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未成年のネットゲーム制限=中国、金土日に1時間だけ

2021年08月31日

 中国の国家新聞出版署は、インターネットゲーム企業に対し、未成年へのサービス提供を金土日と法定祝休日の夜8~9時のみに限定する通知を発表した。子どものゲーム中毒を防ぐため。チャイナ・ウオッチが新華社の報道を引用した北京発共同通信電として伝えた。

 新華社によると、国家新聞出版署の担当者は「未成年の心身の健康を守ることは大衆の利益となり、民族復興の新たな人材養成に関わる」と規制の意義を説明し、未成年はスポーツなどもっと「有益」な活動をすべきだと促した。

 規定の時間帯以外は未成年がゲームで遊べないようにするという、従来は未成年の深夜や長時間の使用を制限していたのみであった。

 この通知では、サ―ビス利用者に対しオンラインゲームのユーザーアカウントの実名登録とログインの要件を厳格に要求し、インターネットゲーム企業には体験版を含むいかなる形式においても実名登録のない利用者へのサービスを提供してはならないとしている。

 9月1日よりこの通知は施行される。

中国、ネット人口10億突破=コロナ禍の経済支える

2021年08月30日

 中国インターネット情報センター(CNNIC)は27日、第48次「中国インターネット発展状況統計報告」を発表し、国内のインターネット利用者が10億人を突破したことが明らかになった。6月時点で10億1100万人に上り、全人口(約14億1178万人)の71・6%。食品配達のオンライン注文や在宅勤務などで活用され、新型コロナウイルス禍に見舞われた市民生活を支える一方、海外のネットサービスの締め出しなど厳しい規制は続いている。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 国内のインターネット利用者は昨年12月と比べて2175万人増えた。利用者のほぼ全員がスマートフォンなどの携帯電話で使っているほか、デスクトップパソコンやノートパソコンで使う人もそれぞれ約3割を占めた。

 ネット決済のユーザー数は8億7200万に達した。飲食店やスーパー、薬局などからの配達が数年前から地方でも普及、新型コロナでの外出規制の際に力を発揮した。CNNICは「デジタル化された消費がコロナの衝撃を和らげ、経済安定も後押しした」と指摘した。

 特にコロナ禍後、急速な発展を見せるオンライン医療ユーザー数は2億3900万人に達し、昨年12月と比べて2453万人増加し、全インターネット利用者に対する割合は23・7%となった。

 一方、高速大容量、低遅延、多数同時接続を特徴とする通信規格「5G」の普及については、接続数が3億6500万となり、基地局が96万1000基まで増加した。

中国、東北部の経済発展に積極支援の方針

2021年08月26日

 中国の李克強首相は23日、東北部の経済発展に向けて積極的な支援を行う方針を示した。同地域への財政出動や金融支援をこれまで以上に拡大する方針。チャイナ・ウオッチがNNA配信として伝えた。

 同日開いた東北部の発展に関する会合で明らかにした。李首相は習近平政権下で東北部の経済・社会は発展を遂げたと評価した上で、同地域の発展を新たな段階に引き上げる考えを表明した。

 今後の発展に向けては、事業者の活力向上が重要とみており、「放水養魚」と称される減税措置を通じた企業の負担軽減を行う方針。沿海部の都市の貿易振興も図る考えで、中国や日本など15カ国が昨年調印した地域的な包括的経済連携(RCEP)の発効を貿易拡大につなげる意向を示した。

 また中国政府網が伝えるところによると、行政のスリム化と権限委譲、緩和と管理の結合、サービスの最適化を意味する「放管服改革」を進めるとする一方、イノベーションへの投資を増やしながら研究開発費を控除する政策も打ち出す姿勢を明らかにした。

 このほか農業に関しても言及しており、東北部を国の穀倉基地と位置づけ、都市化を組み合わせた近代的農業の発展に注力するとしている。

中国とワクチンを来年4月に生産=インドネシア調整相

2021年08月25日

 インドネシアのルフット調整相(海事・投資担当)は24日、中国企業と共同で行う新型コロナウイルスワクチンの国内生産が来年4月に開始されると明らかにした。中国企業の具体名は明らかにしていない。チャイナ・ウオッチが国営アンタラ通信などの報道を引用したNNA配信として伝えた。

 ルフット調整相は同日開かれたインドネシア経営者協会(Apindo)の会議で、「来年中に2種類の国産ワクチンの生産が開始される」と表明した。そのうちの1つが中国企業との協業によるもので、タンパク質合成の遺伝情報を転写して伝えるmRNAワクチンになるという。

 インドネシア政府はこれまでに、国産ワクチンの開発について、アイルランガ大学、ガジャマダ大学、インドネシア大学、パジャジャラン大学、バンドン工科大学の国内5大学およびエイクマン研究所、インドネシア科学研究所(LIPI)の2機関との協力を進めてきた。これらのうち、製造工程に入りつつあるのが、政府系の分子生物学研究機関エイクマン研究所が開発し、国営製薬持ち株会社ビオ・ファルマが生産するワクチンと、アイルランガ大学が開発し、製薬ビオティス・ファルマセウティカルが充塡するワクチン。

 ルフット調整相は国産ワクチンについて、どちらのワクチンなのかについては言及していないものの「来年の第2四半期には生産できるだろう」と述べた。

 国営アンタラ通信がインドネシア保健省の発表として伝えるところによると、インドネシアは8月24日の段階で、9千万回のワクチン投与を行っており、ワクチン投与回数で世界第9位となっているという。

中国、医師権利保護へ新法

2021年08月24日

 中国政府は23日までに、医師の権利を保護する「医師法」を制定した。新型コロナウイルス感染症の治療現場で患者からの暴力や罵倒が問題化したことを受け「全社会は医師を敬わなければならない」とうたった。「つらい仕事」とみられて不人気な現状を変えるため、有給休暇の確保も打ち出した。来年3月に従来の「執業医師法」を廃止し、新法を施行する。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 中国は新型コロナが大流行した昨年、重症患者が入院を拒まれるなど医療崩壊に陥った。追い詰められた患者や家族が医師を罵倒したり暴力を振るったりするケースが相次いだとされる。もともと中国では「医師は仕事がきつい割に給料が高くない」(北京市民)との声も強い。政府は新法施行で、社会的地位の向上を目指す。

 医師の職場環境改善や生活の保障を強調。「侮辱、悪口、脅迫、殴打などで医師の人格の尊厳と身の安全を侵すことを禁じる」と明記した。違反者は処罰する。医師の勤務時間を適切にし、有給休暇も取らせることを医療機関に義務付けた。

 また法治日報によると、全国人民代表大会(全人代)常務委員会法制委員会行政法室の宋芳主任は、「新法では、中国の伝統的医学「中医」と西洋医学をともに重視し、研修と試験を経て中医学の医師がその専門とする分野の西洋医学の治療法・技術を診療活動に取り入れること、反対に西洋医学の医師が中医学の治療法・技術を活用することが可能になる」と説明した。

中国、3人目出産容認へ法改正

2021年08月23日

 中国全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は20日、3人目の出産を認める改正人口・計画出産法を可決し、同日施行した。「産み過ぎ」への処罰や、避妊手術を推奨する規定を廃止し、子育て支援を盛り込んだ。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 中国政府は5月31日に、出生率の上昇を促すため3人目の出産を認める方針を発表していた。

 中国共産党中央紀律検査委員会・国家監察委員会のウェブページによると、政府は財政、税制、保険、教育、住宅、雇用などの面で支援策を展開し、家庭における出産、養育、教育の負担を軽減するとしている。

 また保育サービスに対する強い需要があっても、それに対して供給が追いついていない実態を政府も把握しているという。2020年に中国人口・発展研究センターがおこなった調査によると、中国の3歳未満の保育サービスでは、依然として供給面の深刻な不足やその他の問題に直面していることが明らかになっている。国家発展改革委員会は、「第14次五カ年計画」期間中に450万カ所の保育所の新設が必要で、これに関連する投資と消費の規模が1000億元を超えると予測している。

中国、国有企業に次世代産業の技術開発を指示

2021年08月20日

 中国の国有資産監督管理委員会は19日、所管する96の国有企業に対し、次世代産業を支える分野の技術開発を強化するよう指示したと発表した。ハイテク分野での米国の締め付けを背景に、技術の「国産化」を加速させる構えだ。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 習近平指導部が7月30日に開いた共産党中央政治局会議での方針を踏まえたとしている。国有企業は国が進める基礎研究を積極的に取り入れ、特に工作機械、ハイエンドチップ、新素材、新エネルギー車などの重要なコア技術の研究を強化し、「独自技術の集積地」になるよう求めた。

 委員会は同時に、国有企業が率先して二酸化炭素(CO2)排出量削減に取り組み、省エネと環境保護産業の発展を加速し、汚染削減と炭素削減技術の応用を普及させ、グリーン成長を促進することを強調した。

7月輸出、米中向けけん引=感染再拡大で減速懸念も

2021年08月19日

 財務省が18日発表した貿易統計では、7月の輸出が前年同月比37・0%増の7兆3564億円となり、新型コロナウイルスが直撃した前年と比べ高い伸びを維持した。自動車や半導体関連など米国や中国向けがけん引した形だ。ただ米経済の回復ペースに鈍化の兆しが見られる上に、中国ではコロナ感染再拡大による景気減速が懸念され、先行きは見通せない。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 米国向け輸出はハイブリッド車(HV)や自動車部品、原動機が好調で26・8%増の1兆3841億円。

 一方、中国向け輸出は18・9%増の1兆5807億円だった。その中でも特にプラスチック(26・5%増、932億円)、半導体製造装置(21・4%増、1076億円)、半導体電子部品(19・6%増、1132億円)の伸びが目立った。

 中国では7月、江蘇省南京市で感染力の強いデルタ株が確認され、全国各地に波及。同月に河南省を襲った豪雨被害も甚大で、経済活動が停滞するとの見方が強まっている。

中国、ネット不正競争禁止=IT大手へ統制強化

2021年08月18日

 中国当局は17日、インターネットでの不正競争を禁止する規制案を発表した。通販などを展開する事業者は、ライバル企業のサービスの妨害や、消費者の選択肢を制限するような操作をしてはならないと規定。電子商取引(EC)最大手アリババグループなどIT大手への統制を一層強める。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 国家市場監督管理総局の発表によると、アリババの通販サイトで問題となった、業者に他のサイトへの出品をさせない「二選一(二者択一)」もやり玉に挙がった。データの不正な取得や利用も問題視されている。

 このほか規制案では、業者が取引対象の制限や、販売エリアや販売時間の制限、プロモーションへの参加制限なども実施してはならないとしている。

 違反があった場合は、不正競争防止法などに基づいて処罰するとしている。規制案はパブリックコメント(意見募集)にかけ、年内には施行するとみられる。

中国経済、減速傾向強まる=7月、コロナや災害響く

2021年08月17日

 中国国家統計局が16日発表した7月の工業生産は、前年同月比6・4%増だった。回復傾向は維持したものの、上昇率は前月から1・9ポイント縮小。原材料価格の高騰や半導体不足が続いている上、国内での新型コロナウイルス再流行や豪雨災害などが響いた。消費動向を示す小売売上高も7月は上昇率が鈍化し、減速傾向が強まっている。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信として伝えた。

 主要産品の生産量をみると、7月の自動車生産台数は185・3万台で、前年同月比で15・8%の減少となったが、このうち新エネルギー車の生産台数が28・9万台となり、162・7%(同)増となった。また産業用ロボットと集積回路(IC)の伸びが顕著で、それぞれ42・3%、41・3%(同)の増加を見せた。

工業情報省、次世代車データを中国で保存へ

2021年08月16日

 工業情報省は12日、「インテリジェント・コネクテッドカー生産企業と製品の基準管理強化に関する意見」を発表した。インターネットに接続する次世代車「コネクテッドカー(つながる車)」に関し、中国国内で収集したデータは国内で保存すべきだとしている。今後、自動運転技術や電動化が進んで多くの車がコネクテッドカーに置き換わる中、当局の管理と監視が強まり、中国の日系メーカーにも影響しそうだ。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 この文書によると、高度な通信機能や人工知能(AI)を備えた次世代車は、中国の「インターネット安全法」や9月1日に施行される「データ安全法」に従い、個人情報や重要なデータの保護を強化しなければならないとした。データの国外持ち出しには安全審査が必要となる。

 また、この文書では品質管理の強化の一環として、中国独自の「北斗」衛星測位システムの使用を奨励している。

トヨタ合弁一部ライン停止=中国、半導体不足と報道

2021年08月06日

 トヨタ自動車の中国合弁会社「一汽トヨタ」と「広汽トヨタ」が半導体不足により、一部生産ラインの稼働を停止したと報じた。減産対象の車種や台数は明かしていないという。チャイナ・ウオッチが第一財経日報(電子版)を引用した北京発共同通信電として伝えた。

 半導体メーカー関係者は同紙に「トヨタは業界でサプライチェーン(供給網)の管理能力が最も高い企業だ」と述べ、半導体不足が問題化する以前から在庫を確保していたと指摘。他社はさらに厳しい状況にあり、自動車業界の半導体不足は来年まで続くとの見通しを示した。

 一方、工業情報化部の田玉竜チーフエンジニア兼報道官は7月17日に開かれた国務院新聞弁公室主催のメディア発表会で、「自動車用チップの供給不足に積極的に対応するため、工業情報化部は、自動車用半導体の使用促進を目的とするワーキンググループを設置した」と述べ、対策を進めていることをアピールした。

中国、新型コロナ感染者17省に拡大=全国的流行の兆し

2021年08月05日

 中国の衛生当局は4日、新型コロナウイルスの中国本土での市中感染者が、国内に31ある省・自治区・直轄市のうち17に広がっていると明らかにした。全国的流行の兆しがあり、各地の地方政府が警戒を強めている。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 感染者が多いのは江蘇、湖南、湖北の各省など。北京市や上海市も感染者が出ている。7月後半から江蘇省南京市で感染者が増え、旅行者などを通じて各地に広がったとみられている。デルタ株も確認されている。

 感染リスクが高・中レベルと指定された地区は全国で144に上った。一部は封鎖した。南京市、湖北省武漢市などは全市民が対象のPCR検査を続けている。

 教育部は8月5日に行われた国務院新型コロナウイルス共同予防・抑制メカニズムの記者会見で、現在の流行の進展が不確実であることを考慮し、新学期が始まるまでに中・高リスク地域が残っている場合、その地域の学校は始業を一時見合わせ、秩序ある健康的で安全な方法で授業が行われるように手配すると発表した。

中国民間商用ロケットのテスト飛行失敗

2021年08月04日

 北京星際栄耀空間科技有限公司(iSpace社)の商用運搬ロケット「双曲線1号」の3回目の飛行テストが失敗に終わった。同日午後3時39分(日本時間同4時39分)、酒泉衛星発射センターから打ち上げられたが、飛行途中に異常が起き、搭載した衛星がロケットからの分離後、予定の軌道に乗ることができなかった。チャイナ・ウオッチが酒泉発中国通信=共同通信電として伝えた。

 飛行テスト後、星際栄耀は「今回の打ち上げにより、「双曲線1号」のプログラム全体の正確性がさらに検証され、有効な飛行データも取得し、貴重な教訓が蓄積するこができた」とコメントを発表した。

 「双曲線1号」の飛行テストはこれまで3回行われているが、2018年4月の1回目、2019年7月の2回目のテストではそれぞれ無事成功を収めたものの、2021年2月1日の3回目では飛行中に異常が発生し失敗した。

18歳以下のワクチン促進=中国、コロナ感染増

2021年08月03日

 中国教育省は2日、新型コロナウイルスのワクチン接種を全国の18歳以下の学生らに促すよう各地の教育部門および大学に通知したと発表した。夏休み期間中にコロナの感染者がじわりと増えていることから、危機感を強めているとみられる。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 接種は強制ではなく本人と親らの同意が前提としている。学校を通じ、接種に対する正しい知識と理解を広めるように指示した。

 この通知では、各地の教育部門および大学が開催する夏期のイベントについては原則的に延期を指示しており、オフラインで開催する場合は、各地の新型コロナウイルス共同予防・抑制メカニズム(領導小組、指揮本部)の承認を得る必要があるとしている。

燃料棒が破損した台山原発の運転停止=検査・修理実施へ

2021年08月02日

 中国広東省の台山原発の燃料棒が破損し冷却材中の放射性物質の濃度が上昇した問題で、中国原発大手、中国広核集団は30日、検査と修理のため同原発の運転を一時停止したと発表した。破損した燃料棒を交換し、破損原因を究明するという。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 同原発を巡っては、合弁で建設したフランス電力(EDF)が22日に「フランスであれば、原子炉を一時停止する」との見解を発表するなど国際的にも注目が集まっていた。

 中国広核集団の発表によると、同原発の運転一時停止は、フランス側の技術者との意見交換を経て決定したという。

 新華社が伝えるところによると、台山原発は中国・フランス間のエネルギー分野における最大の協力プロジェクトで、中国広核集団とEDFおよび広東省粤電集団の合弁会社である台山核電公司が同原発を建設し運営に当たっている。