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香港、公務員が通常勤務へ=「対策成功」と行政長官

2020年04月30日

 香港政府の林鄭月娥行政長官は28日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3月下旬から在宅勤務が続いている公務員の大部分について、5月4日から通常勤務に戻すと発表した。チャイナ・ウオッチが香港発共同通信電として伝えた。

 林鄭氏は「対策が成功して新規感染者の増加を抑え込み、状況が安定してきた」と理由を説明した。閉鎖していた図書館や屋外運動場などの公共施設も再開されることになり、市民生活は正常化に向かいそうだ。

 林鄭氏は「多くの人が政府の厳しい感染対策について点検を求めている」と述べ、5人以上の集会禁止などの他の措置についても解除の是非を近く決めると表明した。

 一方で、流行が再び起きる可能性があるとして「感染対策を一気に緩めることはできない」とも述べた。香港の衛生当局は28日、中国本土からの入境者への強制検疫措置については、5月7日までとしてきた期限を1カ月延長すると発表した。

 香港の新規感染者数は4月12日の発表分以降、連日1桁で、26日からは3日連続でゼロ。

抗体存在も再感染の可能性=WHO、警戒呼び掛け

2020年04月28日

 世界保健機関(WHO)で緊急事態対応を統括するライアン氏は27日、新型コロナウイルスに感染後、体内にできる「抗体」について「感染した」という証明にはなるが、再感染しないこととは「別問題だ」と述べた。チャイナ・ウオッチがジュネーブ発共同通信電として伝えた。

 ライアン氏は、抗体があっても再感染の可能性があるとして警戒を呼び掛けている。一方「(既往歴などのない)健康な人が、新型コロナ感染症から完全回復すれば『一定の期間』は感染しないと、経験から見なすことはできる」と言及した。ただし「『一定の期間』がどれほどなのかは判明しておらず、さらなる調査が必要だ」と強調している。

 WHOは同日までに、「新型コロナ感染症から回復した人や、抗体を持っている人が、再び感染しないという根拠は、現時点では存在しない」とする文書を発表している。「いかなる研究でも、抗体の存在が、新型コロナに対する免疫を示すとの結果は出ていない」とした。

東アジア感染減少が顕著=往来再開、日本出遅れコロナ対応、企業活動明暗

2020年04月27日

 中国、韓国など東アジア諸国で新型コロナウイルス新規感染者の減少が顕著だ。域内で人の往来も再開しつつあり、経済活動復旧の動きが加速する。感染者の増加傾向が続き、緊急事態宣言延長の必要性も指摘される日本との差は明白で、周辺国からの出遅れが景気悪化の追い打ちになる恐れもある。チャイナ・ウオッチが北京、ソウル、ハノイ発共同通信電として伝えた。

 中国の新規感染者は2月中旬に連日2千人以上だったが、3月以降は100人を下回る日が多い。累計約8万3千人で、国別では世界9番目に下がった。韓国も3月中旬以降は終息傾向にあり、最近では1桁台の日も多い。累計1万人余りで4月20日に日本が追い抜いた。台湾やベトナム、マレーシアも抑え込みに成功している。

 外国人を原則入国させない措置を3月下旬から続けてきた中国は、人の往来を一部再開することで韓国、シンガポールと合意。中国外務省の耿爽副報道局長は21日「経済協力を安定させ、国際的なサプライチェーン(部品の調達・供給網)を守るためだ」と説明した。

 報道によると、中国側は韓国電機大手サムスン電子の従業員200人の入国を許可。半導体メモリー工場の拡張に当たる。また中韓両政府は9日、医薬品などの知的財産権保護を担う省庁同士のテレビ会議も実施した。

 韓国も感染状況が比較的落ち着いたアジア各国に経済攻勢をかける。張夏成・駐中国大使は20日「中国の武漢が正常化する時、われわれが最初に韓国企業の商品展示会を開催する」と強調した。

 外国人の入国を3月中旬に事実上禁じたベトナムは、一部韓国企業の技術者ら約2千人の入国を認めることを決定。既に千人以上が到着した。スマートフォンの生産拠点を置くサムスン電子が強く求めたほか、文在寅大統領もグエン・スアン・フック首相との電話会談で直接要請した。

 一方で日本企業には禁止措置が続く。ベトナムの日本企業関係者は「とにかく韓国は官民挙げての対応が速い」とし、日本政府に民間を後押しするよう求めた。

中国、感染症で資料収集へ=国家図書館に記憶バンク

2020年04月24日

 北京市の中国国家図書館は23日までに、「新型コロナウイルス感染症との闘い」に関する資料を集め「記憶バンク」を設立するプロジェクトを始めた。「中華民族が志を一つにして団結し、感染症と闘った国家の記録を永遠に残す」という。共産党・政府は内外に、感染防止の取り組みの成功を強調している。チャイナ・ウオッチが新華社の報道を引用した北京発共同通信電として伝えた。

 各地域や組織の行動のほか、テレワークやオンライン学習、ITを活用した感染防止技術の記録も集める。

 また、インターネットを通じて「感染症との闘い」がテーマの文章や写真、音声、映像を収集し、体験者の経験も口述で記録するという。

中国、新たな発症者10人=政府、検査対象拡大へ

2020年04月23日

 中国政府は23日、新型コロナウイルス感染症の発症者が中国本土で22日に10人増え、計8万2,798人になったと発表した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 中国共産党・政府は22日、感染症の抑え込みを確実にするため、ウイルス検査の対象を拡大する方針を打ち出した。

 22日に新たな死者はいなかった。新たな発症者10人のうち6人は中国本土外から来て感染が確認された人たちだった。全土で計63人の重症者がいるという。無症状の感染者は新たに27人確認された。

 中国共産党・政府は22日の会議で「感染の再拡大を断固として防ぐ」として、ウイルス検査や抗体検査の対象範囲を広げ、感染者を確実に把握する方針を確認した。

中国で国際航空券が高騰=民用航空局が規制強化

2020年04月22日

 新型コロナウイルスの海外からの流入を防ぐために、中国と海外を結ぶ国際線の運航本数が制限されていることで、販売代理業者の買い占めなどにより航空券価格が高騰している。中国民用航空局運行コントロールセンターの孫韶華副主任は20日、一部の業者が買い占めや転売などを行っており、航空券が10万元(約152万円)を超える路線もあると説明した。チャイナ・ウオッチがNNA配信として伝えた。

 こうした状況を受けて民用航空局は16日、国際航空券の価格管理についての規定を発表。同日から代理業者による販売を禁止し、すべて航空会社が直接販売することを決めた。価格は航空会社が責任を持って管理し、価格表示などで透明性を確保するほか、社員による不正な転売などが起きることのないよう求めた。

 民用航空局は3月29日から、海外の航空会社による旅客便の中国路線を1社当たり1路線、毎週1便以下、国内の航空会社は海外1カ国につき国際線を1路線、毎週1便以下とする措置を発動。これにより国際線の座席供給数は大幅に減少している。16日に施行された管理規定は、この国際線運航便数の制限が解除されるまで継続する。

NY州の抗体検査始まる=「感染実態明らかに」

2020年04月21日

 米東部ニューヨーク州は20日までに、新型コロナウイルスの感染歴の有無を調べる抗体検査を始めた。地元メディアによると州内20カ所の食料品店に設置した検査所で、当初計3千人を検査する。チャイナ・ウオッチがニューヨーク発共同通信電として伝えた。

 抽出検査により感染者の割合が分かり「直面している感染の実態が明らかになる」(クオモ州知事)ことが期待されている。経済活動や学校の再開に向けて重要なデータとなりそうだ。

 クオモ氏は20日の記者会見で、感染による新たな死者が478人だったことを明らかにした。州内の新たな死者が500人を下回るのは4月初め以来初めてで、新たな入院患者も減少傾向が続いている。

 中西部ミシガンなど複数の州で外出制限への抗議が続発していることについては「誰だって仕事に戻りたい」と指摘しつつも、感染拡大の抑制が不可欠との考えを強調した。経済活動の早期再開には隣接州との連携が重要だと述べた。

 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、米国の感染者は約76万6千人、死者は約4万900人に上った。

中国が追加利下げ=2カ月ぶり、3・85%に

2020年04月20日

 中国人民銀行(中央銀行)は20日、新型コロナウイルスの影響に苦しむ企業の資金繰りを支える目的で、金融機関の貸出金利の目安となる「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」の1年物を0・2%引き下げ、3・85%とした。事実上の政策金利で、今年に入って2回目。2カ月ぶりの引き下げとなる。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 新型コロナ感染症の世界的な拡大で外需が低迷し、中国経済の一層の悪化が懸念されるため一段の金融緩和に踏み切った。5年物も0・1%引き下げた。より低い金利に誘導し、企業への融資を促す。

 習近平指導部は17日の共産党の会議で「金融政策を柔軟にし、利下げなどの手段によって市場の貸出金利を引き下げる」と表明した。

 中国の2020年1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)は前年同期比6・8%減と、四半期ベースで初のマイナスだった。海外の景気減速で先行きも不透明となっている。

 中国は貸出金利が高止まりしており、人民銀は金利を実質的に引き下げるため、昨年8月に新LPRを導入。毎月20日をめどに更新する。新型コロナが経済を直撃した2月に引き下げた後、3月はインフレ懸念もあって見送った。

上海株上昇、経済再開期待

2020年04月17日

 17日午前の中国・上海の株式市場は、経済活動再開への期待感から買いが先行し、代表的な指標である上海総合指数は前日と比べた上昇率が一時0・9%を超えた。チャイナ・ウオッチが上海発共同通信電として伝えた。

 この日発表された中国の2020年1~3月期の国内総生産(GDP)成長率が初めてマイナスとなったが、4~6月期にさらに悪化することはないとの見方が強く、株価への影響は限定的だった。

 香港のハンセン指数は一時2・6%超上昇。ソウルの総合株価指数(KOSPI)や台湾の加権指数も上げた。

武漢で1万人に抗体検査=無症状感染の実態把握

2020年04月16日

 中国湖北省武漢市当局は15日までに、新型コロナウイルスの無症状感染者の実態を把握するため、住民のウイルスと抗体の検査を始めた。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 国営通信、新華社によると、同市の調査対象は1万1千人に上る予定。全国でも実施する。集団免疫が獲得されているかどうか調べる目的もあるとみられる。

 武漢市では14日、無作為抽出された880人が、のどから採取した検体のウイルス検査と、血液中の抗体の有無を調べる検査を無料で受けた。

 北京市、上海市、重慶市、遼寧省、江蘇省、浙江省、湖北省、広東省、四川省でも実施する。担当者は「人々のウイルス抗体のレベルを調べ、感染防止措置の調整に科学的根拠を提供する」と述べた。

 また15日、武漢で感染者急増に対応するため突貫工事で建てられた「雷神山医院」が運用を終えた。同医院は1月下旬に着工し2月上旬から感染症対応に当たり、全国から派遣された医療従事者が患者計2,011人を受け入れた。武漢では感染症対応で停止していた一般外来を再開する病院も増えている。

 中国政府によると、新型コロナ感染症の発症者は14日に中国本土で46人増え、計8万2,295人になった。46人のうち36人は本土外から到着した人。死者は湖北省で1人増え、本土で計3,342人となった。無症状感染者は新たに57人確認され、計1,023人が経過観察中。

日系企業4割が完全再稼働=中国南部、ジェトロ調査

2020年04月15日

 日本貿易振興機構(ジェトロ)広州事務所などは14日、中国南部の日系企業を対象にした新型コロナウイルス感染拡大の影響の調査結果を発表した。操業・生産を再開し、稼働率100%に達した企業は41・4%、80%以上も42・3%で、ジェトロは「停止前の水準を回復しつつある」と評価した。チャイナ・ウオッチが香港発共同通信電として伝えた。

 中国では2月10日に春節(旧正月)休暇から続いた休業期間が明け、企業の生産再開が始まった。2月末の時点では、稼働率100%がわずか6・7%だった。

 調査結果によると、操業・生産を再開した企業は98%に上った。稼働率100%の企業を業種別でみると、電気機械器具が21・6%を占め、最も多かった。

 また日本に帰国した従業員について「全て戻った」と回答した企業は4割以下。「全員が日本に帰国」(22・6%)とした企業のうち約半数は「誰も中国に戻っていない」と回答した。中国政府が入国制限を続けていることが主因だ。

 調査はジェトロが在広州日本総領事館と共に4月2~10日に実施。広東省、福建省など中国南部の日系企業361社から回答を得た。

致死性、新型インフルの10倍=コロナでWHOトップ

2020年04月14日

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は13日、新型コロナウイルス感染症は2009年に流行した新型インフルエンザと比較して「致死性が10倍高い」と述べ、各国が導入している移動制限などの措置の解除は慎重を期すよう求めた。チャイナ・ウオッチがジュネーブ発共同通信電として伝えた。

 テドロス氏は「10倍」の具体的根拠は示さなかった。2009年の新型インフルエンザでの死者数は世界全体で10万~40万人だったとみられている。一方、日本の厚生労働省によると季節性のインフルエンザでは毎年、世界全体で25万~50万人、日本で1万人の死者が出ていると推計されている。

 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルス感染症による死者は12日に11万人を超えた。4月に入ってからは1~2日で死者が1万人増える状態が続いており、被害拡大の勢いは衰えていない。

 テドロス氏は、新型コロナウイルスは感染拡大のスピードが速い一方、沈静化には時間がかかると指摘した。移動制限などの措置は「一気に全て解除するのではなく、ゆっくり制御しながら実施しなければならない」と強調し、感染経路などが追跡できる態勢を維持した上でなければ解除しないよう、くぎを刺した。

 新型コロナウイルス感染症による死者が今月10日に10万人を超えた時点では感染者は約165万人で、約6%が亡くなった。コロナウイルスによる他の感染症である重症急性呼吸器症候群(SARS)の約10%、 中東呼吸器症候群(MERS)の約34%と比べると、決して高くはない割合となっている。

北京の受験生、授業再開=大学統一入試は7月に延期

2020年04月13日

 北京市は12日、新型コロナウイルス感染症の影響で休校となっていた中高生のうち、受験を控える高校3年は27日から、中学3年は5月11日から通常授業を再開すると発表した。他の一部の省では既に受験生の授業が始まっている。首都でも市民生活の正常化がさらに進む。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 また、北京の全国統一の大学入学試験を例年の6月から遅らせ、7月7~10日に実施すると決めた。一斉入試は例年全国で1千万人近くが参加する。他の地域は既に7月7~8日の実施が決定したが、湖北省の日程は決まっていない。北京の高校入試は7月17~19日に実施する。

 受験生の授業再開に向け、北京市外から戻った教師や生徒は2週間の隔離が必要。校内ではマスク着用や体温検査を徹底する。受験生を除く小中高生は今月13日からオンライン授業で新学期の課程が始まり、通常授業の再開は未定。大学も再開時期は決まっていない。

ソニー中国動画配信に出資=ビリビリ、430億円

2020年04月10日

 ソニーは10日、米国の子会社が中国の大手動画配信サイト「Bilibili(ビリビリ)」の発行済株式の4・98%を4億ドル(約430億円)で取得する契約を結んだと発表した。ビリビリが強みを持つ中国の若者向けのオンライン・エンターテインメント市場で、ソニーのコンテンツを浸透させるのが狙い。

 ソニーによると、ビリビリは中国の1990~2009年生まれのZ世代と呼ばれる若年層に人気で、約1億3千万人の利用者がいるという。中国市場は政府の規制があるため、現地企業と協力することでコンテンツを売り込みやすくする狙いがあるとみられる。

 ソニーは中国のエンタメ市場を戦略的重要拠点と位置付けており、アニメやモバイルゲームなどの分野でビリビリと協業の可能性を追求することでも合意したという。

武漢封鎖、国際貢献と宣伝=初動遅れの批判回避狙う 中国、経済 回復へかじ

2020年04月09日

 中国共産党・政府系メディアは8日、湖北省武漢市の封鎖解除を大々的に報じた。習近平指導部は、中国が新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大阻止のため犠牲を払って国際貢献したと宣伝し、初動の遅れへの批判をかわして、経済回復へかじを切る構えを見せた。チャイナ・ウオッチが北京・上海溌共同通信電として伝えた。

 新華社電によると、習国家主席は8日の共産党の会議で「感染防止の効果はさらに強固になった」と指摘した。

 共産党機関紙、人民日報(電子版)は8日の評論で、武漢の封鎖が70万人の感染を防いだ可能性があるとする米科学誌サイエンスの論文を紹介した。評論は武漢市民を「英雄」とたたえ「武漢での素早い措置が、他国の防疫のために貴重な時間を稼いだ」と強調している。

 半面、初動の遅れを検証せず「成功」を誇る中国の姿勢は米国などの反発を招き、国内でも責任追及の声が上がっている。

 習指導部は封鎖解除を経済回復へ向けた区切りと位置付けている。8日の共産党の会議では、あらゆる手段で企業活動の再開を促し、経済を循環させるべきだとの方針を確認した。武漢に集積する自動車や半導体産業の再開を加速させ、落ち込みが激しい中国経済を下支えする。

 ただ中国は海外からの感染者流入が続き、7日には累計千人を突破した。当局は再流行を警戒する。3月28日以降は査証(ビザ)のある外国人も入国させず、鎖国状態を続けている。4月8日からは帰国する中国人に対しても事前に健康状態を申告するよう義務付けた。

 無症状者の感染リスクも浮上している。上海市は武漢から戻った労働者はウイルス検査を終えてから職場復帰させるよう要請した。北京市と広東省深圳市は、武漢からの移動前と後の2回の検査を求める。湖北省出身者の解雇など差別的な対応も起きており、混乱も予想される。

中国最大の商談会は6月に=インターネット上で開催

2020年04月08日

 中国国務院(政府)は7日、新型コロナウイルス感染拡大を受け、4月15日からの予定を延期した広東省広州市での中国最大の貿易商談会「広州交易会」を、6月中旬から下旬にかけてインターネット上で開催することを決めた。チャイナ・ウオッチが中国メディアの報道を引用した香港発共同通信電として伝えた。

 先進的なITにより物品の展示や商談をネット上で行えるようにするという。

 昨秋に開かれた前回の交易会には2万5千社以上が参加し、世界各国から加工機械や家電、自動車部品などを目当てにバイヤーが訪れていた。

都市部の道路・軌道交通を全面再開=交通運輸省

2020年04月07日

 中国の31の省・自治区・直轄市(1級行政区)と新疆生産建設兵団のすべての地区以上の都市と県級市はこのほど道路交通システムの運行を全面的に再開した。軌道交通システムが走っている41都市はすでに軌道交通システムの運行を全面的に再開している。交通運輸省が同日明らかにした。チャイナ・ウオッチが北京発新華社の報道を引用した中国通信=共同通信電として伝えた。

 同省の責任者は次のように述べた。企業の業務・生産再開、経済と社会の安定運営を力強く支えるため、交通運輸省は最近、複数回にわたり通知を出し、各地の交通運輸主管部門が現地の新型コロナウイルス肺炎対策メカニズムの指導のもと、所轄地区内の低リスク、中リスク、高リスク県(市、区、旗)名簿に基づいて地区別・等級別管理の要求を実行に移し、旅客の道路輸送、都市部の公共交通システム(軌道交通システムを含む)、タクシー(配車サービスを含む)などの輸送サービスを再開するよう指示した。感染拡大期間中運行を停止していたすべての道路交通システムと軌道交通システムは4月3日までに運行を再開した。

アジア投資銀が基金設立=新型コロナで5400億円

2020年04月06日

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は3日、新型コロナウイルスによる経済悪化に対応するため、50億ドル(約5400億円)規模の基金を設立すると発表した。加盟する国・地域の公衆衛生に関わるインフラへの投資や、影響が深刻な製造業への融資を行う。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝ええた。

 今後1年半にわたり、加盟国・地域の要請に応じる。状況により規模拡大も検討するという。

トヨタと中国EVが新会社=5月に事業開始

2020年04月03日

 トヨタ自動車と中国の大手電気自動車(EV)メーカー「比亜迪(BYD)」は2日、EVを研究、開発する合弁会社を中国に設立したと発表した。5月から事業を始める。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 中国の新車市場は新型コロナウイルスの影響で低迷しているが、中国政府はEV普及をてこ入れするため購入補助金の2年延長を決定しており、競争は激化しそうだ。

 新会社は「BYDトヨタEVテクノロジー」(広東省深圳市)。両社の折半出資で、従業員は約300人。

 BYDは3月末に新型の車載用リチウムイオン電池を発表し、まず同社のEV新モデルに搭載すると表明。EV市場で攻勢を強めている。

5G建設加速、波及効果も=ばらまき政策に警戒感

2020年04月02日

 中国は新型コロナウイルスによる景気減速を受け、第5世代(5G)移動通信システムを活用した「新たなインフラ建設」を加速している。交通や都市建設の投資が活性化すれば世界経済に波及効果もありそうだ。ただ、リーマン・ショック時の「ばらまき」政策の後遺症は今も尾を引き、専門家は警戒する。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

投資急げ

 中国国家統計局によると、今年1~2月の工場や不動産に対する投資は前年同期比24・5%減だった。初のマイナス成長に転落した。

 李克強首相は3月17日、各地で「大型の投資プロジェクトの再開を急げ」と指示。地方政府に地方債発行の拡大も促した。既に1~2月の地方債の発行額は前年同期比56%増に達したという。

 狙いはハイテクによる新たな「成長エンジン」(国営通信の新華社)の模索だ。中国共産党は高速大容量の5Gを生かしたインフラ建設に力を入れる方針を打ち出した。次世代の都市交通や電気自動車の普及、人工知能(AI)の研究強化、データセンター建設など幅広い分野が対象だ。

かつての道

 中国の5G建設に関わるインフラ投資額は、2025年までに1兆2千億元(約18兆円)に上る見込み。関連産業での投資は3兆5千億元になるという。新型コロナ感染拡大の防止策で人の移動が制限され、インターネットでの買い物や教育の「在宅経済」は存在感を増している。

 中国は08年のリーマン・ショック後、景気刺激策として4兆元の財政出動を実施。金融危機で弱った世界経済を救った実績がある。

 だが新華社は「かつて来た道は避けよ」と警鐘も鳴らす。巨額投資は生産設備の過剰や地方政府の債務膨張を招き、売れなくなった建物が取り残され「鬼城(ゴーストタウン)」が出現した。

 中国メディアによると、北京大の研究者、黄斌氏は「強い成長目標に縛られれば"4兆元"の再来は免れない」と懸念する。黄氏は「景気刺激のためでなく、発展のために財政出動するべきだ」と述べ、医療や教育、文化といった「(中国に)不足している公共サービス部門」の強化に集中する必要性を提言した。

中国、中小企業支援を強化=EVの補助金延長も

2020年04月01日

 中国政府は31日の会議で、新型コロナウイルスの影響で急減速する経済を下支えするため、中小企業への融資を増やすことを決めた。販売が低迷する電気自動車(EV)など「新エネルギー車」への購入補助金の延長も決定した。チャイナ・ウオッチが、国営中央テレビの報道を引用した北京発共同通信電として伝えた。

 世界的な感染拡大を踏まえ、会議では「財政、金融政策を強化し、内需を拡大する」ことを打ち出した。

 中国人民銀行(中央銀行)は、既に一部の金融機関の預金準備率を引き下げ、お金を貸し出す余力を増やすことで市場に5500億元(約8兆円)の資金を供給する決定をしている。今回の方針を受け、今後も準備率引き下げを続け、金融緩和をさらに進める方針だ。中小企業に対する貸付枠も増強する。

 新エネ車の補助金は今年打ち切るとの観測が出ていたが、2年延長することになった。昨年に補助金が削減されたことで新車販売にブレーキがかかったところに、新型コロナが直撃しており、危機感を強めた。

 中国は2020年に貧困をなくす国家目標を掲げており、会議は「収入減などの困難に見舞われた大衆への支援を強化する」とした。