第三十章 基本的公共サービス水準の向上
人間本位、サービス優先の方針を貫き、政府の公共サービスに関する職責を履行し、政府の保障能力を高め、基本的公共サービスにおける都市部と農村部の間の格差を縮める。
第1節 健全な基本的公共サービス制度の構築
基本的公共サービスの範囲と基準を明確にし、公共財政体制の充実化を急ぎ、基本的公共サービスの支出を保障し、基本的公共サービスの実績審査と行政監察を強化する。中央政府と地方政府の管理権限を合理的に区分し、地方政府を中心として統一的な管理と各レベルの多元的管理を組み合わせた公共サービス管理体制を健全化する。
01 公共教育 | (1)9年義務教育の学費を無料にする。農村義務教育の寄宿学校の寄宿費を無料にする。経済的に困難な家庭の寄宿生に生活補助を提供する。 |
(2)農村の学生、都市部の経済的に困難な家庭の学生と農業関連の専門を専攻する学生を対象に、中等職業教育の学費を免除する。 | |
(3)経済的に困難な家庭の児童、孤児、障害児の学齢前教育に補助金を給付する。 | |
02 就業サービス | (1)都市・農村部の労働者に就業情報、就業コンサルティング、職業紹介、労働調停・仲裁を無料提供する。 |
(2)失業人員、農民工、障害者、新成長労働力に基本職業技能訓練を無料提供する。 | |
(3)就業が困難な人員と就業者がいない家庭に就業支援を提供する。 | |
03 社会保障 | (1)都市部の就業者・住民は基本養老保険、農村部の住民は新型農村社会養老保険に加入する。 |
(2)都市部の就業者・住民は基本医療保険、農村部の住民は新型農村合作医療に加入する。 | |
(3)都市部の就業者は失業保険、労災保険、出産保険に加入する。 | |
(4)都市部の困難な層には最低生活保障、医療救助、出棺・埋葬支援などのサービスを提供する。 | |
(5)孤児、障害者、「五保」世帯(衣・食・燃料・葬儀・教育が保障される最低生活保護世帯)、高齢者など特殊な層に福祉サービスを提供する。 | |
04 医療衛生 | (1)住民健康記録、予防接種、感染症予防、児童の保健、妊産婦の保健、高齢者の保健、健康教育、高血圧など慢性病の管理、重度の精神疾患の管理など基本公共衛生サービスを無料提供する。 |
(2)エイズ予防、肺結核予防、農村女性の妊娠前と妊娠早期の葉酸摂取、農村女性の入院出産補助、農村女性の子宮頚がんの検査、貧困層の白内障の治療など重大公共衛生サービス特別プロジェクトを実施する。< /td> | |
(3)国家基本薬物制度を実施し、基本薬物を全て基本医療保障薬物清算リストに盛り込む。 | |
05 人口計画出産 | (1)無料の避妊薬・避妊具、妊娠前の優生健康検査、生殖健康技術、宣伝教育などの計画出産サービスを提供する。 |
(2)条件を満たした出産適齢層に再出産技術サービスを無料提供する。 | |
06 住宅保障 | (1)都市部の低所得層で住居に困難な家庭に廉価賃貸住宅を提供する。 |
(2)都市部で中より上の所得層で住居に困難な家庭に公共賃貸住宅を提供する。 | |
07 公共文化 | (1)基層公共文化、体育施設を無料開放する。 |
(2)ラジオ・テレビ放送がすべての農村をカバーし、農村に無料の映画放映や書籍・新聞の配達、演劇の公演など公益性文化サービスを提供する。 | |
08 インフラ | (1) 行政村に自動車道路とシャトルバスを開通させ、都市部市街区の公共交通を整える。 |
(2)行政村に電気を通し、電気が通っていない地域をなくす。 | |
(3)郵政サービスの営業所を全ての農村に設置し、全ての村に郵便サービスを行き渡らせる。 | |
09 環境保護 | (1)全ての県が汚水・ごみ無害化処理能力、環境モニタリング評価能力を備えるようにする。 |
(2)都市部・農村部における飲用水の水源の安全を確保する。 |
第2節 公共サービス供給方式の刷新
基本的公共サービスの提供方式を刷新し、競争メカニズムを導入し、購入サービスを拡大し、提供主体と提供方式の多元化を実現する。非基本的公共サービスの市場化改革を推進し、市場参入基準を緩和し、さまざまな方式による社会資本の参入を奨励し、多層的な供給能力を強化し、人々の多様なニーズに応える。