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5Gで未来を動かす―北京亦荘開発区の大きな試み

2019年6月24日 田艶軍・牛晴晴(科技日報特派員)/華凌(科技日報記者)

「5Gは都市をよりスマートにし、生活をより便利にし、起業の効果をより高くする」。先ごろ、「5G亦荘」の建設がスタートした。三大通信サービス提供業者と中国鉄塔公司が北京市亦荘開発区で200ヶ所以上の5G基地局を建設し、5G業務の全域カバー実現を目指す。

 亦荘開発区は5Gの発展においてどのような基盤があるのか?「5G亦荘」は開発区入居企業と産業発展に対しどのような影響があるのか?科技日報記者が取材した。

北京の5G基地局の半数がここにある

 5Gは、全く新しい移動通信システムの枠組みによって、少なくとも4Gの10倍に達する最大速度、ミリ秒級の伝送タイムラグ、千億級の接続能力を提供でき、サービス対象は「ヒトとヒト」から「ヒトとモノ」、「モノとモノ」にまで拡大し、本当の意味での「IoE」(Internet of Everything)の実現が見込まれている。

 亦荘開発区関連責任者は、「北京は全国5Gネットワーク構築・応用の試験都市であり、現在全市の5G基地局の50%が開発区に配置されている」と述べた。この責任者によると、現在開発区全体の実験用5G基地局の数は200を超えているという。通信サービス提供業者の報告によると、すでに開通した5G基地局は50以上で、今年末までに200以上の5G基地局が使用条件を備え、5Gネットワークが亦荘開発区の60平方キロ範囲内をカバーする見通しだ。

「5G亦荘」スタートアップセレモニーで、亦荘5G戦略配置をさらにサポートするために、三大通信サービス提供業者と北京鉄塔公司はいずれも亦荘開発区における5Gネットワーク構築・運営計画を発表した。

 中国電信股份有限公司北京分公司の肖金雪総経理は、「我々は開発区に5Gネットワーク構築に対する重点的保障を提供し、開発区が5Gの手本としてモデルゾーンになるよう支えていく。今後中国電信は5G構築能力を媒介にして、開発区の各産業・各企業と広く協力し、深く融合し、開発区の電子情報、バイオ医薬、自動車設備製造など既存の成熟した産業および規模化生産性サービス業、文化クリエイティブ産業、空輸関連サービス業、省エネ・環境保護などの産業発展を後押ししていく」と述べた。調べたところによると、中国電信は亦荘開発区に5Gクラウドイノベーションセンターを設立し、中国電信5Gネットワークのコアデータセンターを開発区内に置き、基礎研究を全面的に配置し、開発区5Gスマートシティ建設を促進していくという。

 中国聯通(チャイナユニコム)北京分公司の霍海峰総経理によると、聯通は開発区と都市安全モニタリングプロジェクトで協力し、5Gインテリジェント応用の都市経済化管理面で手本となり、教育医療や生産製造、スマートシティなど多分野の融合・応用に向けて新たな手本となり、注目点になることを目指す。

産業の質向上・グレードアップに原動力を提供

 北京亦荘バイオ医薬園で、実験室のエンジニアが設備故障に遭遇した場合や、実験結果が補助分析を必要とする場合、あるいは手に負えない問題に直面した場合は、AR(拡張現実)スマートグラスをかけ、すぐに遠隔で技術専門家を呼び出すことができる。専門家はARグラスで送られてきたエンジニアの目に映っている映像を通じて、5Gネットワーク技術のサポートのもとで、リアルタイムかつ遠隔で現場実験エンジニアの突発状況処理に対する指導を正確に行うことが可能となる。中国電信北京分公司とバイオ医薬園が協力して作り上げた実験室の機器と5G+ARスマートグラスを結合させた遠隔インタラクティブプランでは、こうしたケースの問題解決も求められている。

「5G亦荘」スタートアップセレモニーで、亦荘開発区内の企業14社と三大通信サービス提供業者が戦略的協力覚書に署名し、5G関連企業5社と開発区が入居契約を交わした。そのうち、北京ベンツは5Gネットワークと通信サービス提供業者のサービスを通じて、部門や分野を横断するイノベーション実践専門のプラットフォーム「睿聯」を構築し、このプラットフォームをベースにビッグデータ分析などを含む先進的製造推進ロードマップを設計し、自動車スマート製造先進技術を徐々に導入し、デジタル化とネットワーク化、スマート化を高度に融合させ、業務フローの再構築を推進し、業務システムの革新とスマート製造システムとITシステムのさらなる融合を実現させていく計画だ。

 亦荘開発区関連責任者によると、トップ企業の5G応用によるけん引、産業チェーンの上下流企業のベンチマーキングと目標・計画通りの実行、各大型産業によるカバーという推進アプローチのもとで、将来北京ベンツやバイオ医薬園のような5G応用シーンが開発区の至る所で見られるようになり、開発区の産業グレードアップが促進されていくという。

質の高い産業環境を全国へ波及

 5G技術の成熟と5Gネットワークの配置に伴い、IoE、ビッグデータ、人工知能(AI)に代表される「スマートプラネット」時代が近づきつつある。5Gの発展は、亦荘開発区にどのような影響を及ぼすだろうか?

 亦荘開発区の関連の責任者によると、開発区は5Gプロジェクトに対し重点産業化配置を行ったという。現在、20社以上の5Gコアデバイス研究開発製造企業が同開発区に集まっている。5G応用シーンの面では、亦荘開発区には長さ70キロ以上に及ぶスマートネットワーク接続自動運転テスト用道路と封鎖式テストコースがあり、また面積225平方キロの亦荘新城の建設も、5G応用にとって広い空間を提供することになるだろう。

 それと同時に、亦荘開発区の5G産業環境も絶えず大きな成果を上げている。信維創科の5Gアンテナと弾性表面波(SAW)変換器はすでに大量生産・出荷が始まっており、5Gネットワークのブロードバンド周波数に適し、低コスト、小型化などの特徴がある。また中芯国際は今年14nmチップ量産製造プロセスを実現するとともに、7nmチップ製造プロセスを目指し、より多くの企業向けに5Gに適したチップを提供していく。博大光通はLoRaWAN[1]技術をベースにした鴻雁シリーズAIスマートセンサー端末を100種以上打ち出しており、低電力消費量、遠距離、多ノード、低コスト、自律分散型無線ネットワークといった優位性により、スマート都市管理やスマート緊急対応、スマート照明などの分野に応用されている。

 将来的には、こうした開発区5G産業のハイレベルかつ精密で先端的な製品が、開発区内企業や都市管理で応用され、スマート製造のレベルを引き上げ、産業の質の高い発展を保障するだけでなく、全国へと波及し、「5G亦荘」のもつパワーを示すことになるだろう。


※本稿は、科技日報「以5G撬動未来,北京亦荘開発区有大動作」(2019年5月28日付1面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。


[1] 省電力長距離通信(LPWA)の一種の無線ネットワーク規格。世界中の500社以上から構成されるLoRa Allianceがその規格を定める。