8.2.2 宇宙開発分野の動向
(1) 「第11次5ヵ年」宇宙空間科学発展規画
国防科学技術工業委員会(当時)は2007年3月、「『第11次5ヵ年』宇宙空間科学発展規画」(「"十一五"空間科学発展規画」)を公表し、同期間中における6項目の発展目標を提示した。
- 「国家中長期科学技術発展規画」に盛り込まれた有人宇宙飛行と月探査プロジェクトを実施する
- 硬X線望遠鏡(HXMT)を自主的に研究・製作し、空間天文衛星の口火を切り、ブラックホールの物理研究などの分野でブレークスルーを達成する
- 回収型宇宙空間科学実験衛星「実践10号」を打ち上げ、微重力科学と宇宙空間生命科学の実験研究を行う
- 宇宙空間科学の国際協力の利点を十分に活かし、中露火星宇宙空間環境探測計画、世界宇宙空間紫外天文台(WSO/UV)計画、中仏太陽フレア探測小型衛星(SMESE)計画に参加する
- 宇宙空間太陽望遠鏡(SST)の鍵を握る技術研究をさらに進め、太陽探査プロジェクトである「夸父」計画のバックグラウンドとなる先行研究を実施するとともに、科学的な目標を練り上げ、重 要技術のブレークスルーを達成する
- 宇宙空間科学に関連する分野において鍵を握る技術および科学研究を行う
宇宙空間科学発展規画は、以下の具体的な政策措置をあげている。
- 宇宙空間科学規画を策定し、プロジェクトの指針を公布する。また管理を統一的に計画し、宇宙空間科学の発展を全体としてまとめる
- 科学的に理に適ったプロジェクトを選別するメカニズムを公開、公平、公正かつ透明性をもって構築する
- 計画および指針に基づき、多様なルート、多部門の資金調達を奨励し、宇宙空間科学プロジェクトを共同でサポート、育成する
2020年までの中国の宇宙空間科学発展路線:新世紀の宇宙探索

出典:「"十一五"空間科学発展規画」(国防科学技術工業委員会、2007年1月=公表は同3月)