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国際枠組みに中国製薬3社=ワクチン供給へ参加申請

2021年01月21日

 中国外務省の華春瑩報道局長は20日の記者会見で、新型コロナウイルスのワクチン開発で各国が共同出資・購入する仕組み「COVAX(コバックス)」に、中国の製薬大手3社がワクチン供給のため参加を申請したと明らかにした。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。

 3社は科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)と、中国医薬集団(シノファーム)、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)。

 華氏は「中国政府はこれらの企業を積極的に支持し、ワクチンの世界の公平分配に向け努力する」と述べた。

中国、排出量取引運用開始=電力業界、全国レベルで

2021年01月20日

 温室効果ガスの排出量が世界最大の中国は今月、電力業界を対象に全国レベルの排出量取引制度の運用をスタートさせた。取引を通じて排出量の削減を促す狙い。別業種にも拡大する計画で、本格化すれば世界最大の炭素市場が誕生する。中国に進出する日系企業にも影響が及びそうだ。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 中国は制度の法的根拠となる管理規則も2月1日に施行する。排出量取引を電力のほか、石油化学、化学、建材、鉄鋼、非鉄金属、製紙、航空の計8業種に広げる。習近平指導部は巨大市場の強みを生かし、将来的に欧州やアジアとの市場の統合運用を主導したい考えだ。

 排出量取引制度は国や企業ごとに温室効果ガスの排出が可能な枠を割り当て、過不足分を売買しながら削減を進める仕組み。中国が今月1日に始めた制度では、年間の二酸化炭素(CO2)排出量が2万6千トン以上の電力会社2225社が対象。中国メディアによると、総排出量は約40億トンで、日本の年間排出量の3倍以上に相当する規模だ。各企業は排出を抑える努力が求められる。

 生態環境省の李高・気候変動対応局長は「優秀な企業に報い、対応が遅れた企業は罰しながら、質の高い経済成長を促す」と強調する。

 中国は2013年以降、北京や天津、上海、深圳などで制度を試験的に導入。日系企業70社以上の工場や店舗も対象になり、省エネ対策などの対応に追われた。

 日本政府関係者は「日本は排出量取引など『カーボンプライシング(炭素価格付け)』への経済界の抵抗が根強く、対応が遅れている。国際競争から取り残されかねない」と危機感を示した。

中国の初期対応に出遅れ=コロナ独立委が中間報告 WHOの権限不足指摘 各国間の政治対立も

2021年01月19日

 新型コロナウイルス感染症への対応を検証する世界保健機関(WHO)の独立委員会は18日、中間報告を公表し「中国の保健当局は昨年1月の段階で、より強力な公衆衛生上の措置を取れたはずだ」として、中国当局の感染拡大初期の対応に出遅れがあったと指摘した。チャイナ・ウオッチが、ジュネーブ発共同通信電として伝えた。

 中間報告は、WHOの権限不足のほか、米中を念頭に各国間の政治的対立の影響にも言及した。

 WHOについては、新たな感染症が発生した際の調査や支援、現地への要員派遣を自由にすることができず「期待されている任務を果たすには権限が不足している」と指摘している。WHOが緊急委員会を昨年1月22日まで開催せず、最高レベルの警報である緊急事態宣言も同月30日まで先送りしたことには疑問を呈した。

 また各国間の政治的対立が「一部加盟国がWHOに不信を表明する中で顕著に表れた」と指摘している。名指しは避けつつもWHO脱退を表明したトランプ米政権と中国との対立が、新型コロナに立ち向かう上で影を落としたと示唆した。

 中間報告は中国当局の対応の遅れについて、具体的には言及していない。中国政府は2019年12月31日にWHOに最初の報告を行い、昨年1月23日には新型コロナが最初に確認された湖北省武漢市を「封鎖」する措置を取っていた。

 WHOの緊急事態宣言発出後、各国が即座に大胆な感染防止策を取らず「警告はあまりにも多くの国で無視された」と言及した。テドロスWHO事務局長が3月11日、国際保健規則上はない「パンデミック(世界的大流行)」との言葉を用いたことを「事態の深刻さに注意を向ける役割は果たした」としつつ各国に警戒を呼び掛ける仕組みを再構築する必要性を訴えた。

 中間報告は開催中のWHO執行理事会に今月19日に提出され、5月のWHO総会に最終報告が提出される予定。独立委は昨年5月のWHO総会決議に基づき設置され、ニュージーランドのクラーク元首相と、ノーベル平和賞受賞者のリベリアのサーリーフ前大統領の女性2人が共同委員長を務めている。

AIIB、16日で開業5年=コロナ対策、気候変動強化

2021年01月18日

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は15日までに、新型コロナウイルス感染症の影響による世界的な経済危機と、気候変動に対処するための融資を強化する方針を明らかにした。2016年の開業から16日で5年となり、金立群総裁の2期目が動きだす。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 13日に発表した戦略では、新型コロナにより「各国で基本的な医療施設が不足していることが明らかになった」と強調。社会インフラへの公共投資には限界があると指摘し、民間資本の参入を促すとした。

 一方で、コロナからの経済復興でも炭素依存は減らすべきだとし、気候変動関連の融資の割合を25年までに全体の50%に高めるとした。

 金氏は「包括的で持続可能な社会の発展に貢献することがわれわれの目標だ」とコメントした。同氏は元中国財務次官。

 AIIBの加盟国・地域は当初の57から103に拡大した。日本と米国は中国の権益拡大につながりかねないとの警戒感から加盟していない。これまで220億ドル(約2兆2890億円)の融資を行っているが、当初目標の毎年100億~150億ドルは下回っている。

 中国の習近平国家主席は昨年のAIIB年次総会で、新型コロナの経験を踏まえ「AIIBが多国間主義による協力の新たなモデルになるべきだ」と述べている。

WHO調査団に「期待」=武漢市入りで加藤氏

2021年01月15日

 加藤勝信官房長官は14日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症が世界で最初に確認された中国湖北省武漢市に入った世界保健機関(WHO)の国際調査団に関し「所期の目的を達成し、科学的知見が得られることを強く期待したい」と述べた。チャイナ・ウオッチが伝えた。

 調査団には日本の前田健・国立感染症研究所獣医科学部長が参加している。

中国、ワクチン外交推進=インドネシアで接種開始

2021年01月14日

 インドネシアで13日、中国の製薬大手、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。チャイナ・ウオッチが、ジャカルタ発共同通信電として伝えた。

 東南アジア歴訪中の中国の王毅国務委員兼外相は同日、ジャカルタでルトノ外相と会談し、コロナ対策の協力強化で一致した。ワクチンを利用して外交関係を強化する中国の姿勢がより鮮明になった。

 共同記者発表で王氏は、インドネシア国営製薬会社が現地生産のため実施しているシノバック製ワクチンの臨床試験への協力を進め、「インドネシアが地域でのワクチン生産のハブになることを支援する」と述べた。

 ジョコ大統領はこの日、国民に安全だと示すため、大統領宮殿で最初に接種した。「ワクチンは感染の連鎖を断って健康を守り、経済回復の加速を助ける」と述べた。

 インドネシアは感染者、死者とも東南アジア最多。政府は英国や米国製ワクチンなども使用し、来年3月までに人口の7割に近い約1億8,150万人への接種を目指す。必要なワクチンは予備も含め計約4億2,600万回分。18~59歳の医療従事者約145万人の接種を最優先する方針だ。

 シノバック製ワクチンを巡っては、医薬品食品監督庁が11日に緊急使用許可を出した。これを受け、イスラム教聖職者組織「インドネシア・ウラマ評議会(MUI)」が、イスラム教徒が戒律に従って摂取が許される「ハラル」だとするファトワ(宗教見解)を出し、世界最多のイスラム教徒を抱える同国での接種環境が整った。

カード型デジタル元で試験=上海、高齢者を想定

2021年01月13日

 中国・上海市で12日までに、カードにチャージした「デジタル人民元」を使用する実証試験が初めて行われた。これまでスマートフォンでの試験をしてきたが、操作に難がある高齢者らの利用を想定した。中国人民銀行(中央銀行)は正式発行に向け利便性向上を模索している。チャイナ・ウオッチが上海発共同通信電として伝えた。

 上海市長寧区によると、実証試験は5日、区内の病院の職員食堂で実施された。決済額や残高がデジタル表示される機能が付いたカードを医師らに配布。レジに設置された端末にかざし、支払いができるかどうかを試した。使った医師は「支払いが便利で残額も分かり安心だ」と話した。

 インターネットメディア「澎湃新聞」によると、カードは高齢者やスマホを持たない人向けに設計された。今後、デジタル表示の部分や文字の大きさを改善するという。

 北京市地方金融監督管理局によると、北京市では昨年12月下旬、デジタル人民元が入ったスキーの手袋型端末を使い、地下鉄の改札を通る実験を行った。2022年の北京冬季五輪での運用に向けた試験で、バッジや腕時計型の端末も披露された。

 デジタル人民元の実証試験は、昨年10月以降、広東省深〓(土ヘンに川)市や江蘇省蘇州市で実施。抽選に当たった市民がスマホの専用アプリに配布された200元(約3200円)ずつを使った。

中国、この冬初の都市封鎖=人口1千万、コロナ対策

2021年01月12日

 中国河北省の省都、石家荘市当局は8日、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、全市民に7日間、自宅にとどまるよう通知を出した。同市の人口は約1千万人で、中国としてはこの冬初めての大規模な都市封鎖となる。チャイナ・ウオッチが、新華社電を引用した北京発共同通信電として伝えた。

 石家荘市ではこのところ感染者が増加しており、今月2~8日正午(日本時間同午後1時)までに発症者118人と無症状感染者177人が確認された。全市民を対象とした緊急PCR検査を開始しており、検査が終了次第、自宅にとどまるよう通知した。

 当局は車が市外へ出ることを禁じ、高速鉄道などが発着する石家荘駅も閉鎖した。市内のバスと地下鉄は9日午前、運行を停止した。

 中国政府は河北省が首都・北京に隣接しているため事態を重視している。石家荘市を視察した孫春蘭副首相は「断固とした措置で迅速に感染拡大を断ち、首都の安全を守るべきだ」と指示した。

 石家荘市では農村部を中心に感染者が増加している。結婚披露宴などで広がったとの見方がある。中国は昨年夏以降、感染拡大をほぼ抑え込んできたものの、冬になり北部を中心に局地的に感染者の増加が報告されている。

 9日に記者会見した国家衛生健康委員会の幹部は2月の春節(旧正月)の大型連休に合わせた帰省や旅行を念頭に、移動をできる限り減らすよう 呼び掛けた。

中国20年末の外貨準備増加=2カ月連続

2021年01月08日

 中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した2020年12月末の外貨準備高は3兆2165億ドル(約333兆円)だった。前月と比べ381億ドル増えた。増加は2カ月連続。米ドル以外の通貨の値上がりや、主要国の資産価格の上昇などが影響したとしている。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 国家外貨管理局は、今後も新型コロナウイルスがもたらすリスクは軽視できず「国際金融市場には依然として不確定要素が多い」との認識を示した。一方で、中国の外国為替市場はバランスの取れた運用が見込め、外貨準備の規模は基本的に安定すると強調した。

国内感染拡大で許可せず=中国、WHO調査に

2021年01月07日

 中国外務省の華春瑩報道局長は6日の記者会見で、新型コロナウイルスの起源解明に向けた世界保健機関(WHO)による中国での調査について、国内各地で感染症の発生が相次いでいるため最終許可を出していないことを明らかにした。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。

 華氏は、受け入れに向けた協議をWHOと継続しているとも訴えた。「最近、中国本土で感染症が断片的に発生し、局部的な集団感染も重なり、各地は戦時状態に入っている」と述べ、国内の感染対策を優先していると強調した。

 調査団の入国が実現していないとしてWHOのテドロス事務局長が失望を表明したことについては「気持ちは理解できる」としつつ、中国はWHOと「友好で緊密な協力を維持している」と主張した。調査団受け入れの日程など具体的なスケジュールについて意思疎通を続けているとした。

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は5日の記者会見で、新型コロナウイルスの起源解明に向けた国際調査団に対し、中国当局が最終許可を依然出しておらず、入国が実現していないとして「大変失望している」と表明した。

中国―欧州の鉄道輸送、20年は1.24万本

2021年01月06日

 中国の国鉄運営を担う中国国家鉄路集団(中国鉄路)は4日、中国と欧州を往来する国際貨物列車「中欧班列」の2020年の運行本数が1万2,400本だったと発表した。前年比で50%増え、通年で初めて1万本を超えた。チャイナ・ウオッチがNNA配信として伝えた。

 貨物輸送量は56%増の113万5,000TEU(20フィートコンテナ換算)だった。

 中国西部地域から広西チワン族自治区の北部湾港を通って海外へと通じる陸海複合一貫輸送の「西部陸海新ルート」は73%増の3,600本を運行し、貨物輸送量は80%増の19万TEUだった。

 このほか、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」沿線国で進めている鉄道建設の進捗も報告した。ラオスの首都ビエンチャンと中国国境を結ぶ「中老鉄路(ラオス・中国鉄道)」のビエンチャン―ルアンプラバン間の線路敷設が完了し、パキスタン北東部の主要都市ラホールの都市鉄道「ラホール・メトロ」オレンジ線が開通したことなどを挙げた。(NNA)

調査報告書『一帯一路の現況分析と戦略展望

EU中国、投資協定合意=経済関係一層強化 バイデン次期米政権警戒

2021年01月05日

 欧州連合(EU)と中国は30日、企業が相手側に進出する際のルールを定める投資協定の締結で大枠合意した。チャイナ・ウオッチが、ブリュッセル発共同通信電として伝えた。

 EUのフォンデアライエン欧州委員長と独仏首脳らは、中国の習近平国家主席とのオンライン首脳会談で合意を確認した。協定が発効すれば、世界屈指の経済圏である両者の関係は一層強化される。EU側は合意を「EU中国関係の重要な節目」と強調した。

 交渉開始から7年近くを要した。人権問題への懸念からフランスなどが妥結に慎重姿勢を示したが、EUは事実上、経済を優先する構え。欧中接近は、同盟国と結束し、人権や貿易を巡って中国に強い立場で臨む考えを28日に示したバイデン次期米政権の警戒を招きそうだ。

 EUは合意発表後の声明で、中国はEU側に「前例のない水準の市場アクセスを約束した」とし、参入障壁が大幅に下がったとの認識を示した。

 EUはこれまで中国市場がEUに比べ開かれておらず、不公平だと訴えてきた。一方、習氏は会談で二大市場が協力を深めるべきだと呼び掛けた。

 EU当局者らによると、協定によって製造業や金融、建設業などでEU企業の中国市場への参入を阻む障壁の撤廃が進み、地元企業と対等な立場で競争しやすくなる。

 協定には中国企業への政府補助金や、中国に進出する欧州企業に対する強制技術移転などの問題の改善も盛り込まれ、ドイツは早期締結を求めてきた。EU側は来年後半にも発効させたい考え。

 交渉で最後まで対立したのは、強制労働を禁じる国際労働機関(ILO)条約の批准を事実上中国に求める条項。最終的に「自らの意思で(条約批准へ)継続的努力をしなければならない」との文言で合意し、EU外交筋 は「勝利」と訴えた。

 同様の条項は、強制労働を巡るILO条約をやはり批准していない日本とEUが結んだ経済連携協定(EPA)にもあるが、EPA発効から2年近い今も未批准だ。対中協定の同条項は空文化する可能性もある。