アジアの新型コロナの状況・対策 SSPメンバーより
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【20-35】新型コロナウイルスを振り返って(韓国)

2020年6月23日 Choe Seongjun(韓国・国立忠北大学、さくらサイエンスプラン(SSP)同窓生)

科学技術振興機構(JST)中国総合研究・さくらサイエンスセンター(CRSC)では、2014年度より日本・アジア青少年サイエンス交流事業「さくらサイエンスプラン(SSP)」を実施し、科学技術交流を通じてわが国とアジアを中心とした各国・地域との連携・協力関係を深めてまいりました。各種報道の通り、現在、世界中で新型コロナウイルス感染症の流行が拡大しておりますが、本コーナーでは「さくらサイエンスプラン」に参加している各国・地域の関係機関・関係者より現地の新型コロナウイルス感染症について、その状況や対策等をリポートします。

 本稿執筆時点(2020年5月20日)で、韓国における最初の新型コロナウイルス患者が確認されてから4ヶ月経ちました。ここでは、一市民として見守ってきた韓国での新型コロナウイルスの発生と対応についてお話ししたいと思います。

嵐の前の静けさ

 2020年1月、私はありふれたごく一般的な日々を過ごしていました。妻と海外旅行に行く予定で、近日中に提出する原稿に掲載されているデータの修正をしていました。海外のニュースで聞いた「謎の病」は、他の国で起こっていることで、どこか他人事のように思っていました。中国に滞在している叔母夫婦のことは心配していましたが、他の病と同じように、一部の地域で拡散して終息していくものかと思いました。少なくともその時はそう思っていました。状況を楽観的に見ていた私とは違い、韓国政府や専門家は真剣に状況を見て、迫りくる緊急事態のため、万全の準備をしていたようです。実際、彼らはかなり前からこの緊急事態に備えていたそうです。

 2019年12月17日、韓国疾病管理予防センター(KCDC)は、中国発の未知の肺炎に感染した家族が我が国に入国したと想定し、対策訓練を実施しました。この時点でKCDCはすでに検出技術と疫学対策の試験運用を行っています[1]。そして、約1ヶ月後に韓国で初めて新型コロナウイルスの陽性患者が確認されたときには、この事前準備が役に立ちました。新たに出現したウイルスに対するKCDCの対応は一朝一夕によるものではなかったのです。

 2015年、韓国は中東呼吸器症候群(MERS)の影響で大変な時期を過ごしました。ウイルスが終息するまで、186人が陽性と検出され、そのうち39人が死亡しました[2]。サウジアラビアでの症例数を除けば、全世界で最も感染者数と死亡者数が多く、この時の疾患管理は明らかに大失敗でした。この教訓を生かし、失敗を繰り返さないために、韓国政府は同様のウイルスの発生に備えて着々と準備を進めてきました[3]

 中国での陽性患者が急増した時期には、KCDCは新型コロナウイルスの症状や発生地域などの情報に基づいた対策を確立し、中国から提供されたウイルスの塩基配列に基づいた検出キットの開発に着手していました。新型コロナウイルスのパンデミックを考慮する上で非常に適切な対策ではありましたが、現時点では対策が少し過剰であるとの指摘があります[4]。新型コロナウイルスが流行した初期には、中国は自国で生産しているマスクの量では、到底国内の需要を満たすことはできないという噂がありました。卑劣で不謹慎な人々は、マスクを備蓄したり、買いだめしたり、中国の会社とコンタクトしてマスクを手に入れようとしました。彼らは入手したマスクを他国に再輸出し、そのことが韓国で新型コロナウイルスが流行した初期にマスクの在庫不足につながりました。当時、人々の間では「マスクコイン」という言葉が頻繁に使われていましたが、これはビットコインなどの仮想通貨に由来するものでした。

ウイルスの拡散の始まり

 2020年1月20日、韓国で1人目の陽性例が確認されました。患者は中国・武漢市出身の35歳の女性で、その4日後(1月24日)には2人目の陽性患者が確認されました。いずれも海外からの流入症例であり、国内での感染は確認されていませんでしたが、韓国社会に不安を与えるには十分でした。マスクを手に入れようとする人々が増え、マスクをして外出する人も増えました。陽性例は時間の経過とともに次第と増えていきました。症例はすべて中国からの流入症例で、中には症状がありながら街を出歩く人もいたと言います。この時点で中韓間の航空便は減少傾向にあり、中国にいる韓国人の多くはすでに帰国し始めました。検出されない新型コロナウイルス陽性者との接触や、中国からの来訪者もあり、社会ではさらに不安が高まりました。1月30日には陽性者が6人に増えました。特に、そのうちの1人は3人目の陽性患者との接触による感染例であり、韓国での二次感染が初めて発生したことを意味していました[5]。不幸中の幸いとして、(新型コロナウイルスの)検査機器の開発はすでに成功しており、間もなく緊急使用許可制度により、使用が許可されることになりました。また、KCDCから陽性患者の移動ルートの情報が提供され、疫学調査を経て、接触者のほぼ全員が隔離され、新型コロナウイルスの検査が行われました。

 新型コロナウイルスの初期対応は、とても積極的かつ有効でした。KCDCは可能な限り多くの検査を行い、陽性患者を1人も見逃さないようにしました。疑似例や陽性患者と接触した人もすべて検査しました。結果として、陽性患者の数は着実に増加していきました。また、在外韓国人の安全政策も継続的に実施され、各国に駐在するKOICA(韓国国際協力機構)の職員を含めた海外に在住する韓国人は全て帰国しました。[6]

 チャーター便を通じて、中国で孤立する韓国人の帰国活動にも力を入れました。一部の韓国人は海外に滞在する韓国人の帰国を懸念し、隔離施設周辺の市民の中には政府に抗議する者もいました。しかし、これらの動きはすぐに薄れていきました。帰国した韓国人の中には、陽性確認された人もいましたが、これらの患者も徹底的な衛生管理のもと、二次感染が起こることはありませんでした。韓国では、新型コロナウイルスの管理がとても行き届いているように思われました。

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2020年5月18日時点の韓国におけるCOVID-19感染状況
(参照:ncov.mohw.go.kr/

感染爆発

 2020年2月18日に新たに1人の陽性患者が確認され、韓国での陽性患者は31人に上りました[7]。新たな問題として、これらの患者には海外渡航歴はなく、他の陽性患者とも接触した経歴がなかったことです。また、(新たな患者は)行動範囲も広く、不特定多数の人々と接触したことが明らかになりました。患者はこの期間中に礼拝所も訪れていたこともあり、後に「新天地」という宗教団体に所属していたことも明らかになりました。この日から韓国での新型コロナウイルスの感染パターンは一変しました。31人目の患者に関連した陽性患者が爆発的に増え始め、わずか1週間で800人を超えました[8]

 新型コロナウイルスが感染拡大する中、宗教団体である「新天地」は特別視されました。新天地は韓国の主流のキリスト教グループから異端の宗教団体とみなされており、それが彼らを対外的には目立たないようにし、主に陰で活動することとなりました。彼らは密かに信者を募って教育し、集会所では俗にいう三密の条件が成り立っていました。彼らの密かな活動は疫学調査でも問題視されており、接触者の特定と追跡は困難でした。大邱市の新天地教会が感染の震源地と特定され、その結果、大邱市に住む人々に新型コロナウイルスが拡散しました。新天地に関連した感染は全て検出され、3月20日には新天地に直接関連した患者数は5,028人を記録しました[9]。当時、韓国で検出された陽性患者全体の58.7%を占めており、新天地問題以前の2月18日時点では、新たな陽性患者は1ヶ月間で約50人しか確認されていませんでした。

 新天地問題以前は、韓国政府の対策はかなり成功していたように見えました。少数の患者が陰圧室で隔離され、一人の死亡者も出ずに適切な治療が行われていました。しかし、新天地問題により全てが変わりました。2月20日、新型コロナウイルスによる最初の死者が出ました。死亡したのは、入院中に感染したハイリスクグループの高齢患者で、その後、患者数、高齢者数の増加に伴い、医療スタッフに過重な負担がかかるようになりました。ソーシャルディスタンスが実施され、学校の再開も先延ばしになりました。大学ではオンライン講義を開始し、かろうじて教育活動を続けられています。

 また、マスクの供給は深刻化し、スムーズにはいきません。多くの人はマスクなどの感染防止グッズを手に入れたいと考えていますが、すべての人が手に入れることはできません。韓国政府はマスクの生産を政府の管理下に置き、パブリックマスクを配布し始めました。(消費者の)誕生日に合わせて5日ローテーション制のマスク購入システムを導入し、多くの人が集中して同じ日にマスクを買うことができないようにしました。また、マスクやその他の個人用防護用品の輸出も厳しく制限されました。KCDCは、新型コロナウイルスの状況が落ち着くまでの間、マスクの効率的かつ効果的な配布のため努力を惜しみませんでした[10]

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マスクを着用してレストランへの入店を待つ客

火の勢いが弱まる

 陽性患者の爆発的な増加にもかかわらず、韓国政府とKCDCの努力には目を見張るものがありました。彼らは新型コロナウイルスのかけらをすべて追いかけるように、疑われるすべての疑似症例の検出を行い、ついに感染伝播の尻尾を捕らえました。政府と世論の圧力の下、ついに新天地も関係者の個人情報を提供して調査に協力することに合意しました。2020年3月初旬には、新天地関係者の99%を対象とした検査に成功しました[11]。陽性患者は増加し、新型コロナウイルスは依然として地域で感染拡大していきましたが、新たに確認された陽性者数は日に日に減少していきました。新天地問題から2ヶ月後の4月20日には、新規陽性患者数は10人以下にまで減少しました。

 韓国で新型コロナウイルスの管理が成功したことには、さまざまな要因が考えられます。陽性者を発見するための恒常的な検査がさらなる感染を防ぐために地道に行われていて、数千人から1万人まで毎日継続的に検査されています。検査の効率を上げるために、新たな診断技術も開発されてきましたが、特に代表となるのがドライブスルー方式です。この方法は主に大邱七谷病院に、2月23日に導入されたもので、医療スタッフと疑われる患者との接触を最小限にして、感染のリスクを減らし、検査のスピードを上げるという利点があります[12-13]

 また、一日中衛生保護具を着用している医療スタッフや、定期的に保護用品を交換する必要がある医療スタッフに配慮して、ウォークスルー保護具を導入しました。3月15日から導入されたこの方法は、車のない人にも適用でき、医療スタッフと疑似感染者を分離することで、より安全かつ効率的に検査を行うことが可能となりました。システム化された検査方法は、効率的に検査を行うことができ、検査時間を短縮することもできます[14]

 上記以外にも、公衆衛生が十分に整備されていることも重要な要素の一つです。新型コロナウイルスの検査料金はほとんど韓国政府がカバーしました。検査結果が陽性であれば検査料は無料であり、医師が検査を受けるように勧めた場合や新型コロナウイルスの疑いがある患者に分類された場合も検査料は無料となります。また、陽性となったケースでも、医療保険制度の活用により、治療費が非常に安くなっています。例えば、新型コロナウイルスで19日間の院内治療で回復した患者の請求書が公開されていましたが、請求書費用9,709,900ウォンのうち、患者が負担した費用はわずか44,150ウォンでした[15]。隔離状態にある人たちには、食料や飲料、ストレス解消のための本、塗り絵など多くの物資が提供されました。

 国民の協力も新型コロナウイルスの抑制に大いに役立ちました。ソーシャルディスタンスが人々の心の中に文化のように定着し、街中でマスクをしていない人を見つけること自体が困難となりました。個人情報の公開に関連した領域では否定的な意見もありましたが、国民の多くは個人情報よりも社会安全を優先していることを認識しており、多くの国民が協力しました[16]。インターネットの発展に基づき、国民は感染情報の伝達・交換を効率的に行いました。ネット上では、症状があるのにマスクをしなかったり、自己隔離のガイドラインに従わなかったりする多くの人たちが批判されました。人々は自己管理をしっかりと行い、隣人と協力して感染の原因にならないように協力してきました。また、5日ローテーション制のマスクシステムの導入により、医療用保護用品が人々に供給され、4月中旬には保護用品が需要以上供給されるようになりました。

終わらない戦い

 当初、韓国政府の常套手段で状況を打開する主な措置は、多くの懸念を生み出しました。陽性患者との接触やその痕跡、疑われる症状、関連するすべての対象者を検査し、それらは時には積極的すぎると見なされることもありました。この措置は、韓国の陽性者数の増加につながり、一時は中国を除く世界各国よりも陽性者数が多くなったこともあり、韓国からの渡航を制限する国も出てきました。結果として、この措置は我が国の外交・経済ダメージにつながると考えられていましたが、目の前の利益で措置を選ぶのではなく、未来に繋がる選択肢を選んだことを強調したいと思います。のちに、この選択が結果へと結びつき、韓国は新型コロナウイルスのコントロールに成功した国に挙げられました。

 韓国政府の基本方針は透明性と公平性です。政府は新型コロナウイルスの問題に関する情報を提供し、特に高齢者、子供、障害者、低所得者などの感染リスクが高いグループに細心の注意を払いました。これらの政策は、人々が政府を信頼し、自主的に疫病対策に参加するような状況を作り出しました。また、政府の支援は国内のみならず、海外在住の韓国人、移民した韓国人、朝鮮戦争の退役軍人など、多くの人々にも届きました。また、国家としての信用と国家イメージの向上にも貢献しました。新型コロナウイルス対策で、効果的だった検査キットなどの関連製品は、すべて韓国と友好関係にある国へ寄付といった形で寄贈されました。

 状況は良くなっているように見えますが、韓国では未だコロナ危機が完全に払拭されたわけではありません。4月末には、日々確認される陽性患者数が着実に減少していることから、社会では楽観論が高まり始めました。新型コロナウイルスが国内で流行し始めてから3ヶ月が経ち、多くの韓国人は非日常的な日常生活に疲れを感じています。3月から5月は韓国で花が咲く季節です。多くの人々は、韓国の春の野外活動を恋しく感じていることでしょう。このように、新型コロナウイルスが収束傾向にあると思い、一部の人たちは日常における活動を再開しようとしました。陽性者数は減少し、輸入例を除いて陽性患者がゼロになった日もあり、人々は徐々に緊張感を緩めていきました。やがて、5月上旬になると、韓国の長期休暇中に新型コロナウイルスは再び感染爆発しました。5月7日に新型コロナウイルスの陽性と確認された人が、症状があるにもかかわらず梨泰院の数カ所を訪問していたことが判明。梨泰院クラブから地域住民に再び感染しました。5月20日には約200人の感染が確認され、今もその状況が続いています[17]

 韓国における新型コロナウイルスとの戦争は未だ続いています。感染の第2波が予想されていますが、KCDCはそれに立ち向かうための準備を着実に進めています。新天地事件よりもまだ良いことは、陽性患者の急増による医療従事者の過負荷が緩和されたこと、検疫用品の供給がスムーズになったこと、いずれも想定の範囲内に収まっていることです。ほとんどの人が政府の通達に従い、新型コロナウイルスの感染を抑制しようとしてきました。しかし、梨泰院クラブ問題のように、一部の利己的な人々により、感染はいつでも再燃する可能性があります。

 おそらく、新型コロナウイルスの完全な終息は、外国からの流入を阻止することによって達成されたように、韓国での地域的な広がりを止めるだけではなく、世界的なコロナ管理によって初めて達成されるのではないでしょうか。ワクチンや治療薬の供給、あるいは大多数の国民が抗体を保有するような状況に至るまでは、まだまだ時期尚早だと思われます。韓国政府の新型コロナウイルス対策は、感染防止だけが目的ではなく、医療従事者や社会の負担を軽減し、効果的な治療法や予防法ができるまでパンデミックの時期を遅らせることが目的とされています。この状態で新型コロナウイルスを乗り越えていくことができるかもしれません。この悲惨な疫病がいつ終わるかはわかりませんが、一日も早くその日が来ることを願っています。


※本稿はさくらサイエンスプラン同窓生からの寄稿文を中国総合研究・さくらサイエンスセンターが日本語訳したものである。


●英文オリジナル

Looking back at COVID-19

Choe Seongjun
National Chungbuk University, Korea

Today (20 May 2020) is the day, 4 months after the detection of the first patient in Korea. Here, I would like to talk about the occurrence and response of COVID-19 in the Republic of Korea, which I watched as a citizen.

The calm before the storm

In January 2020, I was spending a normal daily life. I was planning to travel abroad with my wife and revising some data with a manuscript to be submitted in near future. I was only thinking that the mysterious disease I heard from foreign news was a just related to another country. Although I worried about my aunt and her husband, who were staying in China, I thought it would be finished after spreading to some local areas, like many other diseases. At least that was what I believed at that moment. Unlike with me who saw the situation in an optimistic light, it seems that the Korean government and experts were seriously looking at the situation and preparing for it. In fact, they have been prepared for this situation a long ago.

On December 17, 2019, the Korean Center for Disease Control and Prevention (KCDC) carried out training on countermeasures by assuming that a family exposed to an unknown pneumonia originating from China had entered to our country. KCDC have already tested the detection technique and epidemiological preparation[1]. And the preparations proved to be of a great help when the positive patient of COVID-19 was confirmed for the first time in Korea about a month later. The attitude of KCDC toward the newly emerged diseases is not a run up.

In 2015, we spent a hard time with the Middle East Respiratory Syndrome (MERS). Until when all the disease issues were over, 186 individuals were detected as positive, and among them, 39 people had died[2]. It was obviously a huge failure in the disease control, with the largest number of infected and dead case, with the exception of the number of cases in Saudi Arabia. In order not to repeat this mistake, the Korean government has been steadily preparing against the outbreak of similar diseases[3].

At the time when the number of positive patients in China increased, the KCDC had already established the measures based on information such as symptoms and the outbreak areas, and began to develop the detection kits based on the sequences of the virus provided by China. It was a very appropriate measure considering the COVID-19 pandemic, but it was pointed out that it was excessive at the moment[4]. In the early periods of the COVID-19 outbreak, there was a rumor that even the domestic production of mask in China could not satisfy the Chinese mask demand. People who are sneaky and unscrupulous have attempted to stock up or hoard the masks or try to get it by direct contact with the Chinese company. They even tried to re-export the masks to other countries, and it led to the lack of masks stocks at the early stages of COVID-19 outbreak in Korea. At the time, the word "mask coin" was frequently used between people, and it originated from the electronic money such as Bitcoin.

The beginning of spread

On January 20, 2020, the first positive case was confirmed in Korea. The patient was a 35 years old woman from Wuhan, China, and the second positive patient was confirmed four days later (January 24). Although both patients were imported cases from overseas and the infection in the local community was not confirmed, but it was enough to cause anxiety in Korean society. More and more people tried to get masks, and people who went out on the street with wearing masks increased. The number of positive cases increased one by one with the passage of time. All of the cases were imported cases from China, and some of them were walking through the streets with the symptoms. Flights between Korea and China have been on the decline, and many Korean in China have already returned. A lot of anxiety has been heightened by the contact with COVID-19 positive patient who are not detected, and also with the arrival of people from China. On January 30, the number of positive cases increased to six. Especially, one of them was the first case infected by contact with the third positive patient, and it means that secondary infection in Korea had occurred for the first time[5]. A stroke of good luck in the midst of misfortune was that the attempt to develop the inspection method was already successful, and it will soon be distributed through the emergency use authorization system. In addition, the KCDC provided information on the movement trails of positive patients, and through epidemiological investigations, almost all the people who had contacted the patients were self-isolated and inspected for COVID-19.

The initial responses to COVID-19 were aggressive and active measures. The KCDC tried not to miss a single positive patient through as many examinations as possible. They examined all the suspected cases and people who had contact with positive patients. It was a steady increase in the number of positive patients. In addition, policies to protect Korean nationals were continued. All the Koreans residing abroad, including KOICA (Korean Oversea International Cooperation Agency) members from each country, who were dispatched to support other countries, returned back home[6].

Through the launching of charter flights, they also made efforts to transport isolated Koreans from China. Some Koreans were concerned about the return of Koreans staying abroad, and some citizens in the vicinity of the facilities for isolation protested against the government. However, these movements quickly faded. Indeed, there were few positive cases confirmed among the returned Koreans who are isolated in the facilities, but they were all managed efficiently and there were no cases of transmission from them. In Korea, the COVID-19 seemed to be well managed.

Explosion

On February 18, 2020, a patient was added and the number of positive patients in Korea became 31[7]. The problem was that the patient had no history of travel abroad and had no contact with other positive cases. And also, due to her vigorous activities, it was revealed that she had contact with a large numbers of unspecified persons. She had visited places of worship and was later revealed that she belongs to a religious group called "Shincheonji" as well. From this day, the pattern of COVID-19 transmission in Korea changed completely from those as before. The number of positive cases associated with patient 31 began to accelerate, and exceeded 800 in just a week[8].

The religious group, "Shincheonji" was considered as very special, especially in the situation of COVID-19. Shincheonji has been regarded as a heretical group by the mainstream Christian groups in Korea, and it had led to them to keep a low profile externally, but act mainly in the shades. They secretly recruited and educated the believers, and their meeting site provided conditions for close contact with people. Their clandestine activity has also been seen as a problem in epidemiological investigations, and it has been difficult to identify and trace the contacted people. Worship in the Shincheonji church in Daegu was pointed out as a hot spot of transmission, and as a result, the COVID-19 was finally spread into local communities in Daegu city. Infections related with Shincheonji were consistently detected, and on March 20, the number of patients who were directly associated to Shincheonji was counted as 5,028[9]. At that time, it was occupying 58.7% of the total detected positive cases in Korea, and also on February 18, before the Shincheonji issue, only about 50 additional positive patients were newly confirmed in a month.

Prior to Shincheonji, the measures taken by the Korean government seemed quite successful. A small number of patients were isolated in negative pressure rooms and were being provided adequate treatment on time without a single death occurring. However, everything changed. On February 20, the first death occurred. The fatality was an elderly high-risk grouped patient who was infected while being hospitalized in hospital. As the number of patient and elderly patient increased, the medical staff began to be overloaded. Social distance was implemented, and the opening of the schools was delayed. The university began and continued with the online lectures.

The supply of the masks did not work out smoothly due to the seriousness of the situation. Many people wanted to get masks and other protective equipment but not all could lay a hand on them. The Korean government put mask production under the control of the government and distributed public masks to society. According to the date of their birthday, 5-shift mask distribution system was implemented to prevent too many people concentrating to buy the mask on the same day. Additionally, foreign exports of masks and other personal equipment were strictly prohibited. The KCDC made efforts to ensure efficient distribution of the mask to the public until the COVID-19 situation calms down[10].

The fire burns low

Despite the explosive increase in the number of positive cases, the efforts of the Korean government and the KCDC were astonishing. They conducted the detection for all the suspected cases like trying to chase all the small pieces of COVID-19, and finally succeeded in catching the tail of transmission. Under the pressure of the government and public opinion, finally, the Shincheonji also agreed to cooperate by providing personal information of the related people. In early March 2020, it succeeded in conducting a total inspection of 99% of Shincheonji people[11]. The number of positive patients increased steadily and the COVID-19 was still transmitted between local communities. But the newly confirmed positive numbers were decreasing day by day. On April 20, two months after the Shincheonji issue began, the newly confirmed positive patient decreased to less than 10.

Various factors may have contributed to the successful COVID-19 management in Korea. The constant inspection to detect the positive cases was conducted steadily to prevent further transmission. During the period, it was conducted continuously from as few as a few thousand to as many as 10,000 daily. Additional diagnostic techniques have been developed to increase the testing efficiency. Typically, the drive-thru method was devised. This method was primarily introduced to the Daegu Chilgok hospital on February 23, and has the advantage of minimizing contact between medical staff and suspected patient, thereby reducing the risk of transmission and increasing the speed of examination[12-13].

In addition, a walk-through protective device was introduced to take care of the medical staff whose wear protective equipment all day or the need to change equipment periodically. This method, which was introduced from March 15, can be applied to people without cars, and it is possible to conduct tests more safely and efficiently by separating the medical staff from the suspected patients. A well-organized and systemized method could be carried out efficiently, thus reducing the inspection time[14].

Well-organized public health care was also one of the important factors. The inspection fee of COVID-19 was mostly supported by the Korean government. If the result was positive, the examination fee was free, and also for the situation that physicians recommended to get inspection or if the patient was classified as suspected COVID-19 patient, the examination fee is free as well. In addition, for the positive cases, the cost of treatment was very low through the utilization of the medical insurance system. For example, an invoice for a patient who had recovered from COVID-19 with 19 days of in-hospital treatment was open to the public. Among the billing costs of 9,709,900 won, the expense for the patient was just 44,150 won[15]. The people who were under the status of self-isolation were provided with many supplies, such as foods, drinks and stress relief books, coloring books and many others.

The cooperation of citizen was also very helpful for the control of COVID-19. Social distancing settled like a culture in people's minds, and it was difficult to find people without masks on the streets. Although there were some negative opinions in the area related to the disclosure of personal information, most of the citizens recognized that the society itself has greater priority to personal information, and many of them cooperated[16]. Based on the development of the Internet, the citizens communicated and exchanged disease information. Many people who did not wear masks or did not follow self-isolation guidelines even they have symptoms were criticized on the internet. People have managed themselves well and together with their neighbors, cooperated so as not to be a cause of transmission. In addition, due to the implementation of the 5-shift mask system, the enough medical materials were supplied sufficiently to the people, and by mid-April, the medical materials were even in excess of the actual need.

The war undone

At the beginning, the main measures of the Korean government to break through the situation with the standard tactics created a lot of concerns. All the suspected cases including contact with positive cases or its traces, suspected symptoms and all the related subjects were inspected, and sometimes it seems very aggressive. This attitude actually contributed to the increasing number of positive cases in Korea, and at some moment, the number of positive cases in Korea was higher than any other country except China. Due to these measures, some countries restrict entry from Korea. As a result, the measures were thought to lead to the diplomatic and economic damage to our nation. However, the decision was actually a choice to choose the future good rather than the benefits in front of the eyes. That choice was transformed and connected into positive results. It worked, and the COVID-19 in Korea seemed effectively controlled by the measures.

The basic policy of the Korean government was transparency and fairness. The government provided the accurate information related the COVID-19 issues, and they especially took care and paid more attention to the high-risk group such as elderly, childish, disabled person and low-income group. This policy created a situation in which people could trust the government and voluntarily participate in the measures against the disease. In particular, the support of government also reached to a lot of people, that is, including Koreans staying abroad, even adopted Koreans and also foreign veterans of the Korean War. It also contributed to improving the credibility of our nation and the national image. All the products related with quarantine and inspection kits obtained through effective COVID-19 management were also used as donation to countries that had a positive impact on Korean history in the past.

The situation seems to be better and better, but in fact the corona crisis has not been completely eradicated in Korea. At the end of April, optimism began to rise due to the steady decline of daily confirmed positive cases. Three months after the beginning of the COVID-19 issue, many Koreans felt tired on the unusual daily life, and the March to May is the season of flower in Korea. Many people missed the outdoor activities and the good weather in Korean spring. They missed the relaxed, peaceful normal life at the past days. Thus, when the COVID-19 seemed to fade, some people tried to do their usual activities again. The number of positive cases decreased, and there were some days when the confirmed positive case was zero, excluding the imported cases. People gradually loosen up the tension. Eventually, it exploded again during the long holiday season in Korea in early May. A person confirmed as positive for COVID-19 on May 7, was found to have visited several places in Itaewon, despite with symptoms. The disease was transmitted again from the Itaewon Club to the local community. And on May 20, there were around 200 additional confirmed infections. It wasn't over yet[17].

The COVID-19 in Korea and its control are still in progress. Although the second wave is expected, the KCDC is making preparation to face it. It is true that the transmission is still occurring in the local community in our society. One thing that is better than the Shincheonji incident is that the overload of medical staff due to the rapid increase of positive patients has been relieved, and the supplies of quarantine products are smooth, and all of these have been within the expected range. Most people have followed the notice of the government and tried to control the transmission of COVID-19. However, as like the Itaewon Club issue, some selfish people could reinvigorate the disease again at any time.

Perhaps the complete termination of COVID-19 could be achieved only through global corona management, not just by stopping the regional spread in Korea as achieved by blocking the foreign inflows. The supply of vaccines and treatments, or the possession of antibodies by most of the people, seems to be still far. The countermeasures against COVID-19 of Korean government are not only aimed at the prevention of transmission, but also the goal is to reduce the burden on medical staff and society, and to delay the major outbreak time until an effective treatment or prevention methods are available. Maybe, we will continue to overcome the COVID-19 with this attitude. I don't know when this tragic disease issues will be over, but I hope the day will come as soon as possible.

[1]. reuters.com/article/us-health-coronavirus-southkorea-drills-idUSKBN21H0BQ

[2].dj.kbs.co.kr/resources/2015-06-08/

[3].ksid.or.kr/file/mers_170607.pdf

[4].cdc.go.kr/board/board.es?mid=a20501000000&bid=0015&act=view&list_no=365729&tag=&nPage=1

[5].cdc.go.kr/board/board.es?mid=a20501000000&bid=0015

[6].yna.co.kr/view/AKR20200320089800371

[7].cdc.go.kr/board/board.es?mid=a20501000000&bid=0015

[8].bbc.com/korean/news-51609490

[9].ncov.mohw.go.kr/tcmBoardView.do?brdId=&brdGubun=&dataGubun=&ncvContSeq=35365%20&contSeq=353656&board_id=&gubun=ALL

[10].mfds.go.kr/brd/m_74/view.do?seq=43738

[11].yna.co.kr/view/MYH20200303017800641

[12].hani.co.kr/arti/society/health/930886.html#csidx242d57ef56d8ccfa82a7abfabfd3889

[13].jkms.org/DOIx.php?id=10.3346/jkms.2020.35.e123

[14].docdocdoc.co.kr/news/articleView.html?idxno=1078572

[15].hankookilbo.com/News/Read/202003191450377763

[16].yna.co.kr/view/AKR20200518072400017

[17].cdc.go.kr/board/board.es?mid=a20501000000&bid=0015