【21-061】中国からASEANへの科学技術関連支援策
JST北京事務所 2021年12月22日
中国ASEAN首脳会議で表明
11月22日の中国とASEANの対話関係構築30周年記念オンライン首脳会議で表明された中国側アクションについては、ワクチン1億5,000万回分の提供、今後5年間で1,500億ドルの農産品を輸入、経済復興のために今後3年間で15億ドルの援助などが日本でも報道されている。これらの他、科学技術にも関連するものとしては、次が挙げられている。
◆中国は、科学技術イノベーションのレベルアップ計画を開始し、ASEANに1,000の先進的な応用技術を提供し、今後5年間で300人の若いASEANの科学者が交流のために訪中することを支援する。デジタルガバナンスに関する対話を実施し、デジタルテクノロジーイノベーションの応用を深化させる。
◆中国は「中国とASEANの健康のための盾」協力イニシアチブを開始する用意がある。ワクチンの提供のほか、ASEAN感染症対策基金への500万米ドルの追加、ワクチンの共同生産の拡大と技術移転、鍵となる医薬品研究開発協力の実施によるASEAN自身の安全レベルの強化、公衆衛生システムの構築と人材育成の強化による公衆衛生上の緊急事態対応能力の向上への協力を行う。
◆中国は、ASEANとの間で発展のための国際協力を展開し、協定交渉の開始、中国とASEANの発展のための知識ネットワークの設立を支援し、貧困削減の分野での交流と協力を強化し、バランスの取れた包摂的な開発を促進する用意がある。
◆中国は、ASEANと気候変動に関する対話を行い、政策面の交流とノウハウの共有を強化し、持続可能な開発計画を協議する用意がある。
◆中国は、各国の農業開発のレジリエンスと持続可能性を改善するために、中国-ASEAN農業グリーン開発行動計画を開始する用意がある。
◆中国は、職業教育や学歴(学位)の相互承認におけるASEANとの協力を強化し、中国とASEANのエリート奨学金の額を増やし、ユースキャンプなどの活動を展開する用意がある。
関連リンク
《如何推动中国东盟关系提质升级?习近平指明方向》中国科技网,2021-11-23