トップ  > SPCデイリーチャイナ>  2020年08月の記事

中国、次期大使人事に同意=外務省の垂秀夫氏

2020年08月31日

 日本政府が次期駐中国大使に起用する方向で検討している外務省の垂秀夫前官房長(59)の人事に中国側が同意していたことが30日、分かった。日中外交筋が明らかにした。今後、閣議決定や天皇陛下の認証を受け、年内にも着任するとみられる。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 垂氏は外務省の中国語研修組で、中国での幅広い人脈や情報収集能力に定評がある。中国が垂氏を警戒し同意しないとの観測も出ていたが、中国外交筋は「拒否することはない」と述べていた。

 日中間には新型コロナウイルス流行で延期となった習近平国家主席の国賓訪日の再調整や、沖縄県・尖閣諸島を巡る対立といった懸案がある。

 現在の横井裕大使(65)は在任期間が4年を超え、長期化していた。垂氏は1985年に外務省に入省。中国・モンゴル課長や駐中国公使などを経て、昨年7月から1年間、官房長を務めた。現在は官房付。

TikTok争奪大詰め=ウォルマートがMSと参戦

2020年08月28日

 米小売り大手ウォルマートは27日、中国系の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を買収することを検討していると表明した。チャイナ・ウオッチが、ニューヨーク発共同通信電として伝えた。

 買収交渉で先行している米IT大手マイクロソフト(MS)とタッグを組む。米ソフトウエア大手のオラクルなども名乗りを上げている人気アプリの争奪戦は大詰めを迎えた。

 複数の米メディアは1週間以内に交渉が合意に達する可能性があると報じた。買収額はカナダやオーストラリア、ニュージーランド事業を含め200億~300億ドル(約2兆1千億~3兆2千億円)に上る見通しだ。

 ウォルマートは「インターネット通販や広告と融合させるティックトックの手法は動画の制作者や利用者にとって大きな利点だ」と評価している。こうした技術を取り込み、ネット通販事業の強化につなげる狙いとみられる。MSとはクラウド技術などで協業関係にあり、米アマゾン・コムに対抗する思惑も一致している。

 米CNBCテレビによると、ウォルマートは当初、ソフトバンクグループと組んだが、提案にクラウド技術が含まれておらず、トランプ政権から難色を示されたという。

 オラクルは、ティックトックを運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)に出資する米投資グループと連携している。創業者で会長のラリー・エリソン氏はトランプ大統領の支持者として知られる。

 トランプ氏は8月14日、安全保障上の懸念を理由にバイトダンスに90日以内の事業売却を命じた。米IT大手グーグルの親会社アルファベットや米短文投稿サイトのツイッターも交渉に臨んだものの劣勢とされる。

流行で顔触る動作減った=マスク影響、中韓で顕著

2020年08月27日

 新型コロナウイルスの感染予防に「洗っていない手で顔を触らない」が求められている。マスク着用中は触りにくくなるため、中国・中山大のチームは、流行開始後に人々が公共の場で顔を触る動作が減ったのかや、動作の変化とマスク着用に関係があるかを検討する研究を計画した。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 日本、中国、韓国、西欧(イタリアなど5カ国)、米国で、流行前と流行中に観光PRなどの目的で駅や街頭で撮影された計100本の動画を集め、写り込んだ7千人超の動作を分析した。

 流行前(昨年10月以前)と流行中(今年3月ごろ)を比べると、米国以外の全地域でマスク着用率が増加。顔を触る動作の発生率は中国、韓国、西欧で明らかに減少した。日本と米国も数値は減ったが、統計学的に意味のある差とは評価されなかった。

 分析の結果、マスク着用と顔を触る動作の減少には明らかな関係があり、国別では中国と韓国ではっきり認められた。

中国、参加は「検討中」=ワクチン共同出資枠組み

2020年08月26日

 中国外務省の趙立堅副報道局長は25日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症のワクチン開発に各国が共同出資する枠組み「COVAX(コバックス)」に参加するかどうか「検討中」と述べた。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 COVAXは世界保健機関(WHO)などが主導している。WHOは18日に加盟国に参加を呼び掛ける書簡を送付し、今月末までの正式調印を目指している。米中を除く170カ国超が既に関心を示しており、日本も含まれる。

 趙氏は「中国は、ワクチンを公共財にするとの約束を積極的に履行する」と主張。WHOによると、中国が開発に関わる複数の候補製品は既に臨床試験の最終段階に入っている。中国は実用化後、発展途上国に優先的に提供する考えを示している。

TikTok、米政権提訴=事業禁止は違憲と主張 大統領令の無効要求

2020年08月25日

 中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)傘下の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」は24日、トランプ米大統領が、ティックトックの米国事業の禁止を命じたのは「法の適正な手続き」を定めた米憲法修正5条に違反するとして、米政権を相手取り、大統領令などの無効を求める訴訟を米カリフォルニア州の連邦地裁に起こした。チャイナ・ウオッチが、ニューヨーク発共同通信電として伝えた。

 ティックトック側は声明で「大統領令は証拠がない。ティックトックが国家安全保障上の脅威であるという米政府の立場に強く反対する」と主張した。

 対中強硬姿勢を強めるトランプ氏は6日、緊急時に経済に関する権限を大統領が握ることを認める「国際緊急経済権限法」に基づき、バイトダンスとの取引を45日後から禁止する大統領令を発出した。14日にティックトックの米国事業を90日以内に売却するよう命じた。

 ティックトック側は訴状で、米国の利用者データは、米国とシンガポールで保管され、ほかのバイトダンスの製品やサービスから隔離されているなどと説明した。

 米国事業などの買収には米マイクロソフトが名乗りを上げた。米ソフトウエア大手のオラクルや米短文投稿サイトのツイッターも買収を検討しているとされる。米政府との法廷闘争中も交渉は継続する見通しだ。

 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)も米政権による製品の使用禁止措置を違憲として提訴している。米テキサス州の連邦地裁は2月、ファーウェイの訴えを退けた。同社は米連邦通信委員会(FCC)による同社製品の排除決定は不当だとして、米国で別の訴訟も起こしている。

中国、対日ビザ発給拡大=家族など居留証保持者に

2020年08月24日

 東京の中国大使館は22日、新型コロナウイルスの影響で制限してきた日本人へのビザ(査証)発給を拡大すると発表した。中国の居留許可証を持っている人を対象とし、ビジネス関連だけでなく駐在員の家族なども含まれる。許可証がなくても現地政府の招待状があれば申請を受け付ける。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 人の往来を活発化させ、日中交流の正常化につなげる。22日から措置を始めた。

 同大使館と、ビザセンターがある名古屋、大阪の総領事館のほか、札幌、新潟、福岡、長崎の各総領事館でも取り扱う。申請にはインターネットでの予約が必要となる。

 同大使館は6月17日から経済や科学技術、人道的な理由でのビザ発給を再開していた。

中国向け輸出に復調の兆し=7カ月ぶりプラス欧米低迷、貿易摩擦も懸念

2020年08月21日

 チャイナ・ウオッチが伝えるところによると、財務省が19日発表した7月の貿易統計は、中国向け輸出が前年同月比8・2%増の1兆3290億円と7カ月ぶりのプラスに転じ、一部で復調の兆しが見えた。ただ新型コロナウイルス感染症の流行が続く欧米向けは低迷を脱せず、対立が深刻化する米中貿易摩擦も引き続き懸念材料となりそうだ。

 中国の2020年4~6月期国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前期比11・5%増と急激に回復した。生産活動の再開を背景に、日本から中国への輸出は非鉄金属が72・4%増、半導体などを製造する装置は23・6%増と大きく伸びた。

 一方で欧州連合(EU)向けは30・5%減の4393億円となり、6月から下落率が拡大。特に自動車が48・5%減と落ち込んだ。米国向けは全体で19・5%減の1兆914億円と下げ幅が縮小したものの、本格的な回復には至っていない。

 米中両政府が15日を軸に計画していた閣僚級貿易協議が延期され、交渉は停滞している。11月の米大統領選を前に対立が一段と激化すれば、世界経済の回復がさらに鈍る恐れもある。

 大和総研の鈴木雄大郎エコノミストは「欧米では工場の稼働率が低く、新たな設備投資が見込みづらい。輸出が新型コロナ前の水準に戻るにはかなりの時間がかかるだろう」と指摘した。

中国、ラオスで影響力拡大=鉄道完成間近、医療団派遣

2020年08月20日

 チャイナ・ウオッチがルアンプラバン発共同通信電として伝えるところによると、東南アジア最貧国の一つラオスで、巨大経済圏構想「一帯一路」の下、インフラ開発を進める中国の影響力が増している。中国とラオスを結ぶ鉄道の建設は8割以上が完成し、来年末には完工予定だ。新型コロナウイルス感染拡大では医療団を派遣するなど、存在感を強めている。

 ラオス北部の古都ルアンプラバン郊外にある鉄道の建設現場を訪ねると、ゆったりと流れるメコン川に大きな橋がかかっていた。周辺には中国語の看板が目立ち「老中鉄路(ラオス中国鉄道)」の文字が見える。川向こうには険しい山がそびえ、列車が通ることになるトンネルも確認できた。

 鉄道は一帯一路に基づくもので、中国の雲南省昆明とラオスの首都ビエンチャンを結び、タイの首都バンコクを経てシンガポールまでつながる。本格的な鉄道のないラオス政府にとっても、外国とつながる長距離鉄道の建設は「悲願」(ビエンチャンの男性)だった。

 ラオス国内部分の総延長は約415キロ、総事業費は約60億ドル(約6,370億円)。そのうち約7割を中国側が負担する。建設は約5年前に始まり、大部分が単線だとされる。中国国営通信新華社によると、走行速度は時速160キロの予定だ。

 一方で、市民からは「中国は作業員を連れてきて、ラオス人をほとんど雇わない」との不満も漏れる。建設資材の多くを中国から運んできており、地元経済への貢献が少ないとの見方も強い。経済規模が小さく、人口も少ないラオスで、投資に見合う利益が出るのかを疑問視する声もある。

 ラオスは経済面で中国に大きく依存するが、市民感情は複雑だ。社会主義国のラオスでは、市民が表立って政府を批判するのは難しい。それでも中国人の往来が活発になり「町の伝統や雰囲気が変わってしまう」(ルアンプラバンの女性)などと懸念を口にする人が多かった。

 市民の不安をよそに、中国は存在感を高めることに余念がない。ラオスでも3月以降、新型コロナ感染拡大が確認された。中国は感染者が出る前から、医療物資を寄贈。医療専門家のチームも派遣してきた。

 ビエンチャンでの存在感もかつてないほどに増している。市内の中国系ショッピングモールでは中国語が飛び交い、近くには中華料理店や中国資本のホテルが並ぶ。

 ビエンチャンで50年以上働く男性運転手は「中国人は昔こんなにいなかった。ラオス人を追い出し、居住地を拡大している」と説明。「このままではラオス人の場所がさらに奪われる」と苦々しそうに語った。

オラクルも買収名乗りか=TikTokと事前協議

2020年08月19日

 英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は17日、米ソフトウエア大手オラクルが、中国系の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」側と、買収に関する事前協議を行ったと、関係者の話として報じた。チャイナ・ウオッチがニューヨーク発共同通信電として伝えた。

 オラクルは、ティックトックの米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの事業買収を検討。ティックトックを運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)に出資している米投資グループと協力している。

 オラクルの創業者で会長のラリー・エリソン氏は世界有数の資産家で、トランプ米大統領の支持者として知られる。今年2月、トランプ氏のための資金集めを行った。

 対中強硬姿勢を強めるトランプ氏は14日にバイトダンスに対し、ティックトックの米国事業を90日以内に売却するよう命じた。

 これまでに、米マイクロソフトが米国事業などの買収交渉を公表している。米短文投稿サイトのツイッターもティックトック側と買収に関する事前協議を行ったと報じられている。

米、ファーウェイ制裁強化=基幹部品の供給遮断へ 禁輸対象38社追加

2020年08月18日

 チャイナ・ウオッチが、ワシントン発共同通信電として伝えたところによると、米商務省は17日、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置をさらに拡大すると発表した。メキシコやフランスなど21カ国にある38のファーウェイ関連会社を新たに対象に加え、制裁を強化する。機器利用を通じた情報流出を警戒し、中国の影響力を排除する姿勢を一段と鮮明にした。

 禁輸対象の拡大で、基幹部品の供給を遮断する狙いがあるとみられる。外国で製造した半導体など部品の輸出許可基準も一層厳格化する。中国メディアによると、ファーウェイの幹部は第5世代(5G)移動通信システム向けスマートフォンなどに搭載している半導体が入手不能になると述べており、大きな痛手となる。中国側の反発は必至だ。

 ロス商務長官は17日、ファーウェイと関連会社は中国共産党の政策目標を実現するために「米国の技術で開発された高度な半導体を入手しようとしている」と指摘した。

 ロイター通信によると、ファーウェイ関連の禁輸対象は合計で152社に上る。商務省は禁輸措置で一部取引を容認した例外措置を延長しないという。通信網の保守など必要な場合に限って輸出を認めた例外措置は13日に期限を迎えていた。

 トランプ米政権は昨年5月、ファーウェイと子会社に対して米製品の輸出を禁止した。その後、米国の技術を組み込んだ外国製品も対象に広げた。ファーウェイからの政府調達も禁止している。

中国湖北省はGDP19%減=上半期、後半は洪水懸念

2020年08月17日

 中国に31ある省・直轄市・自治区の2020年上半期(1~6月期)の域内総生産(GDP)が11日までに出そろった。半数以上の16地方で1~3月期からプラス成長に転換したものの、新型コロナウイルスの被害が大きかった湖北省は前年同期比19・3%減と苦戦。南部は洪水被害が深刻で、年後半の懸念材料になりそうだ。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 中国全体では4~6月期に前年同期比3・2%増と前期の初のマイナス成長からプラスに戻したが、上半期では1・6%減にとどまっている。

 上半期の地方の内訳を見ると、6月に感染「第2波」が襲った首都北京市は3・2%減、金融都市の上海市が2・6%減、GDP総額が最大の広東省が2・5%減だった。消費や輸出部門の比率が大きく、マイナスを脱出できなかった。

 プラス転換したのは、浙江省(0・5%増)や江蘇省(0・9%増)など。日系企業も多く進出しており「現地政府が外資の意見を聞きつつ迅速な復旧に努めた」(日中関係筋)。

 ただ日本をはじめ国際社会との往来は正常化していない。中国全体で「大型プロジェクトはまだ遅れている」(日系商社)との声もある。

 中国政府によると、6月からの大雨による洪水で江西省、安徽省、四川省を中心に27の省などが被災。国営通信の新華社によると、全国の8千カ所以上で道路が寸断され、約1700の橋が損壊した。工場や農場への被害と物流の停滞が懸念されている。

太陽電池長寿命化で協力強化  中国企業と京セラ

2020年08月13日

 太陽電池の「封止材料」で世界市場の50%のシェアを持つ中国企業「杭州福斯特応用材料股份有限公司」(ハンゾーファーストアプライドマテリアル)と、京セラが新しい封止材料の共同開発を行うことになった。両社が締結した基本合意書は、京セラが保有している太陽電池モジュール用封止材料に関する特許技術を杭州福斯特応用材料股份有限公司のみにライセンス供与することを含む。

 太陽電池モジュールの封止材料は、太陽電池セルを保持し、さらに表面のガラスと裏面のバックシートを接着して水分の浸入など外部環境による劣化を抑える重要な役割を持つ。エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)から成る封止材料が、紫外線や湿度、熱などによって材料内に酸を発生し、太陽電池モジュールの劣化原因になるという課題がある。京セラは45年を超す太陽電池に関する研究開発の実績を持ち、今回ライセンス供与される特許技術は、EVA内の酸発生を抑制することが可能。

 杭州福斯特応用材料股份有限公司(本社:浙江省抗州市)は、2003年から太陽光関連事業に参入し、2019年には太陽電池モジュール用の封止材料で世界市場の50%を占めるトップメーカーとなっている。両社の協力関係は、杭州福斯特応用材料股份有限公司が京セラの太陽電池モジュール用「封止材料」を受託製造するという形で2018年から続いている。

 協力関係の強化により、新たな封止材料を開発、太陽電池モジュールにさらに高い信頼性を持たせ、太陽電池モジュールの生涯発電量を増加させる。さらに太陽電池モジュールの廃棄総量を低減させることで環境保全にも貢献したい、と京セラは言っている。

京セラニュースリリース「太陽電池モジュール用『封止材料』のライセンス供与および共同開発の基本合意について

最大規模ごみ焼却発電施設が電力供給開始 咸陽市で日中合弁会社納入

2020年08月12日

 中国安徽海螺集団(CONCHグループ)と川崎重工との合弁会社である安徽海螺川崎工程有限公司が中国・陝西省咸陽市に納入したストーカ式ごみ焼却発電施設が7日、電力供給を開始した。ごみ焼却発電施設は、1日当たり750トンのごみを処理できる炉2基を持ち、川崎重工によると、これまで納入された施設として処理量は最大規模。3万5,000キロワットの発電能力を持つ。

 中国や東南アジアをはじめとする新興国では、都市化の進展に伴い増加する都市廃棄物の処理が喫緊の課題。ストーカ式ごみ焼却発電施設は、日本での豊富な実績と信頼性をもとに、中国のごみ性状に合わせて設計を最適化した、と川崎重工は言っている。2016年1月に第1号が稼働して以来、中国国内で40番目の施設となる。

 CONCHグループは、中国最大手で世界有数のセメントメーカーであるCONCHセメントを傘下に持ち、セメントや建材、環境事業、貿易等の事業を展開している。安徽海螺川崎工程有限公司は安徽省蕪湖市に本社があり、資本金1億元(約16憶円)の株式の51%をCONCHグループ、49%を川崎重工が持つ。

 ストーカ式ごみ焼却炉は、ごみを火格子(ストーカ)の上で乾燥・加熱し、撹拌・移動させながら燃やすタイプの焼却炉で、日本の焼却施設で最も多く稼働している。

川崎重工プレスリリース「中国で当社グループ最大処理量1,500t/日のストーカ式ごみ焼却発電施設が電力供給を開始

自動運転車、進む公道実験=中国、早期実用化へ本腰

2020年08月07日

 中国各地で自動運転車の公道での走行実験が進んでいる。中国政府が新技術で世界をリードする「自動車強国」の実現を目指す中、地方政府が実験を進めるIT企業を誘致し支援を強化。官民一体で実地での経験を積み上げ、早期の実用化を目指している。チャイナ・ウオッチが上海発共同通信電として伝えた。

 前方車両と適度な車間距離を保ち、車線変更やUターンもなめらか-。配車大手の滴滴出行(ディディ)は6月下旬、上海市から許可を受けた郊外部の65平方キロの区域で、システムが全てを操作する「レベル4」の自動運転タクシーの走行実験を始めた。記者は実際に乗ってみたが、危険を感じることはなかった。

 試乗はアプリから予約可能で無料。安全確保のため運転席にはスタッフが乗り、乗客は車内のモニターで走行速度や周辺状況などを確認できる。

 中国独自の衛星利用測位システム(GPS)「北斗」を使い位置情報を取得。レーザー光を使い、対象までの正確な距離を把握する「LiDAR(ライダー)」や七つのカメラを搭載、他の車両の状況や信号機の情報を分析する。

 同社担当者は「速度や加速度、車両前部の向きなどのデータから、周辺車両の10秒先までの進路予測が可能だ」と強調。「2030年には100万台の自動運転車を導入する計画だ」と話す。

 ただ走行可能地区は交通量が少なく、現時点の技術水準では都市部で安全性を確保できるかどうか未知数だ。

 一方、ネット検索大手の「百度(バイドゥ)」は4月、湖南省長沙市が指定した130平方キロの区域で「レベル4」の自動運転タクシーのサービスを一般向けに開始。6月には四川省成都市と同様のタクシーサービス導入で合意するなど、幅広い地域で大量のデータを蓄積したい考えだ。

 車両開発を巡り自治体間の競争も激しさを増している。北京市は6月末、ハイテク企業が集まる北京の中関村地域の100平方キロを自動運転車の走行可能地区として開放すると決定。中国メディアによると、トヨタ自動車も北京市から自動運転車実験の資格を取得しており、海外勢も中国での開発を強化する構えだ。

1億6千万人が検査済み=中国、新型コロナで

2020年08月06日

 中国政府は5日、新型コロナウイルス感染症に関連し、PCR検査の受け入れ能力を向上させた結果、1日当たり484万人分に達したと明らかにした。7月末までに1億6千万人分の検査をしたという。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。

 検査能力は3月初めには1日120万人分だった。湖北省武漢市では約1千万人に「全市民PCR検査」を実施した。6月以降に感染者が増えた北京市でも、1千万人規模の検査をした。

 中国の主要都市では、PCR検査を受けたければ当日予約し、24時間程度で結果が出る体制になっている。

米中高官、15日に貿易協議=合意履行状況点検と報道

2020年08月05日

 米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は4日、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と中国の劉鶴副首相が15日にテレビ会談を行う方針だと報じた。2月に発効した米中貿易協議の「第1段階」合意の履行状況を点検する。チャイナ・ウオッチがワシントン発共同通信電として伝えた。

 トランプ米政権は新型コロナウイルスや香港情勢を巡って対決姿勢を示しているが、経済への悪影響を避けるため貿易合意に関しては様子見を続けている。

 焦点となるのは、中国が約束した米産品の巨額購入の実施状況だ。中国は農産品や工業品など分野別で目標額を設定。米国からの輸入を2年で計2千億ドル(約21兆1千億円)積み増すと明記したが、新型コロナによる経済停滞で、目標達成は厳しい状況となっている。

 米議会の対中強硬派は現状に不満を抱いているが、ライトハイザー氏は6月に開かれた議会下院の公聴会で「合意通りに取り組む公算が大きい」と期待感を示していた。

 ライトハイザー氏と劉氏は5月にも協議を行い、互いに合意を着実に実行する意向を表明したとされている。

技術系企業と協議開始=バイトダンスCEOが表明

2020年08月04日

 世界的に人気の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営するIT企業「北京字節跳動科技(バイトダンス)」の張一鳴・創業者兼最高経営責任者(CEO)は3日、社内向けの書簡でティックトックの運営を巡り技術系企業と初期的な協議を開始したと表明した。チャイナ・ウオッチが、中国メディアの報道を引用した上海発共同通信電として伝えた。

 張氏は書簡では企業名を明かさなかったが、ティックトックの米国など4カ国の事業の買収を目指すマイクロソフト(MS)を指すとみられる。

 MSは2日、ティックトックの米国やカナダ、オーストラリア、ニュージーランドの計4カ国の事業について買収交渉を続けると発表した。中国による情報窃取を懸念するトランプ政権とも連携する姿勢を示している。

 一方、3日付の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、バイトダンスがティックトックの海外事業を切り離し、完全に独立した新組織が引き継ぐ可能性があると報じた。創業者や出資者がMSへの売却に抵抗を感じているという。

 新組織は中国以外の全ての海外事業を統括する。バイトダンスと関係を断って安全保障上の懸念を拭い去り、トラブルを避けたい考えという。

 また、英大衆紙サンは3日、バイトダンスがティックトックの本社を北京からロンドンに移転する方針と伝えた。

 バイトダンスの日本法人は、日本での運営は「現時点で変更の予定はない」と説明したが、海外事業の独立が実現すれば影響を受ける。日本法人は今年2月に経団連に入会している。

 バイトダンスは中国国内で動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」を運営し、ティックトックは海外版として展開している。

中国7月の景況感52・8=9年6カ月ぶり、回復鮮明

2020年08月03日

 英調査会社IHSマークイットは3日、中国の7月の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)が52・8だったと発表した。前月から1・6ポイント上昇。新型コロナウイルスによる打撃からの回復が鮮明になった。マークイットは2011年1月以来、9年6カ月ぶりの高水準としている。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 好不況を判断する節目の50を3カ月連続で上回った。

 生産と新規受注の伸びが顕著だった。コロナの影響による輸出向けの落ち込みも改善がみられ、業界全体に先行きに対する楽観的な見方が広がっているとしている。

 中国当局が7月末に発表した同PMIも51・1と、前月から上昇した。