中国自然資源部(省)中国地質調査局によると、河南省西峡県の希土類鉱床から発見された新鉱物が国際鉱物学連合の審査に合格し、「倪培石」と命名された。この新鉱物は新材料などの分野で重要な科学的価値を持つ。科技日報が伝えた。
倪培石は同県太平鎮の希土類鉱床で見つかった。この鉱物は、薄い赤から赤褐色で、一軸性の偏光下では灰色を呈し、半透明から透明のガラス光沢があり、性状は脆く、貝殻状の断面を持つ。これは現在、自然界で発見されている中で、セリウム元素の含有量が最も多いケイ酸塩鉱物となっている。これは南京大学地球科学・工程学院の倪培教授にちなんで命名され、同氏の長年にわたるタングステン・スズ多金属および希少希土類鉱床の研究分野における卓越した業績を称えている。
倪培石の発見、特にその独特な化学成分と結晶構造の特徴は、これまでのセライト族の分類命名体系を覆した。倪培石は中国の科学研究チームが自然界で発見し、国際鉱物学連合に承認されたセライト族の新鉱物としては、太平石と嫦娥石に続く3番目となる。うち太平石と倪培石はいずれも河南省太平鎮の希土類鉱床から発見された。
倪培石と太平石は珍しい希土類ケイ酸塩鉱物で、同じく珍しい希土類フッ化物と共生することが多い。これらは希土類炭酸塩鉱物(希土類鉱床の主要鉱石・鉱物)の前駆体と考えられており、希土類鉱床の早期造鉱流体の性質や後期希土類元素の移動、沈積メカニズムの研究に対して重要な価値を持つ。
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