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固定翼無人機のテスト飛行が成功、送電線のメンテナンスに助力

中国科技日報     2012年 2月16日

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 「スタンバイOK、テスト飛行スタート!」――。操縦者の指示に従い、全長3メートルの無人機がロケットの推進力を利用して空を飛び、山東省平度市店子鎮英里村に位置する光州―大沢送電線(500キロボルト級)の巡回検査を開始した。同済大学山東大学等の専門家による専門家委員会は、同プロジェクトが世界トップ水準に達したと認定した。

 伝統的な人力による巡回と比べ、固定翼無人機による巡回検査は労働を軽減し、作業効率を高めることができる。これは山東電力集団公司の、「無人ヘリスマート巡回検査システム」、「空中送電線除雪ロボット」、「空中送電線クリーニング検査ロボット」に続く、スマートグリッド建設推進に向けた画期的な進展である。

同プロジェクトは、以下の4つのイノベーションを実現した。

(1)フルHD技術により解像度1080pの映像データを取得し、電線の映像を高画質で記録できるようになった。

(2)高速人工知能技術を搭載し、中国で初めて108−180キロ毎時のトラバース識別機能を実現し、高速巡回検査における送電線の追跡と特定に向け、スマート化された計算方法を提供した。

(3)長距離かつリアルタイムの映像情報伝送を実現した。

(4)世界で初めて送電線固定翼無人機のスマート化巡回検査システムに特化した作業モードを作成し、「空中送電線無人機巡回ルート作業操作ガイド」をまとめ、工学的な応用を実現させた。

 将来、送電線のスマート化巡回検査に固定翼無人機による巡回検査システムを採用すれば、高速かつ広範囲にわたる検査を実施することができる。異常事態が発見されれば、無人ヘリ巡回システムが現地に赴き詳細な検査を行う。発見された欠陥は、無人ヘリに搭載された作業ロボットが問題解決にあたる――。このように、送電線に対する各方面からの検査・作業を通じて、送電線メンテナンスのスマート化を推進し、電力供給の信頼性を高め、作業者を減らし、メンテナンス効率を高め、コスト削減につなげることができる。