2024年02月01日-02月02日
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「神舟16号」に乗って宇宙を旅した稲蝦米の種子が引き渡し

2024年02月02日

 中国の有人宇宙船「神舟16号」に搭載されて宇宙を旅した南県稲蝦米(エビの養殖と組み合わせて栽培する稲)専用種の種子8696粒が1月27日、湖南省南県で引き渡された。湖南省農業科学院南県稲蝦米産業研究院は今後、宇宙育種の科学研究を推進し、試験栽培や評価・鑑定を行い、新たな遺伝子と遺伝資源を発掘し、洞庭湖地区の食糧産業における質の高い発展と農家の増産・増収を目指す。中国新聞網が伝えた。

 生物種子宇宙搭載実験は宇宙育種の重要技術とされる。従来の育種技術と比べると、同技術は突然変異の頻度が高く、範囲が広く、短期間で高生産量や高品質、耐病性などの優良遺伝資源を創出する可能性が高いといわれる。そのため、優良品種を宇宙船に搭載することは、農作物の優良品種資源を獲得するための重要な方法となっている。

 南県稲蝦米専用種の種子は2023年5月30日に「神舟16号」と共に宇宙に向かい、同年10月31日に「神舟16号」と共に地上に帰還した。高真空、微小重力、強い宇宙放射線の環境に耐え抜いたこの種子は、南県が湖南省農業科学院と協力して育成した専用新品種だ。

 南県稲蝦米は「中国地理的表示証明商標」「第107回パナマ太平洋万国博覧会金賞」を獲得しており、地域ブランドの価値は231億1000万元(1元=約21円)に上る。洞庭湖の奥地に位置する南県はここ数年、稲蝦の産業チェーンを持続的に推進している。

 
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