「以前は先を行く者を追走していたが、現在は併走するようになった。われわれは必ず、世界の原子力発電所建設のフロントランナーになる」。中国核工業建設股份有限公司(中国核建)の陳宝智董事長のこの言葉は、根拠のない自信によるものではなく、原子力産業での32年にわたる奮闘を経て、心から発したものだ。
陳氏は「中国原子力産業の創設、発展、拡大の全プロセスを見守り、関わってきた。秦山原子力発電所の建設により、中国大陸の原発がゼロからスタートし、大亜湾原発や田湾原発、福清原発など、世界の原発で主流となっている原子炉の建設、さらには中国が独自設計した第3世代原子炉『華竜1号』が、国の代名詞として世界で輝くようになった。これまでの道のりを振り返ると、非常に光栄に思う」と振り返った。
2020年11月27日、「華竜1号」を世界で初めて採用した福清原発5号機が系統接続し、稼働した。これにより中国は、原子力発電技術の海外による独占状態を打破し、原子力発電先進国の仲間入りを果たした。
中国核建の高金柱副総経理は「世界には『1基目の原子炉は必ず遅れる』という言い方がある。1基目の原子炉は通常、新たな原発技術により建造された最初の原子炉を指し、新技術と新設備で設計されたことで、建設プロセスで多くの問題が明らかになる。そのため、絶えず改良する必要があり、工期が遅れることが多い。例えば、米国とフランスの第3世代原子炉の1基目は、工期が数年も遅れている。しかし『華竜1号』の1基目は予定通りに建設目標を達成し、世界で初めて予定通りに稼働した第3世代原子炉となった」と説明した。
中国の原発設備容量や建設中の原発規模が世界トップレベルに飛躍したのに伴い、中国核建は現在、中国内外で高く評価される原発プロジェクト建設企業に成長した。当初、同時に2基しか建造できなかったが、今では同時に40基建造できるようになった。
陳氏は「われわれは中国国内の全ての完成済みや建設中の原発に参加している。これまでに建設した原子炉は83基に達し、うち60基がすでに稼働し、23基は建設中となっている。われわれは中国原発建設の絶対的主力だ」と語った。