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環境保護部環境計画院

1.概要

写真1

環境保護部環境計画院概観 出典:OFweek産業研究センター

1. 名称:環境保護部環境計画院

2. 住所:北京朝陽区安外大羊坊8号 中国環境科学研究院院内

3. ウェブサイト: http://www.caep.org.cn/

4. 発展の歩み

 環境保護部環境計画院は、人事部が1987年に設立を認可した中国環境計画院(労人編[1987]131号)を前身としている。2001年に独立法人事業機関となり、独立した運営がなされるようになった。 

2.研究能力

1. 研究分野

 環境保護部環境計画院の主要な職務としては、▽国家の中長期環境戦略計画や全国環境保護中長期計画・年度計画、汚染防止対策・生態保護など特別計画、流域・地域・都市環境保護計画などの理論方法の研究、シ ミュレーション予測分析、編制・起草研究、評価・審査の実施などの技術的な業務、▽中央財政特別資金プロジェクトの技術コンサルティング、技術サービス、実績評価などの業務、▽ 全国汚染物排出総量制御計画やその実施プランなどの研究や起草を担い、汚染物の排出データの分析と環境統計方法、総量制御制度政策、環境容量推算、汚染物排出許可、汚染物排出取引、気 候変動などの面での研究と技術サポート、▽環境リスクの評価と管理、汚染による損害の鑑定、経済損失評価などの面での研究と技術サポート、▽農村環境保護と農業資源環境管理など計画と関連する技術サポート、▽ 環境機能区画や生態機能区画などの面での研究と技術サポート、▽環境経済の推算や環境保護と関連する財政経済政策、生態補償政策、環境監査などの面での研究、▽環境保護部が求めるその他の業務――な どが挙げられる。

2. 人材資源

 環境保護部環境計画院には現在、216人の職員がおり、そのうち博士学位を持つ研究人員は39人で18%以上、修士学位を持つ研究人員は117人で54%以上を占める。研究員の肩書を持つ人員は17人、副 研究員は30人。中級以上の専門技術者としての肩書を持つ職員は86人で職員全体の40%前後を占めている。

3.上級機関

 環境保護部環境計画院の上級機関は人事部である。

4.付属機関

 環境保護部環境計画院は現在、弁公室、総合業務部、戦略計画部、水環境部、大気環境部、生態環境部、プロジェクトコンサルティング評価部を設けている。

5.国家級プロジェクトへの参加

 2001年以来、環境保護部環境計画院は、130件以上の国家級重点計画と科学研究課題、90件以上の流域・地域級環境保護計画、40件以上の重大国際プロジェクトを担当してきた。そ のうち多くの計画や評価報告、環境政策は、中国政府の回答を得て採用され、関連部門の政策決定・管理に重要な技術的支えを提供した。

 環境計画院は設立以来、先多くの計画を完成させてきたが、次に挙げる国家プロジェクトはその一部である。

  • 『全国危険廃棄物・医療廃棄物処置施設建設計画』
  • 『三峡ダム区及びその上流の水汚染防止・対策計画』
  • 『国家環境保護「十五」(第10期5カ年計画、2001-2005)重点工事プロジェクト計画』
  • 『南水北調(南方地域の水を北方地域に送るプロジェクト)東線工事汚染対策計画』
  • 『全国危険廃棄物処置「十五」計画』
  • 『淮河流域水汚染防止・対策「十五」計画』
  • 『海河流域水汚染防止・対策「十五」計画』
  • 『太湖水汚染防止・対策「十五」計画』
  • 『国家環境保護「十五」計画』
  • 『国家環境保護「十一五」(2006-2010)計画』
  • 『重点流域水汚染防止・対策「十一五」計画』
  • 『酸性雨・二酸化硫黄制御「十一五」計画』
  • 『全国農村汚染防止・対策「十一五」計画』
  • 『全国都市汚水処理・ゴミ処理「十一五」計画』

 以上の計画はいずれも国務院の認可を獲得している。

 地方政府向けに30以上の環境保護計画や都市計画などの編制も行い、地方の人民代表大会や政府に採用されてきた。以下はその代表例である。

  • 『珠江デルタ環境保護計画』
  • 『広東省環境保護計画』
  • 『包頭鋼鉄及び周辺地区経済・環境協調発展計画』
  • 『紹興エコシティ建設計画』
  • 『武漢青山国家環境保護産業基地建設計画』
  • 『中山市エコシティ建設計画』
  • 『魯北国家エコ工業パーク建設計画』

 さらに地方政府または企業向けに工学系の実現可能性研究報告も編制しており、その代表例として以下が挙げられる。

  • 『蘇州危険廃棄物総合処理プロジェクト実行可能性研究報告』
  • 『貴州車両工場複合逆浸透膜国産化実行可能性研究報告』
  • 『金壇市第二汚水処理場実行可能性研究報告』

 環境計画院はこのほか、中国工程院の重大諮問プロジェクト

  • 『中国持続可能発展水資源戦略研究テーマ5:中国河川・湖海汚染防止減災戦略対策』

の編制を完成させている。

 環境計画院はまたいくつかの政策研究プロジェクトも手がけている。以下はその代表例である。

  • 中国・米国の協力による『中国二酸化硫黄排出取引実行可能性研究』
  • アジア開発銀行『太原市二酸化硫黄排出取引試行研究』
  • 同『クリーン生産促進投融資メカニズム研究』
  • 同『化石燃料発電所環境保護金額換算政策研究』
  • 世界銀行『中国水汚染防止・対策政策革新研究』

 一方、以下の例のような多くの基準や規範も制定している。

  • 『主要汚染物排出総量制御管理条例』
  • 『地表水環境質標準』
  • 『水環境機能区区画技術指導規則』
  • 『医療廃棄物高温蒸気滅菌集中処理技術規範』