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ゲノム編集、効果は限定的=エイズ治療、問題は生じず

2019年09月12日

 ゲノム編集技術を応用してエイズの治療を図る臨床試験の結果を中国・北京大などのチームが11日、米医学誌に発表した。患者に安全面の問題は出ていないが、効果は限定的だった。 チャイナ・ウオッチが、ワシントン発共同通信電として伝えた。

 今回使われたクリパー・キャス9という技術は効率良く遺伝子を改変できるため、さまざまな病気の治療に応用が検討されている。先行する成果として注目されそうだ。

 チームは2017年、エイズウイルス(HIV)に感染しエイズと診断された男性患者に、別の男性から提供された白血球のもとになる細胞を移植した。CCR5という遺伝子が機能しない白血球はHIVに感染しにくいことに注目し、この遺伝子を改変してから移植した。

 その結果、遺伝子改変された細胞は約1年半、患者の体内で持続的に確認されたが、投薬なしでウイルスの増殖を抑えるには不十分だった。患者は急性リンパ性白血病も発症しており、移植後に白血病は落ち着いた。

 クリスパー・キャス9で懸念されている、意図しない遺伝子の改変や遺伝子改変による副作用はなかった。

EV市場35年に2千万台超=中国けん引、富士経済予測

2019年09月11日

 世界の電気自動車(EV)の新車販売台数は2035年に2202万台に達し、プラグインハイブリッド車(PHV)の1103万台やハイブリッド車(HV)の785万台を大きく引き離すとの乗用車市場の予測を富士経済がまとめた。最大市場の中国や欧州がけん引する。環境対応車で開発競争を繰り広げる自動車メーカーの勢力図は、EV開発の成否次第で大きく変わる可能性がある。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 18年実績はEVが130万台、PHVが62万台、HVが233万台だった。35年には18年比でEVが16・9倍、PHVが17・8倍、HVが3・4倍となる見通しだ。

 EVは各国での優遇施策や走行距離が伸びた車種が登場したため、18年の販売台数は前年比で約7割伸びた。今後もバッテリーの性能向上や量産化による部品の価格低下などで、着実に市場の伸びが期待できるという。

 PHVは環境規制が強まる中国や欧州で導入が進んでいる。今後も多くのメーカーが新車種を投入するとみられ、市場拡大が予想される。トヨタ自動車など日本メーカーが強いHVは、中国や東南アジアで需要が見込まれる。ただ、本格展開するメーカーが限定的なため、小幅な伸びにとどまる見通しだ。

 EVは、ガソリン車などと比べてメーカーや販売店の利幅が薄いとされる。富士経済はEV普及には「収益性の向上や、電力供給を含めたインフラの整備が課題となる」と指摘している。

中国が極地観測専用の小型衛星打ち上げへ

2019年09月10日

 中国は今月、極地観測に特化した初のリモートセンシング小型衛星を打ち上げる。中国大学極地共同研究センターへの取材で分かった。チャイナ・ウオッチが新華社の報道を引用した中国通信=共同通信電として伝えた。

「氷路衛星」(京師衛星とも呼ばれ、コード名はBNU―1)と名付けられたこの衛星は重さ約10キロで、中解像度カメラと高解像度カメラ各1台を搭載しており、5日のうちに南極と北極を完全にカバーすることができ、氷山の移動や棚氷の崩壊に対するモニタリング能力を高めることができる。

 そのほか、この衛星には船舶自動識別システムが搭載されており、衛星のリモートセンシングを船舶の航行と結び付け、極地船が航行ルートを計画する際にリスク評価を行うことができる。

 このプロジェクトの首席科学者を務める程暁氏は次のように述べた。衛星の開発に16カ月を費やし、その設計寿命は1~2年である。衛星データはさらにグローバルな気候変動と環境の変化および北極航路の開拓に用いられる。

 衛星データのタイムリーなダウンロード処理と配信を実現するため、この衛星は北極の高緯度衛星地上局を拠り所としてデータ受信を行い、このデータをリアルタイムで国内に伝送し、地上の処理システムが処理した後、インターネットで配信する予定。

中国、追加金融緩和13兆円=預金準備率0.5%下げ

2019年09月09日

 中国人民銀行(中央銀行)は6日、金融機関から強制的に預金の一定割合を預かる預金準備率を0.5%引き下げる追加金融緩和措置を発表した。16日から実施する。市場に計9千億元(約13兆5千億円)の資金を供給する効果があるとしている。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。

 準備率の全面的な引き下げは1月以来で、米中貿易摩擦で減速する経済を下支えする。 大手銀行の場合、準備率は13%に低下する。地方銀行に対してはさらなる預金準備率の引き下げを実施する。中小・零細企業に積極的に融資するよう促し、企業業績の悪化を防ぐ。 10人民銀行は準備率を昨年から段階的に引き下げている。6日の声明では 「ばらまきはせず、安定した金融政策を維持する」と強調した。

 中国では製造業を中心に業績低迷が目立つ。中国政府は減税や金融分野の外資規制緩和、自動車購入を促す消費刺激策といった景気対策を相次いで打ち出している。8月には、各銀行による企業への貸出金利を実質的に下げる新制度を人民銀行が導入した。

 米中貿易摩擦では9月、両国が互いに追加関税を発動している。10月に開かれる予定の閣僚級貿易協議は難航が予想される。

中国副首相、金融改革訴え=経済押し下げ圧力「拡大」

2019年09月06日

 中国の劉鶴副首相は5日、政府の金融安定発展委員会の会議に出席し、金融部門での改革開放の強化を訴えた。チャイナ・ウオッチが、中国メディアの報道を引用した北京発共同通信電として伝えた。

 劉氏の発言は、米中貿易摩擦による景気の減速を踏まえ、中小企業への融資などを中心に経済の下支えを進める構えを示したものとみられる。会議で劉氏は「国内外の金融経済は新たな情勢に直面しており、経済の押し下げ圧力はやや拡大している」と認めた。その上で、民間企業、中小企業への融資の安定化や、金融管理体制の厳格化を求めたという。

 劉氏は5日午前にライトハイザー米通商代表らと貿易摩擦を巡り電話協議し、10月の閣僚級協議開催を決めたばかり。同時に、国内の地方政府や金融機関にハッパを掛けたとみられる。

核ごみ処理、内陸部で実験=中国、「安全」強調

2019年09月05日

 中国政府は4日、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場に関し、地下に埋めるための「実験室」を内陸部の甘粛省に建設する方針を明らかにした。中国は原発を増やす意向で、廃棄物についても「安全」を重視すると強調している。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 生態環境省の担当者によると、2020年までに地下実験室の建設を始める計画で、甘粛省で予定地を選定した。地下500~600メートルの深さで適合性を確かめる。処分場は別の場所になる可能性もあるとしている。

 中国政府は3日発表した原発の安全性に関する白書で、廃棄物の「安全処理」を強調していた。中国の原発は今年6月時点で47基あり、さらに11基を建設している。

地方創生で中国と覚書=先端技術の都市づくり協力

2019年09月04日

 片山さつき地方創生担当相は3日の記者会見で、中国政府と地方創生に関する覚書を締結したと明らかにした。8月30日付。先端技術を生かした都市づくりを目指す「スーパーシティ構想」分野で情報共有などの協力を強化することが柱。

 片山氏は「地方の魅力を中国に積極的に売り込みたい」と述べた。1月に中国を訪れ、スーパーシティ構想に取り組む地区を視察していた。

残留農薬の規格改定=中国、規制対象を大幅拡大

2019年09月03日

 チャイナ・ウオッチがNNA配信として伝えるところによると、中国農業農村省と国家衛生健康委員会、国家市場監督管理総局(市場監管総局)はこのほど、食品に含まれる農薬の最大残留限界に関する新たな国家規格を制定した。対象となる農薬の種類や規制項目を大幅に増やした。農業農村省が公式ウェブサイトで明らかにした。

 今回制定した2019年版の国家規格では、483種類の農薬について、356種類の食品における7,107項目の最大残留限界を定めている。従来の16年版と比較すると、農薬の種類は50種類、最大残留限界の項目数は2,967項目増えたことになる。

 19年版は中国で使用が認められた農薬を全て網羅しており、栽培量が少ない農作物や動物性食品、輸入食品についての規格を充実させるなどの改定も行った。対象となる農薬の種類と最大残留限界の項目数は、国際食品規格委員会(コーデックス委員会)が定める基準を初めて上回ったという。

コストコ上海店に行列=中国、購買力アピール

2019年09月02日

 米小売り大手コストコホールセールは1日までに上海で中国1号店をオープンし、行列ができるほどのにぎわいを見せている。米中貿易摩擦を巡りトランプ米政権は米企業の中国撤退を求めているが、中国メディアは中国市場の購買力の大きさを証明したとアピールしている。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 開店は8月27日。海外メディアによると、初日は買い物客が押し寄せて混乱、周辺の道路も大渋滞した。28日は入店制限したが、それでも多くの人が詰めかけたという。

 中国国営通信の新華社は、コストコの盛況は「中国市場の外資に対する巨大な吸引力」を表していると強調。米企業の撤退論に冷や水を浴びせたと意気盛んだ。

 中国政府は貿易摩擦で低迷する景気をてこ入れしようと、消費拡大策に力を入れている。先日は、高島屋が上海市などの協力が得られたとして、現地店舗の閉鎖を寸前で踏みとどまった。