中国北京市懐柔区でこのほど、箭扣長城第5期保護修復プロジェクトの着工式が行われた。プロジェクトは2026年11月末の竣工を予定している。科技日報が伝えた。
同プロジェクトでは、ドローンやレーザースキャナーといった新たなツールを用いて万里の長城の修復を進める。北京大学考古文博学院のエンジニアで、箭扣長城第5期プロジェクトのデジタル技術責任者である尚勁宇氏はドローンによる空撮・測量について、「空中で周辺の地形や修復プロジェクト区間のパノラマ記録をするほか、壁に近づいて近距離での撮影と測量を行う。ドローンが加わることで、施工チームは長城の変化を視覚的に確認できる」と説明した。
同学院のチームは「考古学的研究を行いながら修復する」「ゆっくり修復する」という修復プロジェクトの全体理念に合わせ、長城のデジタル化プランを策定した。
同プランはモデル、パノラマ、オルソ画像などのリソースに基づいたデジタルシーンを生成し、同一シーンのデジタルリソースを有機的に統合するもので、修復プロジェクトのメンバーが直観的に利用できるようになり、利便性が高まるという。
