中国有人宇宙飛行事業弁公室が明らかにしたところによると、宇宙実験室「天宮2号」は北京時間19日午後9時6分、制御を受けつつ軌道を離れて大気圏に再突入し、少量の残骸が南太平洋の予定された安全海域に落下した。天宮2号が制御を受けつつ大気圏に再突入したことは、中国有人宇宙飛行事業の宇宙実験室段階における全任務が無事完了したことを示している。人民日報海外版が伝えた。
天宮2号は中国初の真の意味での宇宙実験室で、実験モジュールと資源モジュールに分かれており、全長10.4メートル、船体の最大直径3.35メートルで、軌道上の設計寿命は2年となっていた。
中国初の真の意味での宇宙実験室である天宮2号には、計14項目におよぶ重さ約600キロの応用負荷および宇宙における医学実験装置、軌道上でのメンテナンス試験設備が搭載され、60項目以上の宇宙科学実験と技術テストを展開し、各既定任務を無事完了し、世界トップレベルで重大な応用効果という成果を数多く挙げた。そのうち天宮2号に搭載された宇宙で稼働する冷原子時計(Cold atomic clock)は世界的にも初の軌道上で稼働する冷原子時計で、軌道上テスト結果に基づいて推算した冷原子時計の安定度は7.2E-16に達した。また、中国と欧州が共同で研究開発したガンマ線バースト観測装置は世界初の広視野で高効率の専門宇宙ガンマ線バースト観測装置で、55の宇宙ガンマ線バースト現象の観測に成功し、国際的なガンマ線バースト共同観測に重要な貢献を果たした。このほか、天宮2号には宇宙での蚕飼育や二重振り子実験、水膜反応など香港中学生宇宙テクノロジー設計コンテストで受賞した3件の実験項目も行われ、良好な社会効果を挙げた。