中国有人宇宙プロジェクト弁公室は12月30日、完成2周年を迎えた中国宇宙ステーションの科学研究・応用進展報告書を初めて発表した。人民網が伝えた。
報告書によると、中国は2年間で有人宇宙飛行4回、貨物補給3回、宇宙船帰還ミッション4回、宇宙飛行士5組延べ15人の長期滞在、宇宙飛行士による10回の船外移動、複数回の応用ペイロード船外移動、複数回の船外メンテナンスミッションを実施した。宇宙飛行士の1回の船外活動時間の記録を更新し、2人の香港・マカオペイロード専門家を含む4回目の予備宇宙飛行士選抜や低コスト貨物輸送システム選定を終え、研究開発などの作業を開始した。宇宙ステーションは現在、軌道上で順調に稼働している。
宇宙ステーションでは宇宙科学・応用実験・技術試験プロジェクトが順調に進み、さまざまな成果を上げている。2024年12月1日までに軌道上で計181件の科学・応用プロジェクトを実施し、2トン近くの科学物資を軌道上に輸送し、100種近くの実験サンプルを地上に輸送し、300テラバイト(TB)以上の科学データを取得している。プロジェクトでは、宇宙で開発された稲や再生稲の新たな遺伝資源の獲得、宇宙ヒト胚性幹細胞の造血幹・前駆細胞への分化の実現、宇宙微小重力条件下での冷原子干渉ジャイロスコープの実現、ハイスループット軌道上微生物対策試験プラットフォームの構築、宇宙水エコシステムの軌道上での長時間運用など、複数の独創的な成果を上げた。
各分野の科学チームは累計500本以上のハイレベルSCI論文を発表し、150件余りの特許を取得。一部の成果はすでに実用化され、宇宙科学・応用の発展を大きく推進した。
中国の宇宙ステーションでは、今後10~15年の間に千件以上の研究プロジェクトを順次実施し、科学普及と国際協力を行い、国内外のハイレベル科学チームを集め、宇宙科学、宇宙技術、宇宙応用の全面的な発展を促進するとしている。
画像は人民網日本語版(CCTV提供)より