ロボット業界では「世界のロボットの3分の1は中国で生産され、その3分の1が上海で生産される」と言われている。この言葉に興味を持ち、上海市にある張江ロボットバレーに向かった。人民網が伝えた。
張江ロボットバレーの未来体験館では、コーヒーロボットが巧みにコーヒーを淹れ、ラテアートを描いてくれた。インテリジェント似顔絵ロボットは顔の輪郭を認識し、ペンを持ってリアルな人物画を描く。
上海初の「特色産業パーク」の1つである張江ロボットバレーには、ロボット産業のリーディングカンパニーが集まり、世界をリードするロボット応用技術が集結している。
リハビリロボットの生産から開始し、人型ロボットで大きく飛躍した傅利葉智能(Fourier Intelligence)は、張江に拠点を構えて10年近くになるインテリジェントロボット企業だ。同社は高さ165センチ、重さ約60キロの人型ロボット「GR-1」を開発した。同社イノベーション・プロジェクトの楊志豪プロダクトディレクターは「人型ロボットは、自らバランスをとる下肢外骨格システムに上半身とロボットアームを加え、大脳・小脳の機能と組み合わせたものだ。非常に細かい動きや音声対話、人や環境とのインタラクションが可能で、汎用人工知能(AI)を応用する上で理想的なアイテムだ。将来的には、接客や研究・教育、医療・リハビリ、工業生産など、各分野で応用される可能性がある」と説明した。
中国で初めて最高難度の泌尿器科手術を成功させた医療ロボットや、世界初のブレイン・マシン・インターフェース(BMI)手機能リハビリロボットなど、さまざまなインテリジェントロボットが体験館に展示されている。
体験館では多国籍企業ABBのインテリジェント選別ロボットが休むことなく作業を行っていた。ABBは張江ロボットバレーに世界最大規模のロボット研究開発・生産・応用拠点を設けた。さらに、上海ロボット産業技術研究院のイノベーションセンターやバイオニックロボット研究所など、多くのイノベーション・プラットフォームも張江ロボットバレーに集積している。
わずか4年足らずで、ロボット産業エコシステムが張江ロボットバレーに形成され、根を下ろし、成長を遂げた。張江ロボットバレーは成熟したイノベーション力とエコシステム・プラットフォームによって、川上・川下企業の成長に肥沃な土地を提供し、絶えず産業チェーンを改善し、産業エコシステムを構築することで、「世界トップレベルのロボット産業クラスターの構築」という目標に向けて邁進している。