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経験踏まえ"臨戦態勢"=日中韓、検査で大きな差

2020年02月28日

 新型コロナウイルスの検査件数が1日平均約900件と、中国や韓国に比べ大幅に少ないとされる日本。重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)の感染が広がった経験を持つ中国や韓国では感染症対策を強化し、"臨戦態勢"で検査の需要増に対応している。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 中国で2002~03年にSARSが流行した際、十分な対応ができずに国際的に批判されたことを踏まえ、中国政府は感染症対策を担う疾病予防コントロールセンターに予算や人員を充て、公衆衛生分野に力を入れた。

 感染症対策の海外事情に詳しい防衛医科大の加来浩器教授(感染症疫学)によると、中国は好景気に支えられてウイルスの遺伝子を検出するPCR検査機器を大量に保有。「大勢の研究員とともに検査機器をトラックに満載して武漢に入り、移動ラボとして片っ端から検査をした」と話す。また、コンピューター断層撮影装置(CT)の画像で新型肺炎特有の病態があるかを人工知能(AI)で自動診断する技術も実用化しているという。

 韓国では朴槿恵前政権時代の2015年にMERSが流行したが、対応が遅れて38人の死者を出し、批判を浴びた。教訓を踏まえ、韓国政府は疾病管理本部の組織を大幅に拡充するなど、感染症対策を徹底した。

 今回の感染拡大では病院の屋外にテントを建て、防護服をまとったスタッフが、発熱など症状のある市民の検体採取に応じる非常態勢を取っている。診療所では長時間待つことがあったため、車に乗ったまま検体を採取する「ドライブスルー方式」を導入する自治体も増加。1日の検査件数は1万件を超えた。

 一方、日本では感染経路不明の多数の感染者が出た北海道でも検査能力は1日40件。院内感染が疑われ検査対象が470人余りに及んだ和歌山県でも平常時の能力はわずか1日40件だった。

 加来教授は「対岸の火事で眺めていただけの日本では、日頃の備えに大きな差ができてしまったのではないか」と分析している。

ファーウェイ製品報告を=米通信委、業者に要求

2020年02月27日

 米連邦通信委員会(FCC)は26日、国内の通信業者に対し、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の製品の使用状況や買い替える場合のコストを報告するよう求めたと発表した。買い替え支援に役立てる。チャイナ・ウオッチが、ワシントン発共同通信電として伝えた。

 FCCは昨年11月、国内の通信会社が両社製品を購入するのを禁じたと発表し、既に使っている場合には他社製品に買い替えるよう求めている。ただ米メディアによると、両社の製品は比較的安価なため、地方の中小通信業者などが使い続けているという。

 FCCのパイ委員長は「ファーウェイとZTEは安全保障上の脅威だ。われわれの通信ネットワークを守るため、データの収集を始めた」と声明で述べた。米政権は、両社の機器を通じた機密情報の窃取やサイバー攻撃を警戒している。

 通信コストが高い地域や低所得者を支援するための「ユニバーサルサービス基金」から補助金を受けている業者には、4月22日までの報告を義務付けた。それ以外の業者には任意で報告を求めている。

武漢の医薬品業者に20億円=アジア開銀融資

2020年02月26日

 アジア開発銀行(ADB、本部マニラ)は25日、新型コロナウイルス対策のため、中国湖北省武漢に本社を置く医薬品卸売業者「九州通医薬集団」に最大1860万ドル(約20億6千万円)を融資すると発表した。医薬品のほか、防護服や手袋、マスクなどの継続的供給を支援する。チャイナ・ウオッチがマニラ発共同通信電として伝えた。

 ADBによると、同社は武漢に医薬品の調達や供給のための中国最大規模の物流倉庫を保有している。湖北省政府から医薬品調達などの要請を受けており、「ADBの支援で深刻な影響が出ている地域に医薬品や防護用の物資を届けることができる」としている。

「世界的大流行」否定=事実に即さずとWHO

2020年02月25日

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は24 日、新型コロナウイルスの感染が韓国やイラン、イタリアなどで広がっていることについて「突然増えていることは非常に懸念されるが、制御不能状態で世界中に広がっている訳ではない」と述べ「パンデミック(世界的 大流行)という言葉を使うのは事実に即していない」と強調した。チャイナ・ウオッチが、 ジュネーブ発共同通信電として伝えた。

 記者会見でテドロス氏は「エピデミック(局所的流行)が、パンデミックになったのではないかという臆測が出ている」と指摘した。WHOは1月30日に緊急事態宣言を出しており、同氏は感染拡大防止に向けた各国の取り組み継続を改めて求めた。

 WHO当局者も、中国での新規感染者数が減っていることから「パンデミックという流れにはなっていない」と指摘した。中国は「非常に高い」、周辺地域や世界全体は「高い」としている危険性評価を基に、各国での状況に応じた対策の重要性を説いた。

 テドロス氏はまた、中国での活動を終えたWHO国際調査団からの情報として、新型コロナウイルスによる肺炎の致死率は最も感染者の多い中国・武漢で2~4%、武漢以外では0.7%だと説明。軽症者は約2週間、 重症者は3~6週間で回復しているという。

 グテレス国連事務総長は24日、WHO本部を訪れテドロス氏らと会談した。記者団に「必要なことを全てしなければ事態が制御不能になり、世界の保健や経済に甚大な被害をもたらす可能性もある」と述べ、資金面などでWHOへの協力を呼び掛けた。

中国代表を受け入れへ=卓球協会、感染拡大で

2020年02月21日

 日本卓球協会が、新型コロナウイルスの感染拡大で遠征先など海外で調整を続けている中国代表約50人を、日本国内に受け入れる方針を固めたことが21日、分かった。協会関係者によると、受け入れ先は関東地方の施設とする方向で最終調整している。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 国際卓球連盟や日本協会関係者によると、中国チームは1月にドイツでの大会に向けて出国。その後の感染拡大を受けて中国卓球協会から帰国しないように促され、現在は次に出場予定のカタールで調整している。

 日本には3月22~29日に韓国の釜山で行われる世界選手権後に入り、6月まで滞在。その後は遠征で日本を離れた後、東京五輪前に再び来日する予定。強豪の中国は日本にとって五輪でも大きな壁となるが、協会関係者は「ライバルだが敵ではなく友人。困っていれば助けたい」としている。

 中国代表には前回リオデジャネイロ五輪金メダルの馬竜らトップ選手が含まれ、発熱などの症状は出ていないという。日本協会は受け入れ先で練習公開などの機会を設けることも計画している。

中国、新型肺炎で利下げ=企業の資金繰り支援 3カ月ぶり、4・05%

2020年02月20日

 中国人民銀行(中央銀行)は20日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの影響で企業の資金繰りが悪化するのを防ぐため、金融機関の貸出金利の目安となる「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」の1年物を0・1%引き下げ、4・05%とした。事実上の政策金利の引き下げとなる。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。

 一段の金融緩和に踏み切ったのは、新型肺炎の中国経済に対する影響を和らげるのが狙い。1年物の引き下げは3カ月ぶり。5年物も0・05%引き下げた。より低い金利に誘導することで企業への融資を促す。

 新型肺炎は春節(旧正月)の連休中に深刻化した。各地で従業員の職場復帰 や店舗の再開が大幅に遅れている。震源地である湖北省にはホンダや日産自動車が工場を構え、部品メーカーも多く集まるが、サプライチェーン(部品の調達・供給網)の寸断による生産の停滞も懸念されている。

 人民銀の潘功勝副総裁は7日の記者会見で、新型肺炎が旅行、飲食、娯楽などのサービス業や工業生産に打撃を与えると危機感を表明している。景気下支 えのため、金融政策による対策を強化する考えを示していた。

 潘氏はまた3、4の両日に公開市場操作で計1兆7千億元(約27兆円)を金融市場に供給したとも説明していた。

 中国では貸出金利が事実上高止まりしていた。米中貿易摩擦による景気冷えこみを受け、人民銀は金利を実質的に引き下げるため、昨年8月に新たな算出方法に基づく新LPRを導入し、毎月20日をめどに更新している。

春夏物衣料の仕入れ不足も=アパレル、中国生産が停滞

2020年02月19日

 中国で新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が止まらず、アパレル・繊維各社の現地工場での生産が停滞している。物流網の混乱も要因で、長期化すれば春夏物の季節衣料で日本への仕入れが不足しかねず、各社は警戒を強めている。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 レナウンは、中国各地で生産を委託している工場の一部で再開が遅れている。現地当局が許可の条件とする従業員用マスクや消毒アルコールの確保が難しいという。担当者は「現地ではマスク工場などの再開を優先している事情もあるようだ」と話す。2月までの商品在庫は確保したが「3~4月の春夏物の入荷が多少遅れるかもしれない」と危惧する。

 オンワードホールディングスは、注文から最短1週間で手元に届くのが売りのオーダースーツをグループ会社の大連工場で生産。春節の休みを延長して10日に稼働を再開したが「少し納期が延びており、通常ペースに戻るにはしばらくかかる」という。三陽商会も現地に協力工場が複数あり、再開が遅れている。

 ワールドも婦人服などの生産を中国の縫製工場に委託し、10日に再開したが一部稼働にとどまる。現在は在庫で対応するが、本格稼働までの期間が長引けば影響が出かねず「春物衣料の動きが本格化する3月ごろまでに生産が戻ってほしい」(担当者)と気をもむ。

 東レは中国で稼働を再開できない工場があるという。物流の混乱の影響に加え、従業員の自宅待機により「人海戦術」での縫製に支障をきたしている。

新型肺炎、致死率2% WHO、SARSより低い

2020年02月18日

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は17日の記者会見で、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)について、致死率が約2%で比較的低いとの見解を示し、「重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)ほど致命的ではないとみられる」と述べた。チャイナウオッチがジュネーブ発共同通信電として伝えた。

 中国が17日に提供した感染者約4万4千人の詳細なデータを基に分析した。約8割が軽症で、約14%が肺炎や息切れが起きる重症、約5%が呼吸困難や多臓器不全を起こし重体となった。高齢者ほど危険性が増す。子どもの感染例は比較的少ないが、さらなる調査が必要だとしている。

 ともにコロナウイルスが原因のMERSは致死率が3割以上、SARSは約1割とされる。

 中国政府は18日、中国本土で17日に感染者が1,886人増え計7万2,436人に、死者が98人増え計1,868人になったと発表した。テドロス氏は、中国で新たな感染者数が減る傾向にあると指摘しつつ「減少が続くと見なすのは時期尚早だ」と述べ、警戒を緩めないよう呼び掛けた。

 会見でWHO当局者は、横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」への対応は、船内という特殊環境が事態を困難にしていると指摘した。日本国内への感染拡大防止は重要だとしながらも「ウイルスの封じ込めが目的で、人を(船に)閉じ込めることが目的ではない」とし、日本側と今後も対応を緊密に協議していくと述べた。

 WHOは17日付の状況報告から、中国湖北省で導入されている臨床診断も含めた感染者数を計上すると決定した。感染者は29カ国・地域の計7万1,429人に上り、うち中国本土が7万548人、シンガポールの75人、 日本の59人と続く。横浜港のクルーズ船の454人は、日本国内分とは別に計上されている。

日系企業93%「収益悪化」=上海、新型肺炎で

2020年02月17日

 中国の上海日本商工クラブは14日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日系企業の93%が今年の収益について「前年比でマイナスになる見込みだ」と回答したとのアンケート結果を発表した。54%がサプライチェーン(部品の調達・供給網)に既に影響があるとした。チャイナ・ウオッチが上海発共同通信電として伝えた。

 調査を担当した関係者は「ほとんどの業界で影響があり、思っていた以上に深刻だ」と指摘。今後各社は中国ビジネスの戦略を練り直す必要が出てきそうだ。

 48%の企業が1割超の減益と予想。2割超の減益を見込むのは18%だった。「工場などの操業停止がいつまで続くとサプライチェーンに大きな影響が及ぶか」との質問には、54%が「既に及んでいる」と回答。23%が「2月末」と答えた。中国国内の工場などの操業停止が続く場合、31%が代替生産・調達は不可能とした。

 また65%の企業が、20人以上が集まるイベントを中止か延期した。中国ビジネスの戦略変更については53%が「まだ分からない」とした。

 上海市は10日に休業措置が明けたが、89%の企業が在宅勤務を採用しているという。

 調査は10日~12日に行い、会員企業635社から回答を得た。

中国産野菜の輸入に遅れ=農相、食材調達へ影響懸念

2020年02月14日

 江藤拓農相は14日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスによる肺炎拡大により、ニンジンやネギ、タマネギといった中国産野菜の輸入が最大で約1週間遅れていると明らかにした。外食産業の食材調達などへの影響が懸念されるとして「注意していきたい」と述べた。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 江藤氏は、中国の野菜加工施設などで、出荷に向けた作業をするための人手が不足していると説明し「(日本国内の)外食や加工業への影響が心配されている」と指摘。ただ、現状では「国産が潤沢に出回っており、価格的に大きな影響は出ていない」と説明した。

 対策として「国内の生産基盤をしっかり強化することが大切だ」と強調した。

新型肺炎で石油需要減=OPEC「日本にも影響」

2020年02月13日

 石油輸出国機構(OPEC)は12日に発表した石油月報で、2020年の世界の石油需要を日量1億73万バレルと見込み、1月の月報から同25万バレル下方修正した。肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大により、中国の景気減速が懸念されるためだ。日本や韓国の需要に響く可能性も指摘した。チャイナ・ウオッチがロンドン発共同通信電として伝えた。

 OPEC加盟国とロシアなど非加盟の産油国による連合体「OPECプラス」は協調減産の強化を検討している。新型肺炎の影響も見極めながら早期に結論を出し、原油価格を下支えしたい考えだ。

 新型肺炎の拡大により、1~3月の需要は日量9951万バレルと予測し、同44万バレル引き下げた。4~6月と7~9月も下方修正したが、10~12月の予測は据え置いた。

正式名称はCOVID-19=新型肺炎でWHOが命名

2020年02月12日

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日、新型コロナウイルスによる肺炎を「COVID-19」と名付けたと発表した。チャイナ・ウオッチが、ジュネーブ発共同通信電として伝えた。

「コロナウイルス病」の英語表記を略した「COVID(コビッド)」と、感染が報告された2019を組み合わせた命名。一部メディアはこれまで、被害が最も深刻な中国湖北省武漢市の名を冠して「武漢ウイルス」などと報じていた。テドロス氏は、国連食糧農業機関(FAO)などとの合意に基づき、風評被害などを避けるため地名、動物名、人名、組織名などを盛り込むことはしなかったと説明している。WHOは1月30日、暫定的に「2019年新型コロナウイルス急性呼吸器病」と名付けていた。

 テドロス氏はまた、新型コロナウイルスの感染を防ぐためのワクチンについて「1年半後には使えるようになる」と言及した。WHO本部では11~12日、治療法やワクチンに関して専門家による協議が開かれている。

 ウイルスの感染拡大について、テドロス氏は「政治、経済、社会面での大混乱を、テロよりも強く引き起こす」と強調した。「人類最大の敵だ」として各国が一致して全力で対応することを求めた。

 WHOなどによる新種のコロナウイルス感染症の命名は、02~03年に中国を中心に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)や、12年以降に中東で発生している中東呼吸器症候群(MERS)の例がある。

中国、金融政策強化へ=新型肺炎で危機感

2020年02月10日

 中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝副総裁は7日の記者会見で、新型肺炎がサービス業や工業生産に打撃となり「中国の1~3月期の経済活動をかき乱す要因になる」と危機感を示した。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。

 潘氏は、景気下支えのため金融政策を強化する考えも示した。既に旅行、飲食、娯楽などのサービス業に影響が出ていると指摘し、春節(旧正月)休暇の延長により、工業生産や建設業にも打撃になると分析している。

 企業への円滑な融資を促すため、金融機関の貸出金利の目安となる「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」を引き下げる可能性に言及した。

 また3、4の両日に公開市場操作で計1兆7千億元(約27兆円)を金融市場に供給したと説明している。肺炎が制圧できれば中国経済は早期に回復するとも主張した。

コロナワクチン開発に合意=アイロムG、上海の大学と

2020年02月07日

 医薬品開発や臨床試験の支援を手掛けるアイロムグループは6日、傘下のIDファーマ(東京)と中国・上海市の復旦大付属上海公衆衛生臨床センターが、感染が拡大する新型コロナウイルスのワクチンを共同開発することに合意したと発表した。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 製品化には2~3年ほどかかる見通し。アイロムグループは「ノウハウを蓄積することで今後流行したときの備えになる」と説明している。

 開発を目指すのは、コロナウイルスの抗体を作る遺伝子情報を、運搬役となる「ベクター」にのせて体に送り込むことで、予防・治療するワクチン。ウイルスを弱毒化した一般的なワクチンとは異なるものだという。

日本人学校の再開3月以降=上海市、休校措置延長

2020年02月06日

 中国・上海日本人学校は5日、17日に延期していた授業再開を3月以降に先延ばしすることを決めた。上海市政府が5日、新型コロナウイルスによる肺炎の拡大に伴い、市内の小中高校など全ての学校の臨時休校を2月末まで延長すると発表したことを受けた措置。チャイナ・ウオッチが上海発共同通信電として伝えた。

 上海市でも感染者が240人以上となり、同市は授業再開時期について状況を見極めて改めて決定するとした。上海日本人学校の臨時休校期間がさらに長引く可能性もあり、在留邦人への影響はますます大きくなっている。

 同校は1月下旬、市の通知に従い、当初予定していた3日の授業再開を17日に延期した。今回新たに3月1日まで臨時休校期間を延ばした。

 同校には小中学生計約2200人が在籍するほか、海外では唯一の高等部に約140人が通う。北京など別の都市の日本人学校も再開時期が決まっていない。

米高官、5G国産化に意欲=ファーウェイ排除

2020年02月05日

 クドロー米国家経済会議委員長は、第5世代(5G)移動通信システム向けソフトウエアの国産化に意欲を示した。米関連企業の力を結集し、安全保障の懸念がある華為技術(ファーウェイ)など中国勢を米5G市場から排除する狙いがある。チャイナ・ウオッチが、4日付米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビュー記事を引用したワシントン発共同通信電として伝えた。

 この構想には、コンピューター大手デルや、IT大手マイクロソフト、 携帯電話大手AT&Tが参画している。クドロー氏は「米国の5Gの設計やインフラを米企業が手掛けるようにするということだ」と説明し、「デルやマイクロソフトは急速にソフトやクラウドの開発を進めており、これらは多くの機器を代替するだろう」と述べた。

 世界の通信機器市場では、ファーウェイが首位で、フィンランドのノキアとスウェーデンのエリクソンが続く。クドロー氏は「ノキアやエリクソンは米国で大きな存在感があり、われわれの構想に加わる可能性もある」 と語った。

 ファーウェイは中国の人民解放軍との密接な関係が指摘されており、トランプ米政権や議会は、安全保障上の理由から強く警戒している。

中国から訪日40万人解約か=1月27日~3月末

2020年02月04日

 チャイナ・ウオッチが伝えるところによると、観光ビザで訪日する中国人が日本の旅行会社から受け取る「身元保証書」の申請数が、中国政府が団体旅行を禁止した1月27日以降3月末までに約40万件に上ることが3日、日本旅行業協会への取材で分かった。協会は「大半がキャンセルになるのではないか」とみている。

 訪日中国人客は観光ビザの取得に際し、保証書が必要。滞在期間が短いクルーズ船での観光やビジネス客は対象外で、実際の解約はさらに膨らむ可能性がありそうだ。

 2019年の訪日中国人は959万人で、訪日客全体の3割を占めている。

先端技術開発に認定制度=中国勢けん制、税優遇 サイバー攻撃にも対応 政府、今夏開始目指す

2020年02月03日

チャイナ・ウオッチによると、政府が、第5世代(5G)移動通信システムやドローンなど先端技術の開発を手掛ける企業に対し、サイバーセキュリティーの確保やサービスの安定性といった重点基準が守られているかどうかを認定する制度を創設することが2日、分かった。認定されれば税制面などで優遇を受けられるようにする。先端技術開発で先行する中国勢をけん制し、三菱電機やNECなどの企業へ相次ぐサイバー攻撃にも対応する。今通常国会に制度を盛り込んだ新法案を提出、今夏の運用開始を目指す。

新法案は「特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案」。サイバーセキュリティーなどの面で安全性や信頼性、機器・サービスの供給安定性、世界標準から離れる「ガラパゴス化」を避けるため国際規格を採用しているかなどの指針を策定し、国が適合しているかどうかを審査する仕組みをつくる。

情報通信分野では、華為技術(ファーウェイ)をはじめとする中国系企業が先行している。ドローン開発でも海外勢に出遅れている。政府は、経済の安全保障の観点から国の支援姿勢を明確にし、国内産業の競争力強化につなげたい考えだ。

国内では三菱電機がサイバー攻撃を受け、防衛省や原子力規制委員会などの政府機関や、電力、鉄道、通信などのインフラ企業に関係する情報が流出した可能性があることが発覚している。NECにも数年間にわたり攻撃が行われ、流出情報に同社が手がける防衛装備品関連の資料が含まれていたことが明らかになるなど問題が深刻化している。

政府、与党は2020年度税制改正大綱で、大手携帯電話会社が計画よりも前倒しして5Gの基地局を整備する場合に、設備投資額の15%を法人税などから控除することができる優遇税制を盛り込んだ。指針に適合していると認定された企業が税優遇を受けられるよう新法案に明記する。政府系の日本政策金融公庫から低金利で融資を受けられるようにするなどシステム普及も後押しする。

政府関係者は「5Gは成長インフラとして潜在能力が高い」として国を挙げて育成を促す意義を強調している。