中国の国産大規模AIモデル「DeepSeek」の登場は、AIの未来の発展に関する新たな議論を引き起こしている。中国青年報社社会調査センターがアンケートサイト「問卷網」と共同で実施した調査によると、78.8%の回答者がすでにDeepSeekを仕事や生活で活用していることが判明した。中国青年報が伝えた。
調査によると、59.6%の回答者が「若者が『AI+』分野を開拓し、AIが複数分野を発展させることを期待している」と答えた。56.4%は「若者がAI教育の普及を推進し、情報格差を縮小させる」と考えている。また、52.3%は「AIの倫理やプライバシー保護に注力し、デジタル世界の安全を守ることが重要だ」と認識している。その他の回答としては、「最先端のAI技術を学び、人間と機械の協働を習得する」(44.2%)、「AIを活用して生活の質を向上させ、よりスマートなライフスタイルを実現する」(42.8%)、「AI関連の公益活動に参加し、技術を通じて社会貢献する」(18.3%)などが多かった。
江西省出身でデータ処理を専攻する学生の李佳怡さんは、DeepSeekにより、コードを書く速度が向上したと説明。AIツールを活用することで、プロジェクトの初期設計をより速く作成できるようになり、その後の詳細な修正や調整を加えることにより、学習効率が飛躍的に向上し、クリエイティブな作業に集中できるようになったという。李さんは「日常生活の中でメッセージの返信に困った時にも、DeepSeekを使って言葉を整理し、コミュニケーションの効率を高めている」と述べた。
北京出身で文系専攻の2000年代生まれの大学生、章宗秀さんも仕事や勉強でDeepSeekを活用している。論文執筆時には、AIツールを使って思考を整理し、最新のトピックに基づいてテーマやインスピレーションを見つけ、参考資料をまとめることで、作業時間を大幅に短縮できると感じている。章さんは「AIの支援により、より効率的に仕事と勉強に取り組めるようになった」と語った。
「AI時代において、技術人材の需要はさらに高まっている。これは現代の若者にとって大きなチャンスの一つだ」。そう語るのは、浙江省出身でAIを専攻する尹燁靖さん。「AIツールの登場で、単純で繰り返しの多い作業から解放され、より多くの時間とエネルギーを自身のスキル向上や興味の探求に充てられるようになった」と感想を述べた。
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