電動自転車と電動バイクは、多くの人の日常生活における交通手段だ。今年に入り、多くの都市のビジネス圏や団地内でバッテリー交換ステーションが見られるようになった。利用者は従来の充電の代わりにバッテリー交換を行い、住民のバッテリー充電時の安全リスクを大幅に引き下げた。
上海市のある小商圏に2列のバッテリー交換キャビネットがあり、時おりフードデリバリー配達員が訪れる。まず携帯電話でQRコードをスキャンし、次に充電が切れそうなバッテリーをバッテリー交換キャビネットに入れ、そして新たなバッテリーを装着する。わずか数十秒でバッテリー交換が終わる。
配達員は取材に対して、「近くには他にもこのような小型バッテリー交換ステーションが多くある。これは充電に長時間かかった従来の問題を解決し、非常に便利だ」と述べた。
配達員のほか、今や多くの団地住民もこの新たな発想を試し始めている。福建省寧徳市の団地にも、スマートバッテリー交換キャビネットが設置されていた。
このセルフバッテリー交換キャビネットには、操作方法が記されていた。携帯電話のアプリを使いそのQRコードをスキャンすると、まず周辺のすべてのバッテリー交換キャビネットの位置が表示される。次に「コードスキャン、バッテリー交換」をタップすると、さまざまなコースが表示される。需要に基づきそれを選び料金を支払うと、このバッテリー交換キャビネットを正常に使用できる。
このすべてのプロセスが30秒内に完了する見込みだ。
バッテリー交換キャビネットのすべてのバッテリーのフル充電にかかる電力は1kWhで、1時間以内でフル充電が可能だ。すべてのバッテリーに測位・モニタリングシステムが搭載されており、バッテリーの損壊、紛失、充電時の安全問題を大きく回避できる。またバッテリー交換キャビネットの普及は、消費者の電動自転車と電動バイクの購入コストを大幅に削減した。
上海のあるバッテリー交換テック企業の運営担当者によると、利用者は電動自転車・電動バイクの購入時にバッテリーとフレームを購入しなければならず、約4000元(1元は約16.8円)が必要だった。現在はバッテリーを買わずフレームだけ購入すればよく、価格は約2000元だ。
データによると、中国の2020年の電動自転車・電動バイク需要量は3815万台で、増加傾向を維持している。あるバッテリー交換テック企業の責任者によると、中国の電動自転車・電動バイク保有量は現在すでに3億2500万台にのぼっている。20年末より、同社は川上のバッテリー工場とバッテリー交換キャビネットのサプライヤーと協力し、団地住民向けのバッテリー交換サービスを開始した。上海市や福建省などの全国百都市以上でスマートバッテリー交換キャビネットの建設を開始した。
これらのバッテリー交換産業は現在まだ初期段階にあり、多くのメーカーが以前開発した車種の需要が完全に満たされるわけではない。バッテリー交換キャビネットによって必要な差し込みプラグも異なり、業界内に統一的な規範・基準がない。今後は電動自転車・電動バイクメーカー、バッテリー交換キャビネット企業などの全産業チェーンの各方面の協力が必要になる。