2023年11月20日-11月24日
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中国科学技術大、木の葉のように色が変わる新材料を開発

2023年11月20日

 中国科学技術大学は15日、同大学工程科学学院の研究チームがバイオミメティクスの考えに基づき、新たなハイパースペクトル変色材料を開発したと明らかにした。この材料は落ち葉が緑色から黄色に変色する現象を模倣し、両方の状態で葉の太陽スペクトル反射特性を再現できる。関連研究成果はこのほど、材料分野の学術誌「微観」のオンライン版に掲載された。科技日報が伝えた。

 自然界における植物の葉の色の変化は、葉肉細胞内の色素含有量の変化に関連している。細胞内の葉緑体含有量が多いと他の色の色素を覆い隠し、葉が緑色になる。葉緑体が外部環境の変化によって分解されると、細胞内のカロチンなど他の色素の色が現れ、葉が黄色や赤色になる。

 研究チームはこのメカニズムからインスピレーションを得て、緑色の動的な顔料と黄色の静的な顔料を複合させた色の変化モデルを打ち出した。このバイオミメティクスの考えに基づき、研究チームは熱変色のマイクロカプセル顔料とチタンクロム黄色顔料を組み合わせ、溶液流延法によりポリ塩化ビニルを基材とした変色バイオミメティック材料を生成した。この材料の色変化は外部の温度刺激により切り替えられ、双安定性の特徴を持っており、2つの色とも通常の屋外環境において安定的に存在できる。

 変色現象を実現させた上で、研究チームはさらに粒子系放射線伝送モデル材料の顔料粒子の調合比率をデザインし、葉肉細胞内の積層構造の入射放射線に対する散乱プロセスを模倣することで、本物の葉と一致する近赤外線高反射性の特徴が形成された。親水性を持つ基材によりバイオミメティクス材料が空気中の水分を吸収し、葉の水吸収の特徴を模倣する。またバイオミメティクス材料は環境中の湿度の変動に応じて水分の吸着と脱着を行い、葉の水分輸送による温度調節を模倣し、自然界の葉と一致する赤外線特性を持つようになった。

 研究者によると、今回の研究は落葉植物のハイパースペクトル変色のバイオミメティクスを実現し、工学分野で幅広い応用の可能性があるという。

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