科学スポーツに向けた中国の取り組み
科学スポーツに向けた中国の取り組み
2004年、中国はアテネ五輪で過去最高の32個の金メダルを獲得し、金メダル獲得数で第2位となった。2005年、中国はオリンピック種目の世界大会で 計28個の金メダルを獲得し、2006年には計35個、2007年には70個近い金メダルをそれぞれ獲得した。この数年来、中国選手は優位に立つ幾つかの 種目、例えば飛び込み、バドミントン、卓球、体操、射撃、重量挙げ等で常に強みを発揮しており、その他、以前は劣勢に立たされていた多くの種目でも躍進を 遂げ、例えば110mハードル、テニス、ボート等の競技で五輪金メダリストや世界チャンピオンが生まれた。80〜90年代に比べ、中国のスポーツ競技は近 年、飛躍的に進歩したと多くの人が感じている。また、コーチと選手を含む大多数のスポーツ界関係者は、中国のスポーツがこのような成績を残せたのは科学技 術のバックアップがあったからだと考えている。
一、中国スポーツの「経験重視」から「科学技術重視」への転換プロセス
科学技術スポーツとは、各種の科学技術手段をスポーツ競技に取り入れ、スポーツ研究・訓練施設を設け、選手を育成し、怪我や病気を治療し、競技成績の向上 を図ることを指す。世界を見ると、スポーツ競技への科学技術の応用はかなり以前から行われており、中国も1950年代に当時のソ連をモデルとして自らのス ポーツ科学技術体系を築き上げた。しかし長い間、体制と認識面に問題があったため、スポーツ界は経験を重視し、科学を軽視する傾向が強く、スポーツはス ポーツ、科学技術は科学技術であり、将来性のある選手は厳しい訓練を積みさえすれば、好成績を収めることができると考えていたのである。また、スポーツ界 という独特の社会環境に影響され、以前の科学技術者はスポーツ界とコミュニケーションを図る機会が非常に少なく、研究成果も重視されなかった。その結果、 中国選手の多くは潜在力を発揮することができず、それが成績にも反映され、1984年のオリンピック大会参加から96年のアトランタ五輪に至るまで、中国 の金メダルの数はずっと16個前後にとどまっていた。
この「凹み」から抜け出るため、中国のスポーツ界は世界の先進的な 経験を参考にして、1996年に「科学と教育によるスポーツ振興」のスローガンを打ち出し、スポーツと科学技術が緊密に融合する第一歩を踏み出した。各地 域のスポーツ科学技術資源が整理・統合され始め、幾つかの新しい科学技術がトレーニングに応用されるようになり、中国の特色を持つスポーツ科学技術体系が 一応確立された。科学技術とスポーツの融合は早くも効果を生み、2000年のシドニー五輪で、中国選手は28個の金メダルを獲得し、歴史的な躍進を遂げ た。
期数 |
大会 |
金 |
銀 |
銅 |
総計 |
序列 |
---|---|---|---|---|---|---|
23 |
ロサンゼルス |
15 |
8 |
9 |
32 |
4 |
24 |
ソウル |
5 |
11 |
12 |
28 |
11 |
25 |
バルセロナ |
16 |
22 |
16 |
54 |
4 |
26 |
アトランタ |
16 |
22 |
12 |
50 |
4 |
27 |
シドニー |
28 |
16 |
15 |
59 |
3 |
28 |
アテネ |
32 |
17 |
14 |
63 |
2 |
科学技術を重視したお陰で中国のスポーツ関係者は良い思いをし、2001年に中国がオリンピック招致に成功すると、スポーツ部門の科学技術に対する重視の 度合いが一段と強まった。国家体育総局科教司科技処の説明によれば、近年、科学技術とスポーツの融合が深まるのに伴い、科学研究の難関攻略、科学技術サー ビスはいずれも競技の実践との間で「継目なしのドッキング」が実現された。科学技術者は「目を大衆との連携に向け、競技種目に目配りする」ようになった。 運動能力、技術、心理、リハビリ等の各科学研究プロジェクトは基本的に競技の第一線から生まれたもので、毎年多くの科学研究成果が各競技種目に活用されて おり、その発展を促す大きな原動力となった。
二、中国の科学技術スポーツ体制
1.行政主管機関と経費予算
国家体育総局は中国のスポーツ事業を管轄しており、科学技術スポーツの主な推進機関でもある。その下部組織の科教司はスポーツ科学研究プロジェクトの立ち 上げ、審査・認可、検証に責任を負い、科学技術経費を支出し、各分野のスポーツ科学技術資源を調整しており、科学技術スポーツの実質的な行政担当部門であ る。国家体育総局は各省・市に出先機関を設け、行政面でのシステムが整っている。予算を見ると、国家体育総局が中央政府の直属機構であるため、経費は国家 財政が支え、資金が保障されている。この他、その管理下にある多くのスター選手を通じ、体育総局は豊かな広告資源を持ち、総局自体も多くの有力なスポーツ 企業と密接な関係を築いており、このため、体育総局が使える経費は潤沢と言うことができる。また、科学技術スポーツに対する財政支援も万全であり、各ス ポーツの科学研究プロジェクトを順調に進めることができる。
2.科学技術スポーツの研究体系
国家体育総局の下には1958年に発足したスポーツ科学研究所(CISS)が置かれている。CISSは中国で最も早く設立され、規模が最も大きい国家クラ スの総合スポーツ科学研究機関である。その主な任務は国民の体質を強化し、優秀選手の競技技術水準を向上させるために科学研究と技術開発を進めることであ る。CISSは優秀選手の競技能力向上に関する研究、国民の体質監視・トレーニング方法に関する研究、スポーツ社会科学に関する研究、スポーツ機器・器材 に関する研究という4大研究分野で優位を占める。6つの研究センターと1つの総合試験・実験センターを持ち、スポーツ訓練監視、スポーツ心理訓練という2 つの国家体育総局重点実験室が設けられた。関係する主な学問分野はスポーツ訓練学、スポーツ医学、運動生理学、運動生化学、運動生体力学、スポーツ心理 学、人体体質学、スポーツ測定学、コンピュータ技術、システム工学、スポーツ社会学、スポーツ経済学、スポーツ法学等を含む。器材の面で、CISSは運動 生体力学の先進的な専門機器設備を持ち、運動学の試験機器としては高速同期ビデオ撮影システム、同期ビデオ撮影システム、ビデオ解析システム、同期ビデオ 撮影・解析システム、高速同期カメラ、映画解析装置等がある。また、動力学の試験機器では三次元検力台システム(4セット)、足底圧力測定システム、 CYBEX6000型検力システム、T.K.K.検力システム、A.K.M.検力システム、B.K.M.検力システム等が、生物学の試験機器では筋電測定 装置、人体形態測定機器等がある。CISSが現在保有する運動生体力学の専門機器設備は質量共に国内トップであり、世界の同分野における実験室と比べても 一流だと言えよう。
中国の科学技術スポーツ研究体系のもう1つの特色は多くのスポーツ専門大学・学院を有することである。北京体育大学、上海体育学院、広州体育学院等がそれ であり、これらの学校にはいずれも専門のスポーツ科学技術研究機関が置かれている。例えば、上海体育学院はスポーツ科学研究所を設けており、設備が先進的 な運動生体力学実験室、運動生理・生化学実験室を持ち、充実したスポーツ科学研究者がいる。この他、中国科学院やその他大学の幾つかの科学研究院・所で も、スポーツ関連の多くの専門研究がスポーツ科学技術に応用されており、例えば2000年のシドニー五輪の後、国家体育総局は中国科学研究院コンピュータ 技術研究所と「飛び込みビデオ分析システム」を共同開発し、中国飛び込みチームのレベルアップを後押しした。
3.科学技術スポーツの組織方式
2008年オリンピック大会に備え、中国は2002年からスポーツ科学技術の組織モデルに対する見直しに着手した。ま ずそれぞれのスポーツ科学研究部門を拠り所として、30余りの競技チームと種目別管理センターに専門の科学研究チームを配置し、科学技術とスポーツの真の 結合を実現させた。編成面では科学技術担当コーチ、リハビリ担当コーチ、心理担当コーチが各競技チームの専属スタッフとなり、選手に対するリアルタイムの 指導が行えるようにした。次に重点種目については、専門の科学技術難関攻略チームを結成したが、その目的は優位に立つ種目で引き続き強みを発揮し、弱い種 目で突破口を開くのを目指すことである。現在、4年周期のオリンピックの新たな科学技術研究プロジェクトは300件余りあり、延べ3,000人余りの専門 家がナショナルチームに送り込まれた。これには清華大学、北京大学、中国科学院及び地方の一部研究機関の教授と研究スタッフが含まれる。彼らはコーチや選 手と緊密に協力し、コーチの計画作りやチーム委員会の活動に参画し、ナショナルチームのトレーニング活動のためにタイムリーなサービスを提供し、後方支援 している。最後は強化選手と強化チームを対象としたものであり、専門の科学研究陣を配置し、ベストコンディションで臨めるよう全力で支援している。 例えば、劉翔は2001年に突然頭角を現し、国家体育総局陸上競技管理センターから注目された。天賦の才に恵まれたこの選手が成績を伸ばすのを後押しし、 中国選手の短距離種目での躍進を実現するため、陸上競技管理センターは「劉翔科学研究グループ」、即ち有名な「翔のチーム」を特別に設け、そのレベルアッ プに非常に重要な役割を果たした。体育総局の専門家によれば、今後は更に中国卓球チームのために専門の科学研究陣を配置する可能性があるという。
4.科学技術スポーツのプロジェクト立ち上げ制度
2001年にオリンピック招致に成功した中国は、2008年北京五輪で好成績を上げるため、スポーツ科学研究プロジェクト立ち上げ制度の実施に踏み切り、 競技レベルの向上を力強く促した。立ち上げるプロジェクトは主にナショナルチームと各競技種目管理センターが提起し、国家体育総局が管理を行い、優秀な科 学技術スタッフを選んで研究を進める。生体力学、診療医学、運動生理・生化学、スポーツ栄養学及び運動能力・リハビリ学等の各分野が含まれる。
プロジェクト立ち上げの成功例:2003年8月、カヌー競技筋力強化トレーニングの研究プロジェクトが立ち上げられた。主な研究内容は以下の通り。
- カヌー競技の正確な技術的動作の成り立ち、動作の軌跡及び主な筋肉又は筋群の収縮形式と力を出す順序等の研究。
- わが国の優秀なカヌー選手の筋肉活動の法則についての研究。
- カヌー選手の筋力強化トレーニング方法及びトレーニング効果の評価方法についての研究。
- カヌー選手の筋力強化トレーニング監視・評価システムの研究と確立。
- カヌー競技筋力強化トレーニング器械の開発。
このプロジェクトは2004年8月までに完成することが要求された。プロジェクトを引き受けたのはドイツの1人の専門家と中国の多くの訓練学博士である。 彼らは選手の過去の競技ビデオを詳しく観察することを通じ、中国の選手は競技開始段階のパドル(櫂)を漕ぐ過程で、力を出す時間が短く、パドルを漕ぐピッ チが速いため、良い効果が得られず、また、疲労段階に入るのが早過ぎることを発見した。力学の関連原理に基づき、専門家陣はこうした誤りを適時に是正し、 選手がスタート段階で漕ぐピッチを適度に落とすようにさせ、1回毎に力を入れて漕ぐことの有効性を強調した。その結果、中国のペアはアテネ五輪のカヌー競 技で金メダルを獲得したのである。
三、中国のスポーツ競技における科学技術の具体的な応用
科学技術スポーツの発展を系統的に説明してきたが、次にスポーツ競技での科学技術手段の具体的な応用について話す。運動能力、技術、心理、リハビリ、器材の5つの側面に分けて説明することにする。
1.運動能力
運動能力は選手という有機体の運動能力を指し、これは選手が技術レベルと戦術レベルを高め、優れた成績を生み出すのに不可欠な各種の身体運動能力を総合し たものである。こうした能力には身体の形態、身体機能、運動の資質(パワー、速さ、耐久力、柔軟性、強靭性、敏捷性等)が含まれる。運動能力は全てのス ポーツ競技種目の基礎であり、このため、国家体育総局は第11次5カ年科学技術計画(2006〜10年)の中で、運動能力のトレーニングを2008年北京 五輪に備えるための最重要課題に挙げている。中国の科学技術者も各種の科学技術手段を用い、選手の運動能力のトレーニング水準を高める方法を探究し始め た。
第1は、高原トレーニングの方式をより多く取り入れ、選手、特にパワー種目と耐久種目をやる選手の運動能力を高めることである。
研究が証明しているように、高原地域は空気が薄く、酸素の含有量が少ない。選手はこうした軽度の酸素不足の環境下で運動すれば、生理的機能を活性化し、心 肺機能を鍛え、低酸素に対する耐久力を高めることができ、パワー種目と耐久種目の選手にとっては特に利点がある。中国は90年代初めから雲南、青海等の標 高2,000〜2,500mの高原地域に訓練基地を設け、陸上、水泳、カヌー、柔道、重量挙げ等のパワーと耐久力が必要とされる競技チームのトレーニング を行ってきた。選手やコーチの感想及び最終的に得られた成績から見ると、高原トレーニングはかなりの成果を上げており、90年代にこのトレーニングに参加 したことのある選手の中から多くの世界チャンピオンが生まれた。このため、一層多くの競技チームが高原トレーニングを「必修科目」と見なすようになった。 射撃、飛び込み、フェンシング等の技術が重視される競技チームも今後、運動能力を蓄えるため、大会前に高原トレーニングをやるようになるだろう。
第2に、科学技術手段を利用し、一連の効果的な運動能力トレーニングの法則を発見した。
一口に運動能力のトレーニングと言っても、種目が異なれば、そのトレーニング方法も違ってくる。中国の科学技術者は高速ビデオ撮影、筋電測定、血液検査、 ランニングマシンによる筋肉の乳酸含有量の測定、心拍数測定計等の技術手段を用い、各種目の最も正しい運動能力トレーニングの法則を探究し、単にコーチの 経験に頼ってトレーニングを指導してきたそれまでの状況を改めた。例 えば耐久種目において、研究スタッフは選手が動作ピッチ、パワーアップ、筋肉の収縮の速やかな切り替え等の特定能力トレーニングを終え、体内の血乳酸が一 定のレベルまで回復した後、改めて最大速度のトレーニングを行うと、良好な効果を得られるケースが多いことを発見した。これは耐久種目を指導し、正しい運 動能力トレーニングの大綱を定めるための方向をはっきりと指し示すものである。次に、研究スタッフは各種の機器を利用し、高原トレーニングを受けた選手に ついて運動能力のフォローアップを行った結果、このトレーニングに初めて参加する選手は通常、各種の条件に適応するのに3日間掛かり、この段階では低レベ ルから中レベルのトレーニング負荷を保つべきであることを発見した。一方、高原トレーニングを終えた後の2、3日の適応期間中、トレーニングの量と強度を 低く抑えることも非常に重要である。この他、多くの選手は高原から低地に下りた1日目か2日目に抜群の競技成績を記録する可能性が高い。また、一部の選手 は1週間前後の「抑圧」期を経た後、10日〜12日目から優れた成績を出しており、且つこうした抜群の成績を生み出す状態は一般に約4週間継続する。これ らの法則の発見は実戦に大いに役立つものであり、各競技チームから重視された。
第3に、科学技術手段を利用し、一連の完璧な運動能力トレーニング基準を定めた。
高原という地理的優位性をよりよく生かすため、国家体育総局は青海省に高原トレーニング研究重点実験室を設け、高原トレーニング、高地鍛錬・低地合宿法、 高地合宿・低地鍛錬法及び青海チベット高原自転車ラリーが選手の身体機能と運動能力に与える影響及びその変化の法則について探究し、生理学、生化学関連の 大量のパラメータを得た。これらは高原トレーニングを指導し、標高の高い地域で競技に参加する時に必要な数量化指標と科学的根拠を提供するものである。 また、中国科学技術省が「高原トレーニング研究・応用」のプロジェクト開発を担当し、その重点は中国水泳種目の運動能力を高めることにあった。2005年 に第1期課題を締めくくる際、水泳のナショナルチームは優秀水泳選手の高原トレーニング監視及びその学問分野の研究内容を完成させた。水泳種目を対象とす る高原トレーニング大綱は既に出来上がり、監視指標が設定され、高原での通常トレーニングに関する基準と生理・生化学抑制指標がまとまり、中国水泳種目の 高原トレーニングのデータ化と標準化が実現した。この他、上記カヌー種目の筋力強化も科学技術手段に依拠して問題点を見つけ出し、新たな運動能力トレーニ ング基準が定められ、最終的に躍進を遂げることになった。
最後に、一連の運動能力トレーニングの新しい施設と手段を開発した。
例えば、北京市スポーツ科学研究所は人工低酸素トレーニング施設を開発した。このシステムは全自動で運営され、0〜3500mの標高をシミュレートでき、 酸素濃度監視測定・調節システム、二酸化炭素監視測定・調節システム及び騒音低減・除去システムを設けている。同システムは更に低酸素寝室、低酸素訓練 室、間欠的低酸素訓練室等が設けられ、選手は高原に行かなくても高原環境とほぼ同じ状態でトレーニングを受けることができる。その他、幾つかの対抗種目の トレーニングにおいて、運動能力担当コーチは心拍数を測定できる腕時計を選手に付けさせ、その運動能力状況をリアルタイムで監視すると同時に、数日置きに 選手の血液検査を行い、トレーニングマシンで筋肉の乳酸含有量を測っている。こうして一定の期間が経過すると、コーチは各選手の運動能力の法則を把握する ことができ、個別のデータファイルを作成し、それぞれの運動能力の足りない部分について特別トレーニングを行う。
2.技術
技術が重視されるスポーツ種目は中国選手が得意とするものであり、過去のオリンピックでも多くの金メダルを獲得している。しかし近年、各国がスポーツ競技 のてこ入れを図るのに伴い、多くの国ではこの種目のレベルが大幅に向上し、中国が伝統的に優位を占めてきた飛び込み、射撃等の種目は試練に直面した。優位 を保つため、科学技術者の支援の下、各競技チームは次々と新しい科学技術手段の助けを借りてトレーニングを行い、その技術に磨きをかけ、完璧を期してい る。2つの例を挙げよう。
2004年のアテネ五輪の前、飛び込みの中国ナショナルチームはトレーニングの中で難題にぶつかった。郭晶晶と呉敏霞のペアの息が合わないのであ る。競技でこうした状況が現れたなら、成績に影響するのは間違いない。科学技術者は上記の「飛び込みビデオ分析システム」を用い、郭晶晶の踏み切りが半歩 早いことにすぐに気付いた。 原因がわかれば、誤りを是正するのは比較的簡単である。その後、郭晶晶と呉敏霞はアテネ五輪の3m板飛び込み女子ペアで金メダルを獲得した。
以前、飛び込みのナショナルチームはビデオカメラで選手の動作を撮影し、再生・分析する手法でトレーニングを進めてきた。しかし、飛び込み競技は一連の 動作が比較的固定したもので、競技時は難度が追求されるという特殊性を備えており、しかも選手は非常に安定していることが要求され、わずかな動作でもミス すれば、最終成績に響くことになる。このため、コーチと選手はビデオを分析する際、各動作を微細にチェックする必要があるが、伝統的なビデオ撮影はこの要 求を満たすことができなかった。
科学技術者が開発した「飛び込みビデオ分析システム」はこの欠陥を補うことができる。このシステムは「三次元人体シミュレーション・ビデオ分析訓練シス テム」のサブプロジェクトであり、また、国家体育総局の2008年北京五輪に備えた重点科学研究難関攻略プロジェクトでもある。これは高品質のデジタル・ ビデオ・キャプチャーを採用しており、しかもビデオ・キャプチャーと動作再生は同時に完成させることができる。選手は1つの動作が終わった後、プール脇の コンピュータで水中に飛び込んだ時の全動作の画像を1フレーム毎に静止・再生して見ることができ、動作にミスがあれば一目瞭然である。コンピュータは更に 動作を分解でき、1フレーム静止・再生、速度別再生、逆方向上映等を可能にした。選手の飛び込みが細部に至るまで完璧なものとなるよう目指していく。
この他、飛び込みビデオ分析システムは動作を再現すると同時に、各種の分析データを示すことができる。例えば、飛び込み種目において、踏み切りはカギと なる動作だが、システムは選手の跳ね上がる力、身体の曲がり具合等の分析を行い、これらの分析画像が直ちにプリントアウトされる。同時に又、このシステム は2人の選手が別々に跳び込んだ同じ動作のビデオ画像を1つの画面に合成することができ、2人の違いが直ちに明らかになる。郭晶晶・呉敏霞ペアの飛び込み トレーニングはこのシステムを採用して分析が行われ、動作の違いに気付いたもの。
ビデオ分析システムには特許技術があり、それは動作のパノラマ画像分析を行い、競技のビデオ画像をカギとなる全動作のパノラマ画像に合成できることであ る。難度の高い動作はこうしたパノラマ画像を通じて完成した。研究スタッフは「1日のトレーニングが終わった後、現場のスタッフはビデオに収めた選手の多 くの動作を抽出して1枚の静的パノラマ画像に合成し、プリントアウトする。選手はこれを宿舎に持ち帰り、じっくり考えることができ、長い時間を掛けて再生 ビデオを見る必要がない」と述べている。
アテネ五輪のペア飛び込み競技で、中国選手の動作は「教科書のように完璧なものであった」が、この飛び込みビデオ分析システムが大きな役割を果たしたことは間違いない。
射撃種目は上腕の力に対する要求が極めて厳格であり、選手は上腕の筋肉をバランスよく力強く発達させることを踏まえ、技術的動作の高度な安定と一致を保つ必要がある。中国射撃選手の上腕筋肉の動きを理想的なものにするため、コーチは科学技術者に助けを求めた。
研究の末、科学技術者は筋電測定の方法を発明した。筋電測定の方法とは電極を筋肉に貼り付け、この電極を選手の腰の後ろに巻き付けられた手のひら大の採取 板に電線で接続し、採取したデータ信号を無線遠隔測定技術によりコンピュータに送るというもの。こうしたリアルタイムの遠隔測定技術は選手のトレーニング に全く影響しない。筋電測定の利用では第1に、銃の構えから1発目、1発目から2発目、2発目から3発目、3発目から4発目、4発目から5発目までの5つ の時間内における筋肉の貢献度と平均振幅を測定し、射撃中の各技術的動作が一致しているかを見る。第2に、競技ルールに基づき、8秒、6秒、4秒各組の射 撃について比較を行い、各組間の技術的動作が安定しているかを見る。筋電測定を通じ、コーチと選手は銃を撃つ時の筋肉の貢献度をはっきり知ることができ、 更に筋肉の貢献度を通じ、技術的動作の欠陥を簡単にチェックすることができる。
こうした方法を通じ、普段は見つけるのが難しい多くの技術的欠陥が明らかになる。例えば、ある選手は親指屈筋を観察記録した筋電曲線の振幅が顕著で、常 に他の選手を上回っていた。これは彼の親指屈筋の貢献度が大きく、銃を握る時に力を入れ過ぎていることを物語る。射撃競技は照準を合わせた状態で引き金を 引くものであり、握る力が強過ぎると、引き金を引く動作がこわばり、技術の安定性に直接影響することになる。筋電測定システムを利用して問題点を見つけ出 した後、リラックス調整と橈側手根屈筋の特別トレーニングを一定期間行った。再び筋電測定した所、この選手の親指屈筋はもはや余分な力が入っておらず、手 根関節が一段と安定し、競技成績も著しく向上した。この他、一部のコーチは以前、速射過程では上腕二頭筋、上腕三頭筋が重要な役割を果たすと考えていた が、この2つの筋肉は実際には何の役割も果たしておらず、三角筋前束、三角筋中束及び僧帽筋が重要な役割を果たすのである。筋電測定が証明しているよう に、選手が銃を構える時に頼るのは三角筋の力であり、技術的動作の安定性を高める時に頼るのは僧帽筋の力である。同時に又、研究スタッフは橈側手根屈筋の 力が銃を軽く握る上で重要な働きをすることを発見した。これらの筋肉に力があれば、銃の構えは安定し、連続射撃をする時にリズム感をつかみ、動作の一致性 を保つことができ、射撃成績も向上する。これらの客観的データに基づき、中国射撃チームは以前の誤ったやり方を見直し、筋力強化トレーニングを改善し、射 撃選手の技術レベルを効果的に高めた。
3.心理
スポーツ界の共通認識によれば、オリンピックの種目は技能型、体力型、対抗型、団体型に分かれる。先に述べたよう に、中国チームが優位に立つ種目の多くは技能型に集中しており、真っ先に挙げられるのは飛び込み、射撃、体操等である。これらの種目について言うなら、オ リンピックで競うのは技術レベルにとどまらず、心理面の資質が試され、これが勝敗を左右することが多い。北京五輪を前に、心理問題がかつてないほどクロー ズアップされており、逆境にうまく対処できる選手を育成することも、科学技術者の重要任務の1つとなった。スポーツ心理面のトレーニングを巡り、中国は科 学技術手段に依拠し、主に以下の幾つかの措置を講じた。
制度面ではまず、一部の強化チームにスポーツ心理学の専門家を配置した。試合前に、心理学の専門家は専門的な方法を採用して選手の心理問題を解決し、彼ら が必勝の信念を固めるのを助け、選手が試合前にコンディションを調整できるよう心理面でサポートしている。次に、中国は北京五輪に備え、オリンピック心理 専門家チームを結成した。資格証書を持つスポーツ・カウンセリングの専門家22名で構成されている。彼らの職責は2008年北京五輪に出場する各競技チー ムのためにカウンセリングを行うことである。この他、中国は五輪心理ウェブサイトを設け、特別映画「オリンピックにおける心理面の攻略」を製作し、頑張る よう選手を激励した。また、プロジェクト立ち上げ制度と結び付け、心理問題が科学技術スポーツの重要な構成部分となり、これも重視された。例えば、「中国 の優秀な射撃選手の競技期間中のストレス状態監視及び調節効果の研究」というプロジェクトでは、以下の重点研究を行うことが要求されている。
- 中国の優秀な射撃選手の競技期間中の心理的・生理的変化に伴うストレスを研究するとともに、これらの変化のモニタリングを通じ、選手のストレス状態を効果的に抑制・調節する。
- ストレス状態にある心理と生理を効果的に監視できる便利でスピーディーな総合指標体系と評価方法を確立し、競技のトレーニングと試合におけるこれら指標の応用効果を研究する。
- 競技のトレーニングと試合の全プロセスを監視し、コーチが選手のストレス状況を把握・調節し、出場選手のストレス水準を適度に高めるのを支援する。
このプロジェクトは既に完成しており、中国の射撃選手が五輪競技期間中に心理状態をベストに持っていくのに一定の役割を果たすものと思われる。
施設面では、国家体育総局科学研究所内に、世界の一流水準をいくスポーツ心理重点実験室があり、専門家が先進的な機器設備を使って心理状態の科学的評価を 行い、コーチの科学的トレーニングを補佐している。彼らは長期のフォローアップを通じ、大量のデータを蓄積しており、選手が五輪期間中のコンディションを 調整する上で大いに参考になる。この実験室は周辺機能を備えており、携帯型の機器が競技チーム内に持ち込まれ、調査研究と応用が随時行われている。この 他、各地のスポーツ研究所にも似たような多くの心理実験室がある。これらの実験室はネットワークで結ばれ、心理面でのサービスを中国選手に提供している。
技術手段の面では、強化選手がぶつかる心理的・生理的問題に対し、科学技術者も科学技術手段の助けを借り、選手が試合前に運動と心理の面でベストコンディ ションを保てるようにしている。例えば、卓球の世界チャンピオン、張怡寧は眠りが浅く、寝付くのが遅く、目が覚めやすかった。研究スタッフは彼女の睡眠の 質を改善するため、特別の安眠枕を開発し、これで睡眠の悩みが解消された。また、飛び込みの労麗詩は注意力が散漫で、こうした状況がバイオフィードバッ ク・システムで発見されると、研究スタッフは直ちに彼女のために心理調節用のミュージックを作り、効果が得られた。
4.運動リハビリと怪我や病気の回復
試合に備えるため、選手は大量のトレーニングを積み、トレーニングの質を保つ一方で怪我や病気を予防しなければならない。また、次の段階のトレーニングに 入るには運動能力を速やかに回復する必要がある。この他、選手は怪我や病気になった時、速やかに回復するための手立てを講じ、ベストコンディションに戻す とともに、その競技寿命を伸ばさなければならない。以上は運動リハビリと怪我・病気回復の範囲に属し、これは中国の科学技術スポーツ関係者が重点的に研究 している課題でもある。
現在、国家体育総局の2008年五輪科学技術難関攻略プロジェクトの中には、運動リハビリと怪我・病気回復に関する多くのプロジェクトがあり、科学技術者が中国・西洋結合の方法を採用し、これらのプロジェクトを軸に研究を進めている。
怪我や病気の予防・治療と運動能力回復の面で1つの例を挙げよう。
新体操の運動による怪我や病気は筋肉、関節、骨損傷など多くの部位に及ぶ。肉離れ、滑膜炎、アキレス腱炎、膝関節炎、果関節炎、筋腱、腰、頸椎、股関節 の損傷、疲労骨折、月経障害等はいずれも選手の職業病であり、主に手足の筋力のアンバランス、柔軟性・強靭性の弱さ及び過度な疲労によって引き起こされ る。これらの怪我や病気に対し、西洋医学はジアテルミー、遠赤外線照射、磁気治療等の理学療法を用いるが、その効果は満足できるものでない。しかし、中国 伝統医学の鍼灸、マッサージ、漢方薬を採用すれば、良好な治療効果がある。
2006年7月、この課題のプロジェクトが立ち上げられた後、課題グループはまず新体操のナショナルチームのメンバーに対し、筋力、身体バランス、柔軟 性・強靭性等を含む一連の測定試験を行い、各選手の上・下肢、腰、背中の筋力の強さ、柔軟性・強靭性及び平衡感覚についてトレーニング・ファイルを作成し た。研究スタッフは、トレーニング・ファイルを作成した目的は各選手の個別状況に合わせて特別トレーニングを行い、身体の各部位が極限のストレッチ運動の 中で損傷を受けるのを予防することだと述べている。その他、テーピングで選手の関節の力を支えることも、重要な予防手段の1つである。
課題の第2項目の予防措置はサウナ、マッサージ等の手段を通じ、選手の疲労を速やかに回復することである。
この2つの予防措置は顕著な効果を収めた。新体操のナショナルチームはこの2年余り、一連の国際・国内大会及び「グッドラック北京」のテスト試合に備え る過程で、怪我や病気をした選手が1人もいない。また、課題グループは選手の古傷を治療する面でも進展を得た。
怪我や病気の治療の面で、外国では選手が負傷すると直ちにトレーニングを止めさせ、全快するのを待つ。しかし、選手は体力と技能の低下を防ぐため、トレー ニングを毎日行う必要があり、このため、負傷した選手の多くは治療を受けながらトレーニングしている。このような場合、漢方薬の内服・塗布、薫蒸・洗浄及 び鍼灸は経絡を疎通させ、血液の循環を良くし、炎症を消し去り、痛みを鎮め、損傷した筋肉の回復と骨の癒合を促す面で、西洋医学の理学療法よりも効果があ り、且つ安全であることを中国の研究スタッフが証明した。また、人体の神経系、内分泌系、免疫力及び新陳代謝に対する滋養性漢方薬の調節機能も、西洋医学 の栄養補助剤に勝っている。科学研究者はかつて女子ホッケー、女子ハンドボール及び女子ソフトボールのナショナルチーム強化選手が抱えていた膝関節痛、肩 関節痛等の怪我に対し、鍼灸療法を施し、良好な治療効果を収めた。これは人体の筋肉が傷付くと、蛋白質の配列が乱れるが、鍼灸は配列の乱れた蛋白質を正常 に戻し、負傷部位を速やかに回復させることができるからである。腰部損傷又は肉離れがひどく、ベッドに伏せっていた選手に対し、研究スタッフが針を何本か 刺すと、選手はすぐにベッドから起きることができたという。
中国医学と西洋医学を結合してリハビリや治療を行うこうした方法は顕著な効果があるため、米国、ドイツなど金メダル大国のスポーツ医学関係者が次々と中国 を訪れ、学んだ後、医師の開業免許を取得している。また、中国の科学技術者も伝授することを願っており、外国のスポーツ医学専門家を対象に定期的な公開授 業を行っている。
5.施設
以上の4つの側面の他、中国の科学技術者はトレーニング器材や競技器材等の面でもきめ細かな研究を行い、一連の独創的な研究成果を収め、中国選手が勝利を得るための「秘密兵器」となった。
説明によれば、デジタル・トラックの中核技術はフルネームで「フレキシブル配列圧力センサー」と呼ばれる設備を通じ、陸上選手の足底圧力分布を測定し、足 底又は靴底とトラックが接触する面の形状、時間、足の踏む力、支える力等の情報を手に入れ、選手のストライド、ピッチ、動作順序等の技術パラメータを算出 することである。
フレキシブル配列圧力センサーの実物は1枚の厚紙のようであり、任意に曲げることができ、また、接触物の形状に適応させ ることもできる。センサーは上下2層のポリエステルフィルムで構成され、中間は配列と行列の方向に若干の導体が分布しており、方向の異なる2本の導体が交 わる個所にセンサーユニットが装着されている。その作動原理は次の通り。選手の足がトラックを踏んだ時、応力状況の違いにより、2層のフィルムの接触面積 に変化が生じ、その中の電気抵抗の大きさにも変化が生じる。これらの変化したデータはセンサーからコンピュータに伝送され、その後、専門ソフトで分析すれ ば、トレーニングしている選手の各種パラメータを得ることができる。また、これを競技種目の基本的な法則及びトレーニング専門家の知識や経験と結び付けれ ば、その時の動作の質の善し悪しを知ることができる。
このセンサーは非常に丈夫であり、表面の単位面積は100万回の衝撃に耐えることができる。100万回として計算し、選手がその上を毎日1,000回踏むとするなら、30年近く使用することができる。
デジタル・トラックの具体的な構造はビスケットサンドのようだ。下面がトラックの基盤、中間がセンサーで、上面には合成樹脂のトラックが敷かれている。ト ラックは幅122cmで、中間の80cm幅の部分にセンサーがある。選手がここでトレーニングする時、その感触は普通のトラックと同じであり、全く違和感 を覚えない。
デジタル・トラックの安定性を確保するため、施工担当者は敷設する時にわざわざトラックの地盤を掘り起こした。また、データ収集の正確性を期するた め、施工担当者はまずセンサーの下にアスファルトを敷いてから、データ・トラックを「はめ込み」、地面と1つに溶け合うようにした。 これは長距離走と競歩種目のために開発された器材である。競歩のルールに従い、選手は必ず一方の足が地面に着いていなければならない。しかし、よ り速く歩くには、両足で支える時間を短くしなければならず、このため、両足が同時に地面から離れ、ルール違反となる可能性もあるが、こうしたルール違反は 肉眼で観察するのが難しい。また、選手の「両足が宙に浮く」ルール違反にも一定の法則性がある。一般には競技の後半に体力が低下し、身体に締まりがなく なった時、動作に乱れが生じ、ルールを犯しやすい。中国は女子競歩種目で一定の優位を占める。しかし、多くの国際大会で、中国選手はトップに立ちながら 「両足が宙に浮いた」ためにペナルティーをとられるケースが多く、思わず悔しさの余り自分の腕を握りしめることになる。
デジタル・ランニングシューズの出現は、こうした局面を終結させる可能性が高い。
デジタル・ランニングシューズも知能研究所が開発したものである。研究スタッフはまず競歩ナショナルチームの全メンバーの古い靴底のすり減り具合 を研究した。靴底のすり減り具合を見れば、大部分の選手については足底の力点情報をつかむことが容易であり、これに基づき、デジタル・ランニングシューズ 用センサーのノード分布を決定した。センサーは靴底と敷き皮の間に設けられる。2足の靴の外側にそれぞれ信号コレクターが取り付けられ、これによってセン サーの情報を集め、選手の特製腕時計に送信するのである。コーチは携帯端末で照会を行い、腕時計から送られてくる情報を受信し、選手の運動姿勢をリアルタ イムで調整することができる。
現在、デジタル・トラックとデジタル・ランニングシューズは走り幅跳び、競歩、マラソン等のナショナルチームのオリンピックに備えた日常トレーニングの 中で重要な役割を果たしている。これらのシステムの測定分析機能とリアルタイムのフィードバック結果はコーチや選手から高い評価を得た。今後、このような トレーニング施設・器材はテコンドー、ボクシング、武術、卓球、バドミントン各選手の足の運びや敏捷性の訓練、体操の着地安定性の研究及び駆け足の速さ、 歩くパターンの特徴を測定する場合等にも用いられ、中国選手の競技水準向上に一役買うことができる。
オリンピックという追い風に乗り、中国の科学技術スポーツは勢いよく発展する段階に差し掛かっており、政策的支援も充実し、各種の技術的手段が次々と発明 され、実用段階に入っている。今年8月に開催される北京オリンピック大会はこの10年間の科学技術スポーツ発展の最終的な試金石となる。中国選手の抜群の 成績を通じ、科学技術とスポーツを結び付けた成果が検証され、中国の科学技術スポーツが新たな段階に進むのを促すに違いないと信じている。