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【24-04】AIの産業化レベルを高めるために必要なものは?

洪恒飛、江 耘(科技日報記者) 2024年01月12日

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牧場でも「運動用首輪」や新型デジタル耳標といったAI(人工知能)デバイスが牧場で応用されている。(撮影:馬希平)

 百度(バイドゥ)の最高技術責任者(CTO)を務める王海峰氏は、2023年世界インターネット大会烏鎮サミットで、「大規模モデルの勃興により、人工知能(AI)の応用の深度と幅がさらに広がった」と述べ、「AIはすでに大規模生産の段階に入り、その産業化レベルが徐々に向上している」との見方を示した。

 AIは高い汎用性を備えることで、大規模生産段階に入ることが可能になる。AIの汎用性の高さをどのように判断するか。そのためには理解、生成、論理、記憶能力の4分野でAIの基礎能力の高さを見なければならない。王氏は「この4項目の基礎能力が高ければ高いほど、AIは汎用型に近づくことになる。大規模言語モデルにはこの4項目の基礎能力が備わっているだけでなく、今やますます『賢く』なっている。このことはAIの汎用型への前進に明るい光をもたらしている」と説明した。

 大規模生産段階に入るということは、AIがすでに複数の産業で応用されていることを意味する。2023年3月、百度は次世代知識強化型大規模言語モデル「文心一言」を発表した。現在、文心一言の大規模モデルは「文心大規模モデル4.0」にアップグレードした。8月31日の一般公開から、文心一言のユーザー数は7000万に達し、すでに4300のシーンで応用されている。王氏は「文心大規模モデル4.0はより強固なプラットフォーム、より優れたデータ、より良いアルゴリズムに基づいてトレーニングを行っており、規模がより大きく、効果がより高い知識強化型大規模言語モデルだ。過去数世代のモデルと比べ、4項目の基礎能力がすべて著しく向上している」と語った。

 AIがその産業化レベルをさらに強化するには、標準化、自動化、モジュール化の3つの面で努力する必要がある。王氏は「標準化とは、AIアーキテクチャ・モデルの共同最適化、複数のハードウェアの統一的適合だ。これによりAIの応用モデルがより簡潔で高効率になり、応用のハードルを大幅に引き下げることが可能になる。自動化とは、全プロセスにおいてAI研究開発の効率を高めることだ。モジュール化とは、AIのために豊富な産業レベルのモデル・ライブラリを配備することで、AIがより幅広く、スムーズに各産業で応用されるようにすることだ」と紹介した。

 現在、大規模モデルはAIの発展を推進する重要な原動力になっている。王氏はこの点について、「AIの産業化レベル向上は、既存の大規模モデルの開発スタイルの改良を通じて実現することもできる。たとえば、『集約化した開発、プラットフォーム化した応用』を採用し、アルゴリズム、計算能力、データの総合優位性を備えた企業がモデル開発の複雑なプロセスをパッケージにし、低いハードルかつ高い効率の開発プラットフォームにより、各業界に大規模モデルサービスを提供することも可能だ」と見解を述べた。

 現在、この産業化スタイルは文心大規模言語モデルの実践で、すでに検証されている。百度とその協力パートナーはエネルギーや金融、宇宙など10以上の業界で大規模モデルを共同で構築し、AI産業化を急速に推進している。


※本稿は、科技日報「进一步提升人工智能产业化水平 要增强"四个能力" 需下足"三项功夫"」(2023年11月24日付6面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。