であり、その関心を寄せる科学問題は、現代世界の政治、経済的発展と外交問題にとって重大かつ広範囲な影響を持つ。
現在、地球変動研究は持続可能な開発を志向することを重視し、世界と地域の観測体系を確立、強化、統合し、将来の環境変化およびその人類に対する影響予測の信頼性を向上し、破壊的な地球環境変化を防止かつ抑制し、評価メカニズムを完備し、技術、政策と社会責任のイノベーションを奨励し、世界の持続可能な開発を効果的に推進できる制度と行動を設計し、10年後に世界の持続可能な開発を達成するために科学的サポートを提供する。
わが国は過去の気候変動、季節風、生態系の炭素循環、干ばつと寒冷圏などの面において、すでに多数の世界的に影響力を持つ重要な成果を獲得し、そのうち高解像度気候シーケンス再建、東アジアモンスーンメカニズムと陸域生態系の炭素収支などで優位性を形成した。ただし、先進国と比較すれば、まだ学際的クロス統合のレベルが低く、データシステムの国際比較に参加する能力が不十分であり、地球システムシミュレーションの突っ込んだ研究が不足するなどの課題が存在する。
地球変動研究国家重大科学研究計画を配置し、国際地球変動科学の発展を契機にし、地球変動科学研究を全面的に実施し、複数の重要な科学課題で大きなブレークスルーを成し遂げ、わが国の地球変動科学の発展を強力に推進することによって、国の地球変動対応、社会経済の持続可能な発展の確保、および国際気候変動交渉への参加に科学的な支援を行う。
二、全体構想と発展目標
(一)全体構想
「国家中長期科学と技術発展計画要綱(2006~2020年)」、「気候変動へ対応する国家プラン」と「中国が気候変動へ対応する科学技術特別行動」を積極的に実施し、国の重大なニーズと世界の科学最先端に向けて、リソースをいっそう統合し、世界的な視野を強化し、中国の特色を強調し、分野横断と統合研究を強化し、基盤整備を充実し、データ共有を実現し、地球システムのモデリングを研究開発し、わが国の地球変動研究のレベルおよび世界の持続可能な発展に資する科学的支援能力を著しく向上させる。
(二)発展目標
地球変動の基本法則、人間活動の地球変動に対する影響、気候変動の影響と適応、地球システムモデリング、地球システム変化の傾向予測など研究分野のコア科学問題において一群の独創的な成果を取得し、モンスーンアジア‐北太平洋‐インド洋地域における地球システム力学と気候変動に関する研究において世界をリードする地位を獲得する。地球変動に関する科学データの収集、処理と管理に資するプラットフォームを構築改善し、地球変動科学の基礎データ集(データベース)を構築する。自前の知的財産権を持つ地球システムモデルを確立する。将来の環境変化およびその人間に対する影響の予測の信頼性を高める。世界一流水準の研究チームを育成する。国の地球変動対応、社会経済の持続可能な発展の確保、および国際気候変動交渉への参加に科学的な支援を行う。
三、主要任務
(一)地球変動の事実、プロセスとメカニズムに関する研究
地球システムの全体性から、統計と動力診断、理論分析、実験シミュレーションと数値シミュレーション、総合集積などの研究手段を通じて、地球変動の事実、プロセスとメカニズムを明らかにし、地球システム多層間の相互作用と非線型応答メカニズムを識別し、地球変動の予測可能性と関連認識の不確定性を検討し、地球変動の予測理論を確立する。
地球の気候変動の事実、成因およびマルチスケール相互作用。地球の気候変動の事実、プロセスおよびその駆動メカニズム診断。地球気候変動の地域差およびマルチスケール相互作用。地球システムの自然史サイクル特性およびメカニズム分析。エアロゾル‐雲‐放射フィードバックプロセスの地球気候変動における作用および不確定性。東アジアモンスーン気候の10年規模変動およびその地球気候変動との関係と予測。偏西風気候変動およびその地球気候変動に対する応答と影響。過去3,000年の樹木年輪、堆積などの気候プロキシー記録と発展動向。長期間の気温の時間・空間的進化およびその地球変動との関係。過去1,000年間の地球気候変化の特徴および中国気候変化との対比。小氷河期後期以来の異常気象現象の発生と発展の法則。
海-陸-大気の相互作用過程とメカニズムおよびその地球変動との関係。地表層生物地球化学(C、N、S、Pなど)の結合ループの地球変動に対するフィードバックメカニズム。気候変動の背景下で寒冷圏-生物圏-水圏の非線形相互作用プロセスおよび相互フィードバックリンクメカニズム。海-陸-大気相互作用のモンスーンのオンセットおよび変化に対する影響。地表各圏運行の臨界突然変異プロセスと不可逆性。重大環境現象の成因およびその地域応答の非線形特性。アジアの風塵の発生源と沈降のプロセスおよびその地球変動に対する作用。新生代の大陸風化浸食プロセスと世界二酸化炭素排出変化との関係。第三極環境(TPE)のプロセスおよびその世界と中国周辺地域の環境変化に対する影響。海洋の地球温暖化への応答およびその気候変動に対する調節作用。海洋生物地球化学循環と海洋の炭素固定効果。暖水域と海洋経路変化の中国の近海環流に対する影響メカニズム。太平洋‐アジア縁海の相互作用と環境変化。太平洋‐インド洋‐南極海環流の変異の暖水域と地球気候に対する影響。深海の混合プロセスの熱塩海洋環流と地球気候変動における作用。深海物理データの再構築、誤差予想および10年規模気候変動のシグナル抽出。南極棚氷‐南海‐三大洋の大気‐海洋間のプロセスの地球変動に対する作用。
気候システムの敏感性、突然変異およびその変化の予測可能性。地球変動の段階的移行の基本特徴と法則。気候システムの外在要因に対する妨害の敏感性および突然変化のメカニズム。地球規模の気候突然変異を引き起こすことが可能な閾値。各種時空スケールの気候変動と地球の海洋‐大気‐陸地システムの気候変動率を季節規模‐1年規模‐10年規模で予測する可能性。地球気候変動の段階的移行と突然変異を予測する理論と方法。
地球変動敏感地域の気候・環境変化の法則およびその予測。地球変動に敏感な地域を識別する理論。敏感地域気候システムの季節規模-1年規模-10年規模の海-陸-大気相互作用の特徴。敏感地域の気候予測・予報理論と技術。中国の鮮新世以来の陸地生態系と気候環境の共同進化および青蔵高原の隆起駆動。地球規模の干ばつ化およびその地域分化の法則とメカニズム。地球変動のアフリカ大陸干ばつ化に対する影響と駆動力。
太陽と地球の関係、地球深部プロセスの地球変動に対する影響。天文と地球運動因子の気候変動に対する影響。宇宙放射線の地球変動に対する影響のメカニズムおよびその定量評価。マグマ火山活動、地震活動、異なる規模とエネルギーレベルの地殻変動活動の大気にある温室効果ガスおよび地球変動に対する影響。
(二)人間活動が地球変動にもたらす影響に関する研究
温室効果ガス、人為的エアロゾル排出と大規模な土地・近海利用の変化プロセスを再建し、気候の自然変動およびその成因メカニズムを十分に認識する上、人間活動の地球温暖化への貢献を評価し、世界の温室効果ガス排出、炭素転移を検出(観測)するための技術体系を確立し、今後20~50年間の世界温室効果ガスの排出傾向を予測する。
世界の温室効果ガス排出、炭素移転を検出(観測)する技術体系。世界温室効果ガス排出に関わる「MRV(測定・報告・検証可能)」技術、方法と体系。過去と現代の世界温室効果ガス排出、炭素移転の検出(観測)技術・方法。今後20~50年間の世界温室効果ガス排出の傾向予測。
大規模な土地・近海利用の地球変動に対する影響。強烈な人為的妨害を背景とした流域浸食と炭素循環プロセスとスループット。異なる時間・空間的規模の土地利用と土地被覆の変化プロセス、駆動メカニズムおよびその地球変動に対する影響。土地利用の地域生態系構造・機能、生物多様性、生態系サービス機能に対する影響。大規模工事(大規模の植生回復と建設工事、水利工事など)の環境効果。都市化プロセスにおける気候・生態効果。近海養殖と海岸帯開発の海洋生態系と生物多様性に対する影響。近海地域栄養物質の炭素収支と地球変動に対する影響。
人為起源エアロゾル排出の地球変動に対する影響。人為起源エアロゾル排出の時間・空間的分布法則、湿式・乾式成膜プロセスと放射特性およびその地球変動に対する影響。重点地域におけるエアロゾルの起源、気候と生物地球化学的効果及び地球変動に対する作用。
人間活動の20世紀の地球温暖化への貢献。大気にある温室効果ガス増加の20世紀の地球温暖化に対する貢献。人為起源エアロゾルの20世紀の地球温暖化に対する貢献。土地利用変化(都市ヒートアイランド効果を含む)の20世紀の地球温暖化に対する貢献。自然と人為的な要因の地球温暖化に対する貢献。
(三)気候変動の影響および適応に関する研究
気候変動を背景とした複数の自然圏と人類社会の脆弱性と適応性を検討し、地球変動経済学、地球システム管理と総合リスク予防に資する基礎理論と技術体系を確立し、気候変動の影響に適応する人類社会の最適な適応手段を探求する。
生物圏の構造・機能の気候変動に対する応答と調整。主要な生物群系の炭素・窒素プロセスおよびその気候変動との関係。陸地生態系の炭素・窒素貯蔵量および変化に表れる地域的特徴。中国の陸域炭素シンク増加の調整メカニズムと生物の地理区画。中国重要な生物種と生物類群の気候変動に対する応答と適応メカニズム。生物種と生態系の極端な気象現象に対する応答。
氷圏の変化およびその影響。過去百年間の世界と地域の氷圏変化の事実。氷圏変化と地球温暖化との関係・メカニズム。氷圏と大気、生物、水および人間などの圏との相互作用メカニズムおよびその趨勢(すうせい)。氷圏変化の総合効果と人間の適応手段。氷圏変化の中国および隣接地域の社会・経済の持続可能な発展に対する潜在的な影響。
気候変動の水資源と海洋環境に対する影響および人間の適応手段。気候変動の東アジアモンスーン地域の水循環に対する影響。気候変動の大型河川の水文プロセスおよび安全に対する影響。気候変動の干ばつ地域の水循環および水資源に対する影響。近現代の荒地・砂漠地帯の遷移と地球気候変動との相互影響。重点海域における海‐大気境界プロセスの地球変動に対する応答とフィードバックおよびその生態系に対する影響。湿地、湖沼など生態系の地球変動に対する応答と生態回復。海洋環境(物理および生物地球化学)、海岸地帯などの気候変動に対する応答の特徴とメカニズムおよびその生態系に対する影響。海面上昇の中国沿海社会・経済発展と島嶼、岩礁、砂洲など領土安全に対する影響および適応。地球変動の中国近海生物多様性に対する脅迫。
極端な天気現象変化発展の法則、影響と適応。地球変動を背景とした環境リスクと災害(極端な天気現象の観測・モニタリング、成因および変化発展の法則、気候災害およびそれに由来する地質災害に対する総合予防理論と方法などを含む)。
地球変動の食糧安全と人間の健康に対する影響と適応。農業生態系におけるエネルギー物質循環の気候変動に対する応答と制御手段。地球変動の地域・世界食糧安全に対する影響。地球変動の人間の健康に対する影響評価。地球変動を背景に中国の食糧安全と人間の健康を保障するための適応対策と方式。
地球変動経済学、地球システム管理と総合リスク予防。2℃閾値を条件にする世界主要国の温室効果ガス排出削減のコストおよび相応の経済構造。中国の温室効果ガス排出削減の潜在力、地域排出削減の経済コストおよび相応の経済構造。2℃閾値あるいはその他の関連背景における中国の温室効果ガス排出削減のロードマップ。国際炭素取引管理体系に関する基礎理論。国際排出削減プランの設計に関する基礎理論。地球変動と持続可能な生態系、水資源、食糧と地域安全管理。排出削減目標ごとの地球工学理論と技術。社会発展段階ごとの人類の気候変動への適応メカニズムとモデル。地球変動リスクの総合予防理論と技術。地球変動と限られた天然資源に制約される背景下の新しい経済理論研究。地球工学理論と方法およびその効果のシミュレーションと評価。
地球変動に適応できる地球システムの弾性と閾値。地球変動の背景下における中国の地表プロセス、重要パラメータと地理環境構造の変化。地球システム重要変数の突然変異メカニズムおよびその閾値。地球変動の背景下における生態、海洋、氷圏など主要なコンポーネントシステムの自己適応過程、弾性と閾値。
(四)総合観測とデータ統合に関する研究
わが国の次世代地球変動総合観測(監視)システムの完備を図るために、関連の基礎研究を展開し、そしてマルチソースデータの同化を実現し、変数の推定精度および地球変動の予測と評価レベルを高め、国の地球変動データ統合プラットフォームを構築し、データの標準化管理と共有サービスを実現する。
地球変動の主要パラメータとプロセスに対する総合観測(モニタリング)。陸域生態系の主要パラメータと水、炭素、窒素などの物質の循環プロセスに対する観測。大気の温室効果ガス、エアロゾルと主要な汚染物質などに対する観測。氷圏に対する総合観測。地球の海面変化に対する中長期的な精密監視。近海および深海における大洋の重要プロセスおよび大気‐海洋フラックスに対する総合観測。典型的な地域におけるエネルギー‐水循環と物質移行に対する観測。地球変動の主要な人文プロセスとパラメータに対する観測(モニタリング)。
高精度リモートセンシングの原理研究と衛星・航空機・地上観測データの校正。衛星による地球大気、地表特徴と氷雪に対するリモート観測技術の原理。リモートセンサーの研究開発およびその反転法。世界の典型的な生態系の進化と炭素源、炭素吸収源の動態変化に対するリモート観測。典型的な地域対する衛星‐航空機‐地上の同時観測試験。リモートセンシング・地上観測データの修正。
マルチソース観測データの品質管理、同化、融合と統合および共有メカニズム。中国地球変動データ統合プラットフォーム。アジア地域気候観測データの品質管理と同化、融合技術。海・土地・大気・氷が結合した気候システムモデルの同化方法に関する研究。東アジア地域の主要パラメータの統合分析と同化。衛星キャリブレーションおよびその地球変動観測との結合。
(五)地球システムモデルの研究
動的フレームワークの独創的イノベーション、物理的プロセスのパラメタリゼーションプログラムの改善あるいは新たなプログラムの提起、および地球システムモード(近地球宇宙空間モデルと固体地球モデルを含む)の開発、高性能コンピューティング技術の研究開発を基にして、世界先進レベルの高分解能気候システムモデルと地球システムモデルを確立し、インパクトモデル不確実性のプロセスを深く研究し、そして気候変動のシミュレーション研究、1年規模・10年規模の予測、および百年規模の見通し研究を展開することによって、地球変動研究へ強力な統合シミュレーションプラットフォームを提供する。
高解像度気候システムモデルの研究開発と応用。モデルの不確定性、モデルにおける雲と放射の相互作用、雲の特性、大気対流プロセスと海洋混合など複数のコアプロセス。高解像度大気大循環モデルの確立、評価および応用。高解像度海洋環流と海氷モデルの確立、評価および応用。地球陸面・水文プロセスモデルの開発。地域と地球の気候モデルにおける積雪、凍土、氷河(氷床)のパラメタリゼーション。氷圏陸面モデルと気候モデルの結合メカニズム。コンポーネント方式の統合および高精度・高解像度物理気候システムモデルの確立と発展。気候の10年規模予測理論。
地球システムモデルの研究開発と応用。エアロゾルと大気化学モデルの開発・充実。地球の海洋、陸地生物地球化学モデルと炭素・窒素循環モデルの改善と充実。土壌の風化、移行と砂巻き上がりモデルの確立・改善。大陸氷床と山岳氷河の力学モデルの確立・改善。植生の力学モデルの発展・充実。地球システムモデルにおける効率的な計算方法の研究と動的フレームワークの設計。地球システムモデルの多時間・空間スケールの能率的並列算法の研究。マルチモデル統合・結合に関する理論・方法の研究。各コンポーネントモードの統合およびその地球システムモデルとの結合技術の研究開発。地域・地球モデルの双方向シェル理論と方法研究。地球水循環プロセスに対する総合観測とシミュレーションおよびその地球システムモデルとの結合研究。
近地球宇宙空間環境モデルと固体地球モデルの研究開発と応用。地球電離層/中高層大気と対流圏の間の電磁結合、力学結合模型。中高層大気と低層大気のエネルギー、運動量の交換モデル。固体地球モデル。近地球宇宙空間モデル・固体地球モデルとすでに確立された地球システムモデルと結合させ、火山噴火にもたらされるエアロゾル効果のシミュレーションと予測を行う。地球進化と地球環境変遷に関する数値シミュレーション方法を探求する。地球工学効果のシミュレーションと評価。
地球システムモデルを支える条件の研究開発。地球システムモデルに向けた高性能低消費電力カスタムプロセッサと高性能コンピューターのソフト・ハードウェアシステム、専用加速デバイス、可視化、統合開発環境。コンポーネントモードと結合システムの応用基盤および共有技術。地球システムモデルの性能最適化と診断解析ソフトウェア。シミュレーションプラットフォームのプロセス管理技術。多機関で学際的な共同作業環境。気候変動シミュレーション評価システム。
四、保障措置
(一)トップダウン設計を強化し、特別研究計画を徹底して実施する
地球変動研究重大科学研究計画を引き続き実施し、トップダウン設計と統一的協調を強化し、国の重大な戦略ニーズと世界科学の最先端に向けて、重大な科学目標の志向力をいっそう強化し、プロジェクト首席研究者責任制およびイノベーション刺激の評価メカニズムを充実し、体系的で独創的な重要成果の創出を促進する。
(二)拠点建設を強化し、プロジェクト・拠点・人材の結合を促進する
地球変動研究拠点の建設を引き続き強化し、国家重点実験室、データ観測(モニタリング)ネットワークと建設予定のスーパーステーション、地球システムシミュレーション施設などの研究拠点が担う科学研究プラットフォームの役割を十分に発揮し、プロジェクト・拠点・人材の緊密な結合を促進する。既存のデータ観測(モニタリング)ネットワークの標準化および共有に力を入れ、科学技術リソースの公開・共有メカニズムを強化し、科学技術リソースの合理的配置と効率的利用を促進する。
(三)イノベーション人材の育成と導入に大いに力を入れる
各種のハイレベル人材計画を十分に利用し、一群の国際的視野を備え、地球変動研究をリードできるハイレベルなリーダー人材を育成し、制度とメカニズムを革新し、政策環境の最適化を図り、保障措置を強化し、海外の優秀人材の導入にさらにに力を入れ、世界一流レベルの地球変動研究チームを育成する。
(四)国際協力と科学普及を強化する
優秀な外国人科学者と海外の優秀な華人学者を吸引し、多様な形で地球変動研究重大科学研究計画の実施へ参加させる。わが国の科学者の国際協力への参加と国際組織での役職担当を支援し、国際協力プランを提起するように奨励する。科学普及を重視し、科学的精神を発揚し、科学普及事業を重大科学研究計画実施の目標と課題の一つとして位置づけさせ、全国民の科学的素養の向上を促進する。