中国地質科学院鉱産資源研究所の研究者が発見・報告した新鉱物「tantalaeschynite-Ce(中国語名:铈钽易解石)」(セリウムタンタルエシキン石)がこのほど、国際鉱物学連合の新鉱物命名・分類委員会から承認された。科技日報が伝えた。
「セリウムタンタルエシキン石」は江西省のレアメタルペグマタイト鉱床から発見されたもので、顕微鏡で観察すると針状、束状、短柱状で、茶褐色もしくは黒色を呈し、長石、マイクロライト、蛍石などの鉱物と共生する。鉱物の成分分析は同研究所電子プローブ実験室で行われ、タンタルが豊富に含まれることが分かった。
自然界でよく見られるエシキン石はニオブやチタンを豊富に含むもので、タンタルを豊富に含むエシキン石は少ない。タンタルは重要なレアメタル元素として、高性能コンデンサ分野や航空・宇宙材料分野で重要な応用の可能性を持つ。「セリウムタンタルエシキン石」が高度に進化したレアメタルペグマタイトに現れたことは、鉱石形成流体にタンタルが豊富に含まれる特徴を示しており、タンタル鉱の探査やその鉱物形成作用の研究において重要な意義を持つ。