燃料電池で日本と協力期待=中国首相、トヨタ会長に
2019年03月29日
中国の李克強首相は28日、海南省で開かれている「博鰲アジアフォーラム」で、次世代の省エネルギー車として期待される燃料電池車の分野で日本との産業協力を強化したいとの意向を示した。チャイナ・ウオッチが博鰲発共同通信電として伝えた。
李首相と世界各国の企業経営者が対話するセッションで、トヨタ自動車の内山田竹志会長が「中国のモビリティー(乗り物)社会の方向性と日中の産業協力」について質問した。李首相は「中国は燃料電池車を(産業として)発展させたい」と説明。「日本の技術と中国の大市場を結びつけることを期待する」と述べ、トヨタなどが日本の最新技術を持ち込んで事業展開することを歓迎すると強調した。
水素を燃料に使う燃料電池車は、技術的に日本が世界で最も進んでいるとされる。李首相は昨年5月に訪日した際、北海道のトヨタ関連工場を視察しトヨタの燃料電池車「MIRAI(ミライ)」に高い関心を示した。
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中韓首相、協力強化で一致=経済や環境分野
2019年03月28日
中国の李克強首相と訪中した韓国の李洛淵首相が27日、海南省博鰲で会談し、経済や環境分野で協力を強化することで一致した。チャイナ・ウオッチが韓国の聯合ニュースの報道を引用した博鰲発共同通信電として伝えた。
李洛淵首相は、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備に伴う両国関係悪化で減少した韓国への中国人団体旅行の活性化や、中国企業の韓国向け投資に関して協力を求めた。李克強首相は、両国間の投資や貿易に関する協力拡大に期待を示した。
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英国車そっくり販売禁止=中国、知財保護アピール
2019年03月27日
中国紙、新京報などによると、北京の裁判所は26日までに、英自動車大手ジャガー・ランドローバーのスポーツタイプ多目的車(SUV)にデザインが似ているとして、中国の自動車会社、江鈴汽車に対し「陸風X7」の生産、販売停止を命じた。「レンジローバー・イヴォーク」の模倣と判断した。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。
中国の裁判所が国内自動車企業による外国車の模倣を認定したのは初めてとしている。欧米諸国などが中国の知的財産権侵害を問題視する中、知財保護の姿勢をアピールする狙いとみられる。
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大気汚染対策で協力前向き=中国、韓国と
2019年03月26日
中国外務省の耿爽副報道局長は25日の記者会見で、韓国で微小粒子状物質「PM2・5」による大気汚染が深刻化している問題について「韓国との交流を強め、大気汚染の解決方法を共に探し求めたい」と述べ、協力に前向きな姿勢を示した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
韓国では、中国からの汚染物質の飛来が大気汚染の原因との見方が強い。韓国は対策のための新組織を近く発足させ、トップに潘基文・前国連事務総長を起用する方針を決めている。
中国外務省はこれまで「中国から(汚染物質が)来ているという十分な証拠があるのか」との立場を示していた。
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伊、一帯一路に正式参画=G7で初、習氏、欧米結束にくさび
2019年03月25日
欧州歴訪中の中国の習近平国家主席はローマで23日、イタリアのコンテ首相と会談した。会談後、両国は中国の提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」協力に関する覚書に署名した。先進7カ国(G7)で初めての一帯一路への参画となる。チャイナ・ウオッチが、ローマ発共同通信電として伝えた。
一帯一路を巡っては支援対象国で債務が拡大している問題や、港湾など交通の要衝を中国が支配することによる安全保障上のリスクから、米国や欧州連合(EU)は懸念を抱く。習指導部はイタリアを取り込み、こうした懸念を念頭に対中戦略で結束しようとする欧米にくさびを打ち込んだ形だ。
イタリア主要紙、コリエレ・デラ・セラによると、今回署名された協力の規模は総額で少なくとも50億ユーロ(約6,200億円)に上るという。
政府間の覚書は19件、企業間が10件。そのうち骨格となる協力の覚書は何立峰・国家発展改革委員会主任とディマイオ副首相兼経済発展・労働相が署名した。企業間の協力にはイタリアの主要港、トリエステ港とジェノバ港のインフラ整備に中国企業が参画することや、イタリアの石油・ガス会社による中国での探査などの合意が含まれる。
だが事前に合意の可能性が伝えられていた通信分野の合意はなかった。米国などが第5世代(5G)移動通信システム整備への中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)参入などを警戒しており、イタリア側が配慮した可能性がある。
ディマイオ氏は署名後の記者会見で「(中国との)貿易収支の均衡を取り戻す」と述べた。イタリアの対中貿易赤字は年間170億ユーロ(約2兆1千億円)超に上る。
習氏は23日、ローマからイタリア南部シチリア島パレルモに移動した。その後、モナコ、フランスを訪問し、26日にパリでフランスのマクロン大統領、ドイツのメルケル首相、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長と4者会談を行う予定。
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教育交流の強化に期待=中国主席、米大総長と面会
2019年03月21日
中国の習近平国家主席は20日、北京の人民大会堂で米ハーバード大のバカウ総長と面会し、米中両国の教育面での交流や協力をさらに深めていきたいと語った。チャイナ・ウオッチが新華社の報道を引用した北京発共同通信電として伝えた。
習氏は、中国が改革・開放路線に転換して以降、急速な発展を遂げたのは海外に留学した人材の貢献が大きかったと指摘。今後も海外との教育交流を強化していきたいと語った。
トランプ米政権は中国へのハイテク分野の技術流出を恐れ、中国人留学生に対する警戒を強めている。バカウ氏は、ハーバード大には多くの中国人留学生がいると紹介。「教育機関が交流を維持、強化することは長期的に米中関係を深める上で極めて重要だ」と強調した。
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厳格な国際基準必要=ゲノム編集でWHO諮問委
2019年03月20日
倫理面の問題が指摘される人間のゲノム編集に関して世界保健機関(WHO)が設置した諮問委員会の初回会合が18~19日、ジュネーブで開かれた。現時点でゲノム編集を医療行為などに用いることは「無責任」と非難し、適切に管理するために厳格な国際基準の必要性で合意した。チャイナ・ウオッチが、ジュネーブ発共同通信電として伝えた。
今後、約2年かけて専門家や関係者で討議を重ね、科学や倫理、社会、法的な問題点を検討し、国際基準作成のための勧告をまとめるとしている。
勧告作成には透明性と開放性、責任の確保を中核原則とすることでも一致した。このためにゲノム編集研究のデータベース作成が必要と訴え、WHOに直ちに取り組むよう求めた。
終了後に電話会見したハンバーグ共同委員長は「多様な分野から集まった素晴らしいメンバーで議論をスタートできた」と述べ、国際基準のほか各国が作成する基準に利用できる勧告を目指すと説明した。
ゲノム編集は遺伝子を狙い通りに改変する技術。今年1月に中国の研究者がゲノム編集で双子を誕生させたことが確認され、安全性が未確立の技術を使った重大な倫理違反と非難されている。
委員会は欧米や中国、インドなど18人の専門家で構成されている。日本からは大阪大大学院の加藤和人教授(生命倫理学)が参加した。
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国際特許、アジアが過半数=18年出願、中国首位迫る
2019年03月19日
世界知的所有権機関(WIPO)が19日発表した世界の企業などによる2018年の国際特許登録の出願件数は、地域別でアジアが50・5%と初めて過半数を占めた。欧州24・5%、北米23・1%となり、WIPOのガリー事務局長は「技術革新分野で西から東へと歴史的な移動が起きている」と指摘した。チャイナ・ウオッチがジュネーブ発共同通信電として伝えた。
国別で中国が前年比9・1%増の5万3345件で2位となり、首位の米国(5万6142件)との差が3千件を切るまでに迫った。WIPOは2年以内に米国を追い越すとみている。日本は4万9702件で3位、韓国が5位につけたほか、インドが27・2%増と躍進した。世界全体の出願件数(推定)は3・9%増の25万3千件だった。
国際特許は特許協力条約に基づく制度で、一つの条約加盟国に出願すれば同時に複数国に出願したのと同じ効果がある。
企業別では、中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が5405件で1位。日本からは三菱電機が2位につけたほか、12位にパナソニックIPマネジメント、13位にソニーが入った。3位は米半導体大手インテルだった。
出願分野では、デジタル通信が全体の8・6%でトップ、コンピューター技術が8・1%で2位、電気機械類の7・0%、医療技術の6・7%と続いた。
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中国首相、対米柔軟姿勢=景気下支えに決意
2019年03月18日
中国の李克強首相は15日、北京の人民大会堂で記者会見し、米中関係について「安定した関係を保つことは双方と世界にとっての利益だ」と述べた。貿易摩擦を巡る米中首脳会談を見据え、対米柔軟姿勢を示した。減速する中国経済について「景気が合理的な水準から滑り落ちるようなことはさせない」と述べ、下支えする決意を示した。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。
一方で、米国が懸念を示す中国政府による中国企業を通じたスパイ活動については「中国のやり方ではない」と関与を否定した。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)製品の米政府での使用禁止などハイテク分野で強硬姿勢を示すトランプ米政権をけん制した。
会見に先立ち、第13期全国人民代表大会(全人代=国会)第2回会議は外資の技術を中国側へ強制的に移転させることを禁じた外商投資法を採択し、閉幕した。李氏は米中両国の貿易協議について「相互に利益をもたらす成果が出るよう望んでいる」と述べた。習近平指導部は、米国との通商交渉を念頭に、外資の権利保護を進める姿勢をアピールした。
李氏は、事実上決裂した2月末の米朝首脳再会談に関し、「我慢強く対話を推進しなければならない」と述べ、米朝両国に対話の継続を促した。
李氏は景気対策について、企業向け減税に加え、さらなる金融緩和策を行う余地があると述べた。ただ大規模な金融緩和や財政赤字率拡大に踏み込めば「一時的には有効であっても、後遺症をもたらす」と指摘、強すぎる刺激策は避ける必要があるとも付け加えた。
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嫦娥探査車、休眠モードに=走行距離163メートル
2019年03月15日
昨年12月8日に月の裏側への軟着陸に成功した中国の月探査機「嫦娥4号」の探査車「玉兎2号」は3回の昼の作業を終え、13日午後0時16分、3回目の夜を迎えた。走行距離は累計で163メートルとなった。着陸機は同日午後0時に休眠モードに入っていた。中国国家宇宙局月探査・宇宙プログラムセンターへの取材で分かったもの。チャイナ・ウオッチが北京14日発中国新聞社の報道を引用した中国通信=共同通信電として伝えた。
「玉兎2号」は3回目の昼の作業期間に、石や車輪のわだちについて科学探査を行った。石の直径は最大で約20センチメートルあり、探査時の石との距離は約1・2メートルだった。
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現地主導で中国事業拡大へ=パナソニック4月に新組織設立
2019年03月14日
パナソニックで家電を中心に手掛ける社内カンパニー「アプライアンス社」の本間哲朗社長は13日、中国市場について「世界の家電マーケットの中で最もポテンシャルがある」と語り、現地主導で中国事業の拡大を図る考えを強調した。中国・上海で記者会見した。チャイナ・ウオッチが、上海発共同通信電として伝えた。
パナソニックは4月1日付で、新たな社内カンパニー「中国・北東アジア社」を設け、家電や住宅など生活関連事業で現地向けの商品開発を進める。トップに本間氏が就任する。「3年後には600億元(約1兆円)」の売上高を目指す。
本間氏は「大量生産型のビジネスを維持していくには中国に軸足を移さないと難しい」と指摘した。「決めるべき事を中国の会社と同じようなスピードで決めていきたい」と語った。
中国ではIoT(モノのインターネット)関連技術が急速に発展しており、パナソニックにはこうした環境で製品開発を進めたい考えもある。
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独、華為で米に近く回答=安全性重視と強調
2019年03月13日
ドイツメディアは12日、米国が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の製品を採用すれば機密情報の共有を制限するとドイツ側に書簡で警告したとの報道を巡り、同 国政府当局者が米側から書簡を受け取ったことを認めたと報じた。アルトマイヤー経済相が「近く回答する」という。チャイナ・ウオッチが、ベルリン発共同通信電として伝えた。
アルトマイヤー経済相は書簡の内容は明らかにしなかった。ドイツは第5世代(5G)移動通信システムの整備に関する入札手続きを今月始める予定。メルケル首相は12日の記者会見で、ド イツ政府は安全対策を「中心に据えている」と強調した。
ファーウェイの排除を強行しない方向で調整を進めているが、安全性が確認された製品に限り採用すると強調しており、同社の製品が採用されるか先行きは見通せない状況だ。
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イタリアの参画歓迎=中国外務省、一帯一路で
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中国外務省の陸慷報道局長は11日の定例記者会見で、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」へのイタリアの参画を「歓迎する」と述べた。イタリアのコンテ首相が8日、中 国と一帯一路に関する覚書を交わす方針を明らかにしていた。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
陸氏は「イタリアは重要な工業国家であり発展した経済体だ」と称賛。一帯一路へのイタリアの参画は「双方の協力に広い可能性を切り開き、両国の経済界や社会に多くの幸福をもたらす」と評価した。
コンテ氏は3月下旬の習近平国家主席のイタリア訪問に合わせ、覚書を交わす方針だ。
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地方GDP統一基準で算出=中国、統計不正対策で
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中国の全国人民代表大会(全人代=国会)財政経済委員会の尹中卿副主任は10日に記者会見し、今年から中央政府の国家統計局が各地方政府の域内総生産(GDP)を統一基準で算出すると述べた。地 方で統計水増しなどの不正が相次いでいることを受けた措置で、統計の信頼性を高める狙い。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
尹氏は、各地方政府が成長率を競い合い、データの隠蔽や不都合な数字の報告漏れが横行していると指摘。地方政府が報告したGDPの合計が、中央政府が把握するGDPを上回る事態も続いているという。
そのため、国家統計局が一括してGDPを集計。成長率の順位付けをやめ、将来は債務の規模などを地方政府幹部の評価基準にするとした。またデータ集計にインターネットの活用も検討しているという。
太平洋構想ODAで推進=18年版白書、対中協調も
2019年03月08日
チャイナ・ウオッチによると、河野太郎外相は8日の閣議で、日本の政府開発援助(ODA)の実績や方針をまとめた外務省の2018年版「開発協力白書」を報告した。安倍政権が掲げる「 自由で開かれたインド太平洋」構想推進のため、ODAを通じて関係国の海洋安全保障能力の構築や質の高いインフラ整備を支援すると明記。中国との協調姿勢もにじませた。
インド太平洋構想に関して「繁栄の阻害要因を取り除く努力が必要だ」と強調。東南アジアやアフリカで道路・港湾整備のほか、巡視船や機材の供与、海賊対策の合同訓練に取り組むとした。
中国の海洋進出をにらみ17年版まで使った「インド太平洋戦略」から「戦略」を削除。第三国での開発に関し中国と対話を進める方針にも言及した。1 8年度で新規供与の打ち切りを決めた対中ODAを振り返り「中国の改革・開放政策の維持・促進に貢献し、日中関係を下支えした」と総括した。
貧困や飢餓の撲滅に向けた国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」については「力強い担い手たる日本の姿を国際社会に示し、達成にまい進していく決意だ」と表明。今年夏に日本で開く20カ国・地域( G20)首脳会合やアフリカ開発会議(TICAD)を発信の機会に位置付けた。
限られた予算を効果的に使うため、国際協力機構(JICA)や非政府組織(NGO)との連携強化を図るとした。
日本の17年のODA実績は約184億6120万ドル。経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会加盟国で米国、ドイツに次いで3位だった。
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華為、米決定違憲と提訴=「使用禁止の証拠ない」 米中貿易協議 に影響も
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中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は7日、 米国が国防権限法で、米政府機関での同社製品の使用禁止を決めたのは違憲だとして、米テキサス州の連邦地裁に提訴したと発表した。郭平・副会長兼輪番会長らが記者会見し、禁止の根拠となる証拠が示されていないと反発した。チャイナ・ウオッチが、深圳発共同通信電として伝えた。
米司法当局がファーウェイ幹部を起訴してカナダに身柄の引き渡しを求める一方、同社が米政府による安全保障上の決定の撤回を米裁判所に求める異例の展開となった。貿易摩擦を巡る協議に影響する可能性がある。
郭氏は会見で「米政府は一貫してファーウェイを脅威だと中傷している」と非難した。 ファーウェイは次世代の第5世代(5G)の移動通信システムの開発をリード。昨年8月に成立した国防権限法は、ファーウェイについて「中国情報機関と関連がある」として、米政府機関による同社製品の使用禁止を定めた。
米政府は他国へも5G通信網からファーウェイ製品を排除するよう呼び掛けている。同社や中国政府は猛反発している。
ファーウェイを巡っては、イラン制裁を逃れるために虚偽の説明をしたなどとして、副会長兼最高財務責任者(CFO)の孟晩舟被告を起訴した米国が、拘束後に保釈したカナダに引き渡しを要請している。孟被告側は3月1日付でカナダ政府などを相手取り、不当な身柄拘束に対する損害賠償を請求する訴えを起こすとブリティッシュコロンビア州の最高裁に通知した。
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秋冬の大気汚染対策重要=中国政府系の研究者
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中国政府系シンクタンク、国務院発展研究センターの李偉主任は5日、「秋冬の大気汚染対策はなお極めて重要だ」と述べ、汚染対策の重点地域として北京市と天津市、隣接する河北省や長江デルタ地帯などを挙げた。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
中国では暖房の燃料に使う石炭が汚染の大きな原因になっているとされる。5日も北京市内ではマスクをする人などがいた。
李氏は北京で開会中の国政助言機関、人民政治協商会議(政協)に合わせて記者会見した。
李克強首相も5日に開幕した全国人民代表大会(全人代)の政府活動報告で大気汚染対策を課題に挙げた。
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中国、成長率目標引き下げ=19年「6.0~6.5%」 国防費20兆円へ拡大 全人代開幕
2019年03月05日
中国の第13期全国人民代表大会(全人代=国会)第2回会議が5日、北京の人民大会堂で開幕した。李克強首相は政府活動報告で、2019年の実質国内総生産(GDP)の成長率目標を「6.0~6.5%」に設定し、2年ぶりに引き下げた。19年予算案で、前年比7.5%増の約1兆1,898億元(約19兆8千億円)の国防費を計上した。米中貿易協議については「引き続き進展させる」と述べ、早期妥結への意欲を示した。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。
米国に次ぐ第2の経済大国である中国の成長鈍化は、世界経済の一段の不安材料となる。一方で、国防費は日本の防衛予算の4倍近くに拡大した。東・南シナ海などで高まる存在感に、日本を含む国際社会の懸念が強まりそうだ。
18年の成長率実績は6.6%で「6.5%前後」としていた目標を上回ったものの、米国との貿易摩擦の影響などで28年ぶりの低水準だった。19年はGDPに対する財政赤字の比率を18年より0.2ポイント高い2.8%に設定した。積極的な財政政策で鉄道、道路といったインフラ投資を拡大している。また、減税などで企業の負担を2兆元近く減らし、景気を下支えする。
米中貿易協議を巡り、李氏は「約束したことは誠実に実行する」と述べ、米国に理解を求めた。米国が批判する国家的な製造業の発展戦略「中国製造2025」には触れなかった。会議では、外国企業の技術を中国側へ強制的に移転させることを禁じた「外商投資法」を成立させる見通し。
また、李氏は「台湾独立をもくろむ分裂の画策に断固として反対する」と強調し、台湾独立志向の民主進歩党政権をけん制した。資源開発や漁業などの海洋経済の発展を通じて「海洋強国を建設する」とも表明した。
会議は15日まで。期間中に王毅国務委員兼外相や中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁らが記者会見を開く。閉幕後に李氏も会見する。
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「月データ公開へ準備」=中国プロジェクト責任者
2019年03月04日
中国月探査プロジェクト責任者の呉偉仁氏は3日、世界で初めて月の裏側に着陸した「嫦娥4号」による月探査について「多くのデータを得た。全世界に公開できるよう準備している」と述べた。北京で開かれた国政助言機関、人民政治協商会議(政協)の開幕式に合わせ、メディアの取材に応じた。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
呉氏は、調査は順調で、探査車を着陸地点の北西方向に進めて調べているが、地面に穴や障害物が多いと明らかにした。「多くの成果を得たが、世界の宇宙強国と比べ大きな差がある。速度を上げ追い掛けないといけない」と強調した。
中国として初めての火星探査に関しては「来年、探査機を発射し実現させる」と意気込んだ。
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中国の農業補助金で米勝訴=WTOが不当判断
2019年03月01日
世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は2月28日、米政府が提訴した中国政府による農業補助金を不当だとする判断を下した。小麦やコメの生産農家への補助がWTOの定める国内の農業保護の限度を超え、自由で公正な貿易をゆがめたと認定した。チャイナ・ウオッチが、ジュネーブ発共同通信電として伝えた。
米通商代表部(USTR)は「米国の農業にとって大きな勝利で、より公正な競争を促すことになる」とコメントした。パネルは「一審」に当たり、判断に不服があれば「二審」の上級委員会に上訴できる。
WTO協定では、加盟国・地域には農業保護のため、途上国は農産物の生産額の10%まで補助金が認められている。パネルは、中国はWTOとの間で補助金を8.5%までにすると取り決めながら、2012~15年に小麦やコメの生産農家に13~30%の補助金を出していたと認定した。中国は算出方法を巡り反論したが、認められなかった。
一方、米国はトウモロコシ農家の補助金についても問題としたが、パネルは提訴時には補助金が打ち切られていたとした。
米政府は16年に「補助金は米農産物を中国市場から閉め出す措置だ」として提訴した