中国の研究チームが数年かけて、深海探査を複数回にわたり実施した。マリアナ海溝でのサンプリングを通じ、最深海域の超高静水圧(600~1100気圧)環境下で深海微生物が異常に繁栄していることを発見した。深海に種の境界線を超えた「共進化的適応」戦略が存在し、独特な深海生態系を形成していることを明らかにすることで、最深海洋生態系の全体像を初めて描き出した。科技日報が伝えた。
国際的学術誌「セル」は北京時間7日、巻頭特集として上海交通大学や中国科学院深海科学・工程研究所、華大集団などが共に実施した深海生命科学研究の成果を掲載した。この特集にはプロジェクトの全貌を明らかにする1本のフラッグシップ論文が含まれる。3本の研究論文はそれぞれ、深海の原核微生物、無脊椎動物(ヨコエビ)、脊椎動物(魚類)に焦点を当てている。
これらの研究機関は2021年にマリアナ海溝環境・生態系研究(MEER)を開始した。同計画は有人潜水船「奮闘者号」や深海生命研究分野のソフト・ハードウェアシステムを活用し、国際的な深海科学研究分野のさらなる発展を目指した。
研究チームは2000点以上の深海堆積物、深海魚類、深海ヨコエビのサンプルを分析し、深海海底の現場観察と結びつけ、深海生態系の食物連鎖を体系的に整理。微生物から無脊椎動物(ヨコエビ)、さらには脊椎動物(魚類)に至るまで、極限環境下における生命の協調進化の科学的法則を明らかにし、人類の海洋生態への認識を1万メートルの深海にまで拡大した。
(画像提供:人民網)
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