環境技術分野(国際比較)
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Ⅰ. ライフサイエンス分野全般

中国ではライフサイエンスに関し、全般的には日米欧には遅れているものの国家が重点的に取り組んでおり、海外からの研究人材の呼び戻しが進む分野では、研究水準の高まりが見られる。論文の生産も相当の勢いで伸びている。

 ライフサイエンス分野では、米国が圧倒的に世界をリードしている。研究水準では少しの差で続いている欧州や日本であるが、技術開発水準や産業技術力は米国が圧倒的に強くなる。特に日本の産業技術力が弱い。中国や韓国は日本から距離がある。

 中国では、国家が重点的に取り組み海外からの研究人材の呼び戻しが進む分野では、研究水準の高まりが見られる。論文の生産も相当の勢いで伸びており、研究が活発化している。

 技術開発水準については、全体的におくれている。しかし、ゲノムや植物バイオなどで徐々に技術開発水準の向上がみられる。ポストゲノム関連では特許出願の増加傾向が認められる。また、国際共同治験への参加、外資系企業の誘致が増加傾向にあるなど、民間企業の研究開発活動が活発化している分野でも徐々に技術開発水準の向上がみられる。

 中国では産業技術力のあるバイオ産業はまだ育っていないが、国家として重点的に投資している製薬や農作物分野では、海外人材の呼び戻しが進展することなどにより徐々に企業も成長し、産業技術力を蓄え始めている。特に、製薬分野は企業数が世界で最も多く、穏やかな規制や多数の人口、海外からの投資を背景に国際共同治験を含め臨床試験が活発化しており、産業技術力を高める環境が出来はじめている。このほか、国家の研究機関が実用化に関与している植物品種開発、GM植物なども、状況によっては産業として一気に展開する可能性を秘めている。