アジアの新型コロナの状況・対策 SSPメンバーより
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【20-06】新型コロナウイルス:フィリピンの状況

2020年5月01日 さくらサイエンスプラン(SSP)同窓生

科学技術振興機構(JST)中国総合研究・さくらサイエンスセンター(CRSC)では、2014年度より日本・アジア青少年サイエンス交流事業「さくらサイエンスプラン(SSP)」を実施し、科学技術交流を通じてわが国とアジアを中心とした各国・地域との連携・協力関係を深めてまいりました。各種報道の通り、現在、世界中で新型コロナウイルス感染症の流行が拡大しておりますが、本コーナーでは「さくらサイエンスプラン」に参加している各国・地域の関係機関・関係者より現地の新型コロナウイルス感染症について、その状況や対策等をリポートします。

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)によって引き起こされる新型コロナウイルス感染症は、中国湖北省武漢市から広がったヒトの感染性の高い呼吸器疾患である。本ウイルスはコウモリ由来と言われており、2020年3月11日に世界保健機関(WHO)によりパンデミックとみなされると発表され、200か国で170万人が感染している。

 フィリピンでは、2020年1月30日に初めて新型コロナウイルスの感染例が確認された。1月21日に武漢から入国した38歳の中国人女性患者が軽い咳で受診し、陽性反応を示した (1)。フィリピン政府は確認の翌日、中国湖北省からの渡航を禁止し(2)、2020年2月2日に禁止範囲を中国本土、香港、マカオに拡大した(3)

 最初の新型コロナウイルスによる死亡例は2月2日に報告された。武漢への渡航歴がある44歳の中国人男性で、1月21日にフィリピンに到着した。発熱、咳および咽頭痛のためマニラの病院に入院し、2月1日 に早すぎる死を迎えた(4)

 3月7日、保健省(DOH)は初めて国内での感染例を確認した。患者は62歳男性で、フィリピンで5例目の新型コロナウイルス陽性症例であり、最近の海外渡航歴はなかった。このため、保健省は新型コロナウイルスの警戒レベルをコード・レッド・サブレベル 1 (6,7)に引き上げた。これは、フィリピン国内で感染が起きていることを意味している。3月8日には、フィリピン政府は公衆衛生上の緊急事態を宣言した(8)。この宣言により、国内での病気の蔓延を抑制するための財源へのアクセスが容易となり、必要な医薬品の調達がより迅速になった (9)

 フィリピン政府は、特にマニラ首都圏での症例が増加していることから、新型コロナウイルスの警戒レベルを「政府が対処できる範囲を超えたコミュニティ感染と有症率の証拠がある場合」に引き上げられるコード・レッド・サブレベル 2(最高レベル)とし、 (10)、3月15日から4月14日までマニラ首都圏において「強化されたコミュニティ隔離」措置をとると宣言した (11)

 コミュニティ隔離のガイドラインの下では政府内の業務は停止するが、必要不可欠なサービスを継続する必要のある政府機関には基幹要員が割り当てられ、すべての保健および法執行機関はその職務を継続しなければならない。民間部門は、従業員のために柔軟な勤務形態を採用するよう奨励された。マニラ首都圏への国内陸路、空路、海路の移動は制限された。学校の休校措置については地方自治体の判断に委ねられた。新型コロナウイルスの症例が確認された国からの外国人の入国は禁止された (11)

 3月12日には、コミュニティ隔離が3月15日から実施されることが発表されたため、マニラ首都圏から各地方への人の流出が発生した (12)。3月15日に検疫が開始されると、そのガイドラインに混乱が生じることとなった。民間企業の従業員は依然として会社へ出勤しており、多くの人がマニラ首都圏外の州に居住していることから、雇用証明を提示した場合に限りマニラ首都圏へ出入りすることが許可された (13)

 ショッピングセンター、大部分の飲食店、教会、その他の宗教的サービスやレジャー施設は閉鎖され、営業を許可されたのは、雑貨店、薬局、銀行、一部の飲食店に限られた (14)

 3月16日、政府は半年間の全国的な災害状態を宣言し、緊急対策基金や災害基金の使用を可能にした (15)。また、強化されたコミュニティ隔離措置をルソン島全体に拡大した (16)

 新しい覚書のガイドラインには、学校活動の停止、集会の禁止、厳格な自宅検疫の実施、法執行と保健サービスを除く行政機関による在宅での勤務、4月14日までの陸路、空路、海路による移動の制限などが含まれている。

 3月25日、共和国法第11469号「バヤニハン・トゥ・ヒール・アズ・ワン(団結して治癒する共同作業)」が施行され、新型コロナウイルスの感染拡大を管理する大統領および行政部門に特別な権限が与えられた。同法の新たな特別条項には、2か月間低所得世帯を対象とした、ひと月当たり5,000フィリピンペソ(約100ドル)から8,000フィリピンペソ(約160ドル)の補助金の支給、医療従事者への追加危険手当と特別補償の支給および公共の利益のため政府により必要とされた民間の施設や企業の活用などがある (17)

 4月7日には、行政部からの覚書に基づき、強化されたコミュニティ隔離措置を2020年4月30日まで延長した (18)

 4月15日現在、フィリピンではRT‐PCR法により5,223例が確認されており、うち入院中3,151例、死亡335例、回復295例、DOHによる検証中1,442例となっている (19)

 現在、強制的な隔離措置が厳しく実施されており、ほとんどの地域では、家族に1枚の検疫パスが与えられている。この検疫パスは、必要な品を購入するため外出する際、家族の一人だけが使用できる。スーパーマーケット、生鮮品市場、薬局、一部の食料品店は、人と人とが物理的に1メートルの距離を保つソーシャルディスタンスの確保、マスクの着用の義務化、入店時の手指の消毒、体温測定などの厳しい検疫措置がある中でも営業を継続している。一部の自治体では、大きな市場に人が集まるのを防ぐため、特定の地域にトラックを走らせて商品を販売する「マーケット・オン・ホイール」を開始している。

 また、低所得者層には、外出を控えるために缶詰や米などの救援物資を配布している。さらに、非正規、契約労働者や公共交通機関で働くようなノーワーク・ノーペイの労働者には、政府からの補助金が支給される。

 隔離措置が始まった最初の数週間は、医療従事者のような基幹要員は長距離を歩いて通勤していたが、政府はその後、これらの職員のため移動用車両を提供した。また、いくつかの公共団体や民間団体は、医療従事者や現場で働く人々に一時的な宿泊施設や食料を提供している。いくつかの有料道路では料金徴収を一時的に停止し、ガソリンスタンドでは無料でガソリンを提供した。

 政府からの支援要請が高まる中、フィリピンの大企業は、医療機器や検査キットのための現金や現物寄付を含めて約60億ペソ(1億2,000万ドル)を寄付している。

 国際線は、足止めされた外国人を本国に送還したり、海外のフィリピン人労働者を受け入れるために一部運航されている。国内線については、特に外国人を送還するために必要に応じて運航を許可されている。

 政府はまた、病院の収容能力を補うため、政府や民間の建物、さらには船舶について新型コロナウイルスの検疫・治療施設への転用を開始した。

 自治体によって隔離のルールが異なるため、食料などの必要物資が不足することが予想されていた。そこで政府は、検疫所を通過した物品の移動を妨げないよう義務付けるガイドラインを発表した。

 政府は、集会やウイルスの拡散を阻止するため、国民に自宅待機を義務付けるとともに必要物資を提供している。今後、新型コロナウイルスの大量検査を行い、隔離が解除されるまでの間、基本的な物資やサービスの提供を継続していくことになっている。

 このアウトブレイクにより、フィリピンの一般国民は、患者の「疑い例、可能性例、確認例」の区分、検査の重要性、確認検査とスクリーニング検査の違いなど、基本的な疫学を学び始めた。現在、基本的な衛生管理は国民の間で厳しく実践され、習慣化されている。消毒手順の義務化などのバイオセキュリティ対策は、事業所や一部の家庭など全国的に実施されるようになってきた。これは、畜産農場の厳格なバイオセキュリティプロトコルに対する国民の評価が高まっていることを意味していると考えられる。

 医療従事者だけでなく、ゴミ収集員、警備員、配達員、食料品店や薬局の従業員などの現場で働く人々に対する感謝の声が聞かれるようになり、彼らへ尊敬の念が生まれている。地元の農家や漁師、地元で生産された商品への感謝と支援の輪も広がり、隔離が解除された後、彼らへの支援を増やすよう提唱している人もいる。

 また、在宅勤務の解決策として、オンライン会議などの技術的手段も広く活用されている。

 個人的にも、隔離措置によって日常生活に大きな変化があった。私は政府職員として、現場で、あるいは在宅勤務を利用してサービスを提供し続けている。現在、我々の機関では必要不可欠なサービスのみ行っている。良い点としては、最近では交通量が非常に少ないため、毎日の通勤時間が短縮された。在宅勤務が可能になったことで、執筆や書類の準備などができるようになった。また、家族や友人との時間をたっぷりと過ごすこともできた。

 マスクと消毒用アルコールは、私の日常生活には欠かせないものとなった。外に出て人と接するときには必ず手洗いをするようにし、帰宅前には服や持ち物に消毒液をスプレーしている。

 私の個人的な意見としては、この流行は近い将来には解決しないだろうと考えており、人々の生活習慣や行動を変えることが必要である。4月30日の隔離解除までには、感染拡大防対策を維持しながら、経済や交通は徐々に開放されていくであろう。

 今後も人口は増加し続け、集団発生のリスクが高まることから、政府、金融、企業、医療部門がこの状況を教訓にして、将来的に法整備や予防策を策定することが望まれる。また、今回の集団感染が最後の発生とは限らず、今回学んだ教訓が国民に定着することを願っている。(2020年4月14日)


※本稿はさくらサイエンスプラン同窓生からの寄稿文を中国総合研究・さくらサイエンスセンターが日本語訳したものである。


●英文オリジナル

COVID-19: Philippine Situation

Coronavirus Disease - 19 (COVID-19), caused by the virus severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2), is a highly contagious respiratory disease of man that have originated fromCity of Wuhan, Hubei Province, China. It has been said that the disease have originated in bats. Thedisease has been characterized as a pandemic by the World Health Organization (WHO) on March 11, 2020, infecting more than 200 countries and 1.7M people globally. 

The Philippines has encountered its first COVID-19 infection on January 30, 2020. A 38-year-old female Chinese patient that came from Wuhan and arriving in the country last January 21, 2020 tested positive for the disease after seeking consultation for mild cough (1). A day after confirmation, the Philippine government has imposed travel ban from people coming from Hubei Province, China, (2) and widened this ban on February 2, 2020 to include Mainland China, Hong Kong and Macau (3).

The first COVID-19 related death was reported on February 2, 2020. It was a 44-year-old male Chinese patient who also had a travel history from Wuhan, China and arrived on January 21, 2020 in the Philippines. He was admitted in a hospital in Manila due to fever, cough and sore throat until his untimely death on February 1, 2020(4).

On March 7, 2020, the Department of Health (DOH) has confirmed the first case of local transmission in the country. The patient, a 62 year old male and the 5 th COVID-19 positive case in the Philippines, has no recent travels abroad. Due to this, the DOH has raised the COVID-19 alert system to Code Red sublevel 1 (6,7) meaning that there is evidence of local transmission in the country, and subsequently, on March 8, 2020, the Philippine Government declared a state of Public Health Emergency (8). The declaration would facilitate easier access to financial resources to control the spread of the disease in the country and faster

procurement of needed medical supplies (9).

In lieu of the increasing cases especially in Metro Manila, the Philippine Government has declared COVID-19 alert system to Code Red Sublevel 2, which is raised 'when there is evidence of community transmission and prevalence of cases beyond what the government can address' (10), and has declared an 'enhanced community quarantine' of Metro Manila starting on March 15, 2020 until April 14, 2020 (11).

Under the guidelines of the community quarantine, work in the government shall be suspended, with assigned skeletal workforce or frontliners that shall continue essential services of government agencies, and all health and law enforcement shall continue their duties. The private sector was encouraged to adapt flexible work arrangements for their employees. Domestic land, air and sea travel to and from Metro Manila was restricted. Suspensions of classes are left to the discretion of the Local Government Units. Foreigners from countries with localized COVID-19 transmission are prohibited to enter the

country (11).

The imposition of community quarantine starting March 15, 2020 was announced on March 12, 2020, resulting in the exodus of people from Metro Manila to their respective provinces (12). With the start of the quarantine on March 15, there was confusion on its guidelines. Private sector employees were still reporting for duty, and given many have their homes in provinces outside Metro Manila, they were allowed to enter and exit Metro Manila as long as they present proof of employment (13).

Shopping centers, most restaurants, churches and other religious services and leisure activities were ordered closed. Only grocery stores, pharmacies, banks, and some restaurants were allowed to continue operation (14).

On March 16, 2020, the government has declared a state of calamity for the whole country for a period of six months, allowing the use of Quick Response Fund or the calamity fund (15). The government has also widened the enhanced community quarantine to include the whole island of Luzon (16).

Novel guidelines in the new memorandum include suspension of school activities, prohibition of mass gatherings, imposition of strict home quarantine, adoption of work from home arrangement by the executive government branch except for law enforcement and health services, and restriction of land, air and sea travel until April 14, 2020.

On March 25, 2020, the Republic Act No. 11469, or the Bayanihan to Heal as One Act, was enacted into law, granting special powers to the President and Executive department in the control of the COVID-19 outbreak. Among the new special provisions of the law are: a subsidy of Php5,000 (approx. USD 100) to Php8,000 (approx. USD 160) to low income households per month for 2 months; additional hazard pay and special compensations to health workers; and utility of private establishments and enterprises by the

government when required in the interest of the public (17).

Last April 7, 2020, the enhanced community quarantine was extended until April 30, 2020 as per memorandum from the Executive Department (18).

As of April 15, 2020, the Philippines have 5,223 confirmed cases based on RT-PCR. 3,151 are currently admitted to hospitals, 335 have died, 295 have recovered, and 1,442 is currently being validated by the DOH (19).

As of today, mandatory quarantine measures are strictly being implemented. In most areas, families are given one quarantine pass. This quarantine pass can be used by only one member of the family in order to leave their homes and purchase necessary goods. Supermarkets, wet markets, pharmacies, and select food establishments continue to operate albeit with strict quarantine measures such as social (physical) distancing of 1 meter from person to person, mandatory wearing of masks, disinfection of hands upon entering establishments, and checking of temperature. Some local government units started 'market-on-wheels', wherein trucks goes to certain areas to sell goods to prevent people to congregate in large markets.

In cases of low income families and to prevent people leaving their homes, local government units also

distributes relief goods consisting of canned goods and rice. Informal / Contractual workers or those with

no-work no-pay work arrangements such as public transportation workers will also be receiving

monetary subsidy from the government.

The first weeks of the quarantine were marred with skeletal personnel such as health workers walking long distances to be able to report for work. The government has then provided vehicles for transportation of these personnel. Some public and private entities have also offered temporary accommodation and donated food to health workers and front liners. Some toll ways have also temporarily stopped collection of fees and gas stations provided free fuel for front liners.

Amidst the call of government for help, big businesses in the Philippines have already donated approximately Php 6 Billion (USD 120 Million) that includes cash and in kind donations for medical equipment and test kits.

There are still selected international flights available to either repatriate stranded foreigners or to receive overseas Filipino workers. Domestic flights are allowed on per need basis, especially to repatriate stranded foreigners.

The government has also started converting government and private buildings and even shipping vessels into COVID-19 quarantine and treatment facilities to supplement the capacity of hospitals.

Shortage of necessary goods such as food was foreseen because of conflicting quarantine rules in each province, city or municipality. The government then issued guidelines that mandate unhampered movement of goods through quarantine checkpoints.

The Philippines government mandates that people stay at home and that their basic needs be provided in order to prevent congregation of people and the spread of the virus. Future actions of the government involve the mass testing of people for COVID 19, and the continued provision of basic goods and services until the lifting of quarantine.

Due to this outbreak, the common Filipino people started to learn basic epidemiology of diseases, such as the assignment of 'Suspect, Probable and Confirmed' to patients, the importance of testing and knowing the difference in confirmatory and screening tests. Basic hygiene is now being strictly practiced and internalized by the people. Biosecurity measures like mandatory disinfection procedures are now being practiced nationwide, such as in entry to establishments and even in some households. This may result in the increased appreciation of the people in the strict biosecurity protocols of animal farms.

The people has also started to appreciate not only medical personnel but also other front liners such as garbage collectors, security guards, delivery workers, grocery and pharmacy workers, among others, more due to this outbreak, many revering them as heroes in this situation. Appreciation and support of local farmers and fisherfolks and locally produced goods have also risen, with some advocating for increased support for them after the quarantine has been lifted.

Also, online meetings and other technological means as a solution for work from home arrangements has also been extensively used.

Personally, the quarantine measures changed my personal life and my daily routine drastically. I have continued rendering service as a government official, having availed frontline service and work from home arrangements. The services of our agency have been very limited and we have only done essential services as of the current situation. As a silver lining, my daily commute has been very quick lately as traffic was almost nonexistent. With the availability of work from home arrangements, I have been able to catch up with tasks and commitments such as writing and preparations of documents. I was able also to be able to spend plenty of time with family and friends.

Masks and alcohol have been very essential in my daily routine. I have also started mandatory hand washing every time I go outside and interact with other people. Prior to coming home, I practice spraying of disinfectant in my clothes and my things.

My personal opinion is that this outbreak will not be resolved in the near future, and that there would be changes needed in the routine and behavior of the populace. By April 30, 2020 on the lifting of the quarantine, the economy and transportation will gradually be opened albeit with maintained measures on the prevention of disease spread.

Hopefully, the government, financial, business, and health sectors learn from this situation and craft laws and preparedness plans in the future since the population will continue to increase and the risks of outbreaks in the future is more likely to occur. Also, hopefully, lessons learned in this outbreak are entrenched in the populace as this will not be the last outbreak the Philippines will experience.

References

1. https://www.doh.gov.ph/doh-press-release/doh-confirms-first-2019-nCoV-case-in-the-country

2. https://cnnphilippines.com/news/2020/1/31/Philippines-novel-coronavirus-China-travel-ban.html

3. https://cnnphilippines.com/news/2020/2/2/Duterte-travel-ban-mainland-China-Hong-Kong-Macau.html

4. https://www.doh.gov.ph/press-release/DOH-reveals-more-negative-2019-nCoV-cases-confirms-first-nCoV-ARD-death-in-PH

5. https://www.gmanetwork.com/news/news/nation/727430/philippines-suspends-travel-to-south-korea-due-to-covid-19/story/

6. https://www.doh.gov.ph/doh-press-release/doh-confirms-local-transmission-of-covid-19-in-ph

7. https://www.doh.gov.ph/doh-press-release/DOH-CONFIRMS-TWO%20MORE-CASES-OF-COVID-19-IN-PH

8. https://www.officialgazette.gov.ph/downloads/2020/02feb/20200308-PROC-922-RRD-1.pdf

9. https://cnnphilippines.com/news/2020/3/8/Philippines-public-health-emergency.html?fbclid=IwAR00tIW4i97pMMPI-enPjEI9q0GGZxRNy4NicKnO8-d3Wz8NQ49-7radr9U

10. https://newsinfo.inquirer.net/1240935/breaking-philippines-upgrades-covid-19-alert-to-code-red-sublevel-2

11. https://pcoo.gov.ph/OPS-content/on-code-red-sublevel-2/

12. https://news.mb.com.ph/2020/03/13/people-join-early-exodus-to-provinces-or-back-to-manila-before-lockdown-starts/

13. https://www.rappler.com/nation/254565-metro-manila-lockdown-implementation-checkpoints-march-15-2020

14. https://asia.nikkei.com/Spotlight/Coronavirus/Manila-lockdown-cripples-businesses-big-and-small

15. https://www.officialgazette.gov.ph/downloads/2020/03mar/20200316-PROC-929-RRD.pdf

16. https://www.officialgazette.gov.ph/downloads/2020/03mar/20200316-MEMORANDUM-FROM-ES-RRD.pdf

17. http://www.senate.gov.ph/Bayanihan-to-Heal-as-One-Act-RA-11469.pdf

18. https://www.officialgazette.gov.ph/downloads/2020/04apr/20200407-MEMORANDUM-FROM-ES-RRD.pdf

19. https://www.doh.gov.ph/covid19tracker?fbclid=IwAR0F6Eq8D4lYmrCJryV58W1Y4IQN3bbOKNxeXAc2_QRk9BUJLPUtEhvTVgg

20. https://www.who.int/westernpacific/emergencies/covid-19