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経済プラス成長に自信=李首相、政策強化示唆

2020年05月29日

 中国の李克強首相は28日、全国人民代表大会(全人代)閉幕後に記者会見し、2020年の中国の経済成長率をプラスとすることに自信を示した。新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ景気を下支えする政策には「なお余地がある」として、必要に応じて財政出動や金融支援を強化するとした。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 李氏は、今年の国内総生産(GDP)の政府目標を見送ったことについて「(代わりに)雇用と国民生活の安定を目標にした」と強調。財政出動を拡大しても「ばらまき」はせず、資金は国民の収入確保や消費刺激に充てられると説明した。

 その上で「財政でも金融でも新たな政策を打ち出す用意があり、ちゅうちょはしない」との方針を示し「中国経済の安定が世界経済の回復に貢献する」と語った。

 中国の1~3月期のGDPは四半期ベースの統計をさかのぼれる1992年以降、初のマイナス成長に陥り、2020年通年でも前年を下回る懸念が出ている。

 李氏は日中の経済連携にも言及し、日中韓自由貿易協定(FTA)交渉の加速や、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の年内妥結を推し進めることに意欲を示した。環太平洋連携協定(TPP)への参加については「中国は積極的で開放的な姿勢だ」と述べた。

WHOが新たな基金設立=感染症などへ柔軟対応狙い

2020年05月28日

 世界保健機関(WHO)は27日、個人や各種団体、企業からの寄付を受け付ける「WHO基金」の設立を発表した。チャイナ・ウオッチが、ジュネーブ発共同通信電として伝えた。

 資金面での支援を得て、新型コロナウイルス感染症への対応など、WHOがより柔軟に動くことができるようにするのが狙い。

 新型コロナへの対応が中国寄りだとして、トランプ米政権はWHOへの資金拠出停止や脱退を検討している。米国は最大の資金拠出国で、影響も懸念されているが、テドロスWHO事務局長は基金設立は2年以上前から構想されており、米国の動きは「何の関係もない」と強調した。

 記者会見でテドロス氏は、WHO予算の約80%は、ワクチン接種や人道支援などの事業ごとに割り当てられる「任意拠出金」で構成されており、WHOの裁量で使える額が限られていると指摘している。基金は疾病予防に向けた生活環境の改善や健康増進などに重点を置くほか、新型コロナのような新興感染症が流行した際、迅速に寄付を受け付ける窓口として活用する。

 基金は法的にはWHOから独立した組織で、元スイス保健庁長官ゼルトナー氏が理事長を務める。公式ウェブサイトから寄付が可能。

中国、デジタル元試行=人民銀総裁「5地域で」

2020年05月27日

 中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は26日までに、「デジタル人民元」の試験運用を中国の5地域で進めていることを明らかにした。実用化すれば、世界初の法定デジタル通貨となる。開催中の全国人民代表大会(全人代)に合わせて行われた中国メディアによるインタビューでの発言を人民銀が発表した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 広東省深圳市と江蘇省蘇州市、四川省成都市、北京近郊で建設中の新都市「雄安新区」、2022年北京冬季五輪の会場付近で実施しているという。

 易氏は「基本設計が完成し、システムの安定性や性能を検証している」と述べた。正式な発行時期について「具体的なスケジュールはない」とした。

 デジタル人民元を巡っては4月、銀行預金と交換できる機能が中国農業銀行のアプリに登場したと中国メディアが伝えていた。人民銀トップが正式に試験運用を認めたことで、発行の動きは加速しそうだ。

 デジタル通貨はお金が電子情報となり、国際的な送金や決済が簡単に、安くできるとされる。国際基軸通貨米ドルの地位を脅かす可能性もあり、日米欧の中央銀行は中国が主導権を握ることに警戒を強めている。

感染症予防へ法整備加速=中国「コロナ経験生かす」

2020年05月26日

 北京で開会中の全国人民代表大会(全人代=国会)で栗戦書常務委員長(国会議長)は25日、常務委の活動報告を行い、新型コロナウイルス対応の経験を生かし、感染症の発生や流行の予防に向けた法整備を急ぐ考えを強調した。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。

 栗氏によると、2年以内に公衆衛生に関する30の法律の制定・改正を目指す。

 新型コロナの感染拡大を巡っては、研究機関などでの病原体の安全管理や、感染症情報を上部機関に通報するシステムが機能していなかったと指摘されている。

 栗氏はこうした問題を念頭に、感染症の原因となる微生物の実験監視・管理を強化することを定めた「生物安全法」制定や、動物の感染症リスクを評価する制度の新設を盛り込んだ「動物防疫法」改正を早期に実現させる意向を示した。

中国アリババ売上高22%増=1~3月期ネット通販好調

2020年05月25日

 中国の電子商取引最大手アリババグループが22日発表した2020年1~3月期決算は、売上高が前年同期比22%増の1143億元(約1兆7千億円)だった。新型コロナウイルスの影響で物流が混乱したが、主力のインターネット通販事業が伸びた。本業のもうけを示す営業利益は19%減となった。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 20年3月期では、売上高は前期比35%増の5097億元だった。伸び率は19年3月期から鈍化した。

 アリババは19年11月11日の「独身の日」と呼ばれる毎年恒例の中国のネット通販の値引きセールで、取引額が2684億元と過去最高を更新するなど好調だった。

 一方、19年は創業者の馬雲氏が会長職から退き、カリスマ不在でも競争力を維持できるかどうかが問われている。

 自宅での買い物などでネットの需要が伸びており、アリババは21年3月期に6500億元以上の売上高を見込むとした。

中国、成長率目標示せず=88年以降初、国防費19兆円 コロナ延期の全人代開幕

2020年05月22日

 新型コロナウイルス感染症の影響で延期されていた中国の第13期全国人民代表大会(全人代=国会)第3回会議が22日、北京で開幕した。李克強首相は政府活動報告で、2020年の国内総生産(GDP)の成長率目標を設定しなかった。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 設定見送りは、経済成長率の目標を公表し始めた1988年以降で初めて。新型コロナで経済が大打撃を受け、今後の目標を示せなかった。

 習近平指導部は全人代を通じて国際社会に新型コロナ対策の成果をアピールする思惑だが、経済や外交の正常化に向け、厳しい試練に直面した。

 全人代で審議する20年予算案では、前年比6.6%増の約1兆2,680億元(約19兆1,700億円)の国防費を計上した。19年予算案の同7.5%増と比べ伸び率が縮小したが、南シナ海や台湾問題を巡り米国との攻防が激しくなる中、軍拡は継続する。

 李氏は習指導部の指導下で「感染症対策は大きな戦略的成果を収めた」と強調した。今年の財政赤字率を前年より0.8ポイント高い3.6%以上とし、財政出動を加速して経済の正常化を進める方針を示した。失業が深刻化しており、李氏は雇用の安定と国民生活の保障に優先的に取り組むと訴えた。

 香港で国家安全を維持するための法律に関する議案も提案した。李氏は法律の必要性を強調した。

 19年の成長率目標は「6.0~6.5%」だった。20年1~3月期のGDPは生産と消費の停滞で前年同期比6.8%減と、四半期ベースで初のマイナスとなった。

 会期は28日まで。期間中に王毅国務委員兼外相らが記者会見する。閉幕後に李氏も会見の予定。全人代は例年3月に開かれてきたが、今年は延期された。

操業再開率99・1%、職場復帰率95・4%=中国の工業企業

2020年05月21日

 苗圩・工業情報化相は20日の国務院新聞弁公室の記者会見で一定規模(本業の年間売上高2000万元)以上の工業企業の平均操業再開率が99・1%、従業員の平均職場復帰率が95・4%となり、正常な水準にほぼ達したと述べた。チャイナ・ウオッチが中国新聞社電子版の報道を引用した中国通信=共同通信電として伝えた。

中国、追加利下げ見送り=インフレ懸念で慎重姿勢

2020年05月20日

 中国人民銀行は20日、金融機関の貸出金利の目安となる「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」の1年物を3・85%のままで据え置いた。事実上の政策金利で、インフレへの懸念もあることから、2カ月連続の利下げには慎重になったとみられる。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 新型コロナウイルスで業績が悪化した企業の資金繰りを支えるため、4月に引き下げていた。5年物も4・65%のままとした。

 中国は新型コロナの影響で1~3月期の国内総生産(GDP)が初のマイナス成長を記録。倒産の増加が懸念されることから、2月と4月に引き下げ、金融機関に企業への融資を促した。

 中国では食品の価格高騰が続いている。

ワクチン開発計画、百件超=一部治験、WHOリスト  日本普及は 年以降か

2020年05月19日

 チャイナ・ウオッチによると、新型コロナウイルスの感染を予防するワクチンの開発が世界中で活発に進められている。

 世界保健機関(WHO)が16日までに公表したリストによると、118の計画が進行中で、うち欧米や中国の8剤は人に投与して安全性や有効性を確かめる臨床試験の段階に入った。トランプ米大統領も軍民一体で年内の用意を目指す計画を表明した。ただ専門家によると、日本国内の普及は来年以降になりそうだ。

 ワクチン開発は一般的にはまずウイルスの感染や増殖をどう防ぐのか検討し、候補となる化合物を選択する。次に動物実験で問題が生じないか検証する。その後、臨床試験を行い、国の承認を受けて販売される。

 WHOのリストなどによると、米国ではウイルスの遺伝情報を利用する核酸ワクチンの開発が進められている。米バイオテクノロジー会社モデルナが国立アレルギー感染症研究所と共同で3月にRNAワクチンの臨床試験を開始した。健康な45人を対象に2回投与して評価する。食品医薬品局(FDA)の優先審査の対象に指定され、トップランナーとなっている。米製薬会社イノビオは4月にDNAワクチンの試験を始めた。

 中国では病原性をなくしたウイルスを利用した不活化ワクチンなど4剤の試験が始まっている。欧州ではドイツのバイオテクノロジー企業ビオンテックと製薬大手ファイザーの共同試験や英オックスフォード大の試験が進められている。

 国内では国立感染症研究所や東京大医科学研究所、大阪大などの6剤も掲載された。動物実験の段階に入ったものもあるが、いずれも臨床試験は始まっていない。東京大医科学研究所の河岡義裕教授は「海外のワクチンが特例承認されたとしても国内の供給量は限られる。年内の普及は厳しい」とみている。

コロナ対策巡り連携強化=日中韓保健相が共同声明

2020年05月18日

 日中韓3カ国の保健相は15日夜、新型コロナウイルス対策を巡る会合をテレビ会議方式で開催し、連携強化を柱とする共同声明を採択した。治療薬やワクチンに関する情報共有や、研究機関の協力を促進する。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 3カ国は感染拡大に一定の歯止めがかかりつつあるものの、事態の長期化が懸念されている。声明には、世界保健機関(WHO)が率先して医療従事者の保護や物資提供などを調整するべきだとの見解も盛り込まれた。

 加藤勝信厚生労働相は日本国内の感染状況や緊急事態宣言を39県で解除したと報告したほか、WHOの対応を検証する必要性を指摘した。中国は馬暁偉国家衛生健康委員会主任、韓国は朴淩厚保健福祉相が参加した。

 日中韓の保健相会合は新型インフルエンザ対策を協議するため2007年に始まり、ほぼ毎年開かれている。今回は新型コロナの感染拡大を受け、臨時に開催された。

中国、LNG船で攻勢=韓国と競争、日本に圧力

2020年05月15日

 中国が造船分野で攻勢を強めている。大手の「中国船舶集団」が14日までに、カタール国営石油から液化天然ガス(LNG)運搬船を過去最高額という200億元(約3千億円)で受注した。先行する韓国を追い上げる構えで、受注減に悩む日本には一層の圧力となりそうだ。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 国営通信の新華社によると、中国船舶は先月契約を結んだ。積載能力が17万4千立方メートルの大型船で、上海のグループ会社が製造する。新華社は「世界トップの性能だ。激しい国際競争を勝ち取った」と伝えた。

 カタールはLNG輸出大国。近年はオーストラリアの台頭に危機感を強め、生産増強に動いている。中国としては、主導する巨大経済圏構想「一帯一路」の一環として中東との関係を深める狙いもありそうだ。

 LNG船はかつて日本が得意としてきたが、近年は韓国が強く、受注できていない。

日本の造船業界関係者は「世界的に価格競争が激しく、消耗戦になっている。日本としては赤字覚悟で受注を取りにはいけない」と話す。

 業界全体では2008年のリーマン・ショック以降、造船不況が長引き、新規受注は不安定な状態が続いている。新型コロナウイルスの影響で貿易が縮小し、さらなる減速も懸念される。

 中国船舶は昨年に国有大手2社が合併して誕生した巨大グループで、世界シェアの2割を握るとされる。

 日本では各社が生産能力の削減に動き、国内首位の今治造船(愛媛県今治市)と2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU、横浜市)が資本業務提携するなど合従連衡も進んでいる。

新型コロナ、長期化も視野=根絶できぬ可能性とWHO

2020年05月14日

 世界保健機関(WHO)で緊急事態対応を統括するライアン氏は13日、新型コロナウイルス感染症について「新たな風土病となり、ウイルスが消え去ることはないかもしれない」と述べ、根絶できずに、長年にわたり対応しなければならない疾病となる可能性に言及した。チャイナ・ウオッチがジュネーブ発共同通信電として伝えた。

 記者会見でライアン氏は、今もワクチンが開発されていないエイズウイルス(HIV)を引き合いに、治療法の確立でエイズ患者が健康に長生きできるようになり、予防法も充実したことから「かつてほど恐れられることはなくなった」と指摘した。現時点でワクチンがない新型コロナも「長期間にわたる問題となり得る」とし、対策に向けた協力と取り組みの強化を呼び掛けた。

 また、新型コロナのワクチンが今後開発された場合でも、必要としている世界中の人に行き渡り、接種されることが必要と強調した。例として、有効なワクチンがあるにもかかわらず接種率の向上が課題となっている、はしかを挙げた。はしかは2018年に976万人の患者が発生し、乳幼児を中心に14万人が死亡している。

 ライアン氏はまた、新型コロナ感染者や医療従事者に対する暴行が、4月に11カ国で35件以上起きたとして「非常識な暴力や差別」と不快感を表明した。ウイルスに関して正確な情報が提供されることの重要さと、各国 の指導者がこうした行為を許容せず、非難の声を上げる必要性を訴えた。

武漢の快舟ロケット産業パークが運営段階へ=初の商業宇宙拠点

2020年05月13日

 武漢国家航天産業基地の快舟ロケット産業パーク(快舟組み立て・調整センター)が徐々に運営段階に入っている。フル稼働すると、固体燃料運搬ロケットを年間20基組み立て、テストする能力を備える。チャイナ・ウオッチが武漢発新華社の報道を引用した中国通信=共同通信電として伝えた。

 同産業パークは武漢国家航天産業基地の最初の進出プロジェクトで、第1期事業で固体燃料運搬ロケット快舟シリーズの最終組み立てとテストを行う。建設は2017年5月に始まった。敷地面積30ヘクタール、建築面積4・2万平方メートルで、主に最終組み立て・テスト用建屋、総合工場建屋、総合ビル、動力ステーションなどを建設。今年2月末までに供用の予定だったが、新型コロナウイルス肺炎感染の影響を受けた。建設地の武漢市新洲区新型肺炎対策指揮部の支援で3月中旬に建設作業を再開し、これまでに仕上げ作業が基本的に終わり、工事の確認検査が進められている。

外出制限解除、慎重に=段階的にとWHO

2020年05月12日

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大の鈍化を受け、欧州などで外出制限の緩和が進められていることについて「命や生活を守るためにも徐々に、着実に解除していくことが重要だ」と述べた。チャイナ・ウオッチがジュネーブ発共同通信電として伝えた。

 テドロス氏は、一気に全面解除ではなく、慎重かつ段階的に実施していく必要性を訴えた。ワクチンが開発されていない現時点では他人との接触を減らし、感染者を特定して感染経路を割り出すという地道な作業が「ウイルス対策で最も有効な方策」と強調している。

 一方で、外出制限が経済に大きな犠牲を強いる側面も認識しており(1)感染が制御されているか(2)感染者が増えた際に、医療態勢が対応できる状況か(3)感染経路の特定ができる状態にあるか―といった基準に照らし、各国当局が判断するよう求めた。

 またWHO当局者は11日、台湾のWHO総会へのオブザーバー参加について、これまでに13カ国から要望が出されたと明らかにした。実現するか否かは、加盟194カ国の判断次第としている。今年のWHO総会は18~19日にテレビ電話会議方式で実施される。

北京日本人学校中3再開へ=オンライン授業も継続

2020年05月11日

 新型コロナウイルス感染症の流行により臨時休校が続いている北京日本人学校は8日、中学3年の登校を11日から再開すると決めた。日本人学校が明らかにした。北京市の地元中学校も同日から中3の登校を始める。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 校内ではマスクを着用し、体温検査や消毒を徹底する。中3の一部生徒は北京へ戻れていないため、11日以降はオンライン授業と通常授業を並行する。他学年の再開見通しは立っておらず、オンライン授業を続ける。

 日本人学校によると、小・中学生約350人が在籍していたが、新型コロナの影響で約100人が退学し日本の学校などへ移った。中国は3月下旬以降、有効な査証(ビザ)などがあっても外国人の入国を認めておらず、一時帰国したまま戻れなくなっている児童・生徒も多い。

中国、4月外貨準備増加=世界の経済対策反映

2020年05月08日

 中国人民銀行(中央銀行)は7日、4月末の外貨準備高が3兆914億ドル(約329兆円)だったと発表した。前月と比べ308億ドル増えた。3カ月ぶりに増加した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け各国が経済対策を強化し、主要各国の資産価格が上昇したことなどが影響したと説明した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 国家外貨管理局は「国際金融の情勢は依然として厳しい」との認識を示した。一方で、中国では新型コロナの抑え込みが進み、経済秩序が回復に向かっていることから、外貨準備の規模は引き続き安定するとした。

「野味」禁止、業者に波紋=中国、コロナ対策で

2020年05月07日

 中国政府が、野生動物など一般的な家畜や家禽ではない「野味」の食用を全面禁止する方針を打ち出した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 全面禁止は、新型コロナウイルスを媒介した恐れが指摘されているため。4月上旬には家畜など食べられる動物のリスト案を公表した。「野味」の多くが飼育されたものだが、リスト外の動物は食べられなくなる可能性が高く、業者に波紋が広がっている。

 「ヘビやタケネズミは食べてはいけない」「イヌは食卓からお別れ」。政府が「国家家畜家禽遺伝資源リスト」の意見公募を始めると中国メディアはこう報じた。

 リストは食用、皮革の活用、乳業、牧畜などが可能な31種類の動物を列挙、他の動物は商業的に扱えなくなるもようだ。

 一般的な家畜や家禽に加え、繁殖技術が確立しているなどとして数種のシカや鳥はリストに入ったが、政府が貧困世帯に飼育を推奨してきたタケネズミは漏れた。一部地域で食用に飼育・取引されてきたイヌも「人類の伴侶」として外された。

 タケネズミの飼育業を20年営む湖南省の男性(51)は「政府が支持する事業だからと借金をして始めたのに」と話す。感染症対策で取引が停止され、損失を出しながらも飼育を続けてきた。「事業を継続して良いのか分からない。だめなら処分し、サトウキビでも育てるしかない」と嘆く。

 食用カエルやスッポン、カメなどの養殖も禁止なのか関心が高まり、政府は水生動物の扱いは別だと表明している。ただ食用や薬用に飼育されてきたヘビはリストに入らず、インターネットメディアは「スッポンと同じくらいヘビの繁殖技術は高い」と指摘し、ヘビ飼育業者の戸惑いを伝えた。

中韓、経済交流一部再開=新規感染者の減少受け

2020年05月01日

 中韓両政府は29日、新型コロナウイルスの新規感染者の減少を受け、経済活動を目的とした人の往来を部分的に再開させることで一致した。中国は韓国から訪問する企業関係者の隔離期間を短縮する。中国外務省の耿爽副報道局長が30日の記者会見で発表した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 耿氏は、中韓両国が経済活動復旧へ便宜を図ることで「感染症予防と、経済と社会の発展を促し、国際的なサプライチェーン(部品の調達・供給網)の安定運用にもつなげていく」と説明した。

 耿氏によると、中国は外国人を原則入国させない措置を取っているが、商用や物流、生産活動などで急を要する韓国企業関係者の査証(ビザ)申請を受け付ける。健康観察などで条件を満たせば、入国者に義務付けている2週間の隔離期間を短縮する。こうした措置は中国の10の省・直轄市で適用するという。中国から韓国への入国についても制限を緩和する。

 中国は経済活動の再開を急いでおり、韓国以外の国とも同様の措置の導入に向けて交渉を進めているという。