2019年04月01日-04月05日
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北京市、中国初の自動運転車路上テストの成果を発表

2019年04月02日

 北京コネクテッドカー産業革新センターが作成した「北京市自動運転車路上テスト2018年度活動報告書」が1日に発表された。テストに参加した中国内・海外企業8社の有効な自動運転車54台が北京市で行った自動運転路上テストの情報とデータが明らかになった。科技日報が伝えた。

 北京市自動運転テスト管理共同作業グループへの取材によると、北京市は「テスト場・道路・エリア」という段階的な自動運転テスト管理政策を実施している。自動運転テストナンバープレートを申請するすべての自動運転車は、閉鎖試験場で5000キロ以上の訓練を行い、車両の安全技術検査に合格してから路上テストに進むことができる。

 当面、北京市自動運転車テスト評価・産業化推進の重点となっているのはL3(自動運転の条件を備え、自動運転システムによって運転の操作を行う。人間の運転手がシステムの要請に基づき干渉する)以上の自動運転車だ。2018年のテストにおいて、テスト車両にはルール違反、違法行為、交通事故が発生しなかった。テスト道路周辺の交通環境に悪影響を及ぼさなかった。研究開発テストから実証実験及びビジネスモデルの模索に移る基礎を概ね備えている。

 2018年のテストデータを見ると、道路交通環境は自動運転システムの感知能力に大きな課題をもたらす。体系的で大規模なテストを行う企業は、開放された道路の通常シーンに対応する能力が高い。各社の自動運転製品は研究開発段階にあり、開放的な道路におけるより多くの、より効果的なシーンを入力することで、自動運転システムを改善する必要がある。

 一方で、テスト中に発生し解消された自動運転システムの問題は百種以上にのぼった。これにはルール設計、車両のモデリング、センサーの校正、制御システムの校正、改良プラン、地図の測位、感知アルゴリズム、ルート検索、執行制御など多岐にわたる。うち交通ルール遵守メカニズムが不健全、障害物識別のミスもしくは識別漏れ、車両モデリングの本物らしさの不足、制御の精度が不安定といった問題が多く存在している。これは体系性がなく、テストが小規模な企業の間で際立っている。

 百度が2018年3月に初となる北京市自動運転路上テスト用ナンバープレートを取得した後、北京市は8社の56台の自動運転車に路上臨時テストナンバープレートを発給している。自動運転車の路上テスト安全走行距離は15万3600キロ以上。うち百度は45枚のテストナンバープレートを取得後、3四半期で14万キロを走行し、テスト走行全体の91%を占め、唯一の規模化テスト企業になった。

 百度への取材によると、同社は昨年末に長沙市で、L3、L4レベルで多くの車種が高速走行するシーンにおける、全国初の自動運転車・道路連携デモンストレーションを実行した。百度自動運転タクシーチームは今年下半期に、長沙市で運営を開始する見通しだ。

 北京市は近年、コネクテッドカー全産業チェーンの展開を加速しており、コネクテッドカー産業体制が大まかに構築されている。北京市は中国全土で自動運転路上テストの距離が最も長く、開放的な路上テスト道路が最も多く、最も広いシーンをカバーしている都市になっている。テストナンバープレートの発給規模、テスト企業の数、車種の豊富度で中国一になっている。

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