【25-100】中国の『バイオミメティクス』最前線:注目の研究事例集
Science Portal China編集部 2025年11月04日
中国の研究機関ではバイオミメティクス(生物模倣技術)の応用が広がっている。クラゲ型や魚型の水中ロボット、真珠層や木の葉を模倣した新素材、臓器チップなど、多様な分野で自然界の構造や機能を再現する試みが進む。本稿では「Science Portal China」に掲載された関連ニュースやコラムから、注目すべきバイオミメティクス研究事例を分野別に紹介する。
【ロボット】
【バイオ・医療関連】
【ロボット】
西北工業大学、透明バイオミメティック・クラゲ型ロボットを開発
中国・西北工業大学機電学院の陶凱教授の研究チームが、全身が透明でクラゲに似た形状を持つバイオミメティックロボットの開発に成功した...
長江の生態保護で活用されるバイオミメティクス魚型ロボット
中国湖北省武漢市で14~16日、2025年世界デジタル教育大会が開かれた。大会では、本物の魚のように泳ぐバイオミメティクス魚型ロボットが参加者の注目を集めた...
北京経済技術開発区、ロボット犬と自動運転車両が巡回警備
中国の北京経済技術開発区にある博大公園でこのほど、「巡回警備・広報」と書かれたロボット犬が自動運転パトカーと共に巡回警備を行った...
ロボットが書道の腕前を披露 世界ロボット大会開催
2024世界ロボット大会が21~25日、中国北京市で開かれ、169カ国のロボット企業が600点を超えるイノベーション製品を披露した...
【生物模倣材料・構造】
天津大学の研究者、瞬時に加熱できるバイオミメティック光熱繊維を開発
天津大学の封偉教授率いる研究チームはこのほど、塩類土壌に生育する植物の「吸塩-排塩」メカニズムからヒントを得て、高効率の光熱変換と優れた力学性能を併せ持つ分子太陽熱(MOST)繊維を開発した...
環境に溶け込み衝撃に耐える 真珠層を模倣した新素材を開発
中国科学院院士で、中国科学技術大学化学・材料科学学院教授の兪書宏氏率いる研究チームが、構造と機能を一体化した真珠層模倣型の複合材料を開発した...
深圳、マテリアルゲノム・ビッグサイエンス装置を年内に試運転へ
中国で高い注目を集めるマテリアルゲノム・ビッグサイエンス装置は、広東省深圳市にある南方科技大学の主導で建設が進められ、2024年内に試運転を開始する見込みだ...
中国科学技術大、木の葉のように色が変わる新材料を開発
中国科学技術大学は15日、同大学工程科学学院の研究チームがバイオミメティクスの考えに基づき、新たなハイパースペクトル変色材料を開発したと明らかにした。この材料は落ち葉が緑色から黄色に変色する現象を模倣し、両方の状態で葉の太陽スペクトル反射特性を再現できる...
より強靱で電気信号も送れる人工の「クモの糸」
南開大学の劉遵峰教授、中国科学院院士で東華大学教授の朱美芳氏、中国薬科大学の周湘副教授による共同研究チームは、表層に皮膚のようなひだ構造を持つ人工クモの糸を開発した...
【バイオ・医療関連】
生体内環境を模倣した臓器チップ技術の未来に期待(その1)
手のひらサイズのチップ上に、ヒトの生体内環境を模倣し、その中で必要な細胞を培養して「心臓」や「肝臓」「肺」などの臓器の一部機能をシミュレーションできるのが「臓器チップ」だ...
生体内環境を模倣した臓器チップ技術の未来に期待(その2)
臓器チップと生態模倣システムは、現在の生命科学分野において最も発展の可能性を秘めた新興領域の一つである。それは複数の学科を融合しており、生体外でヒトの臓器の微小環境を模倣し、バイオニックな生態模倣システムを作り出すことで、生命科学や医学研究、新薬開発などの分野にこれまでにない発展のチャンスをもたらしている...
