35年までに低炭素社会へ=中国、産業競争主導の思惑
2020年10月30日
中国共産党の重要会議が29日に採択した2035年までの長期目標の基本方針は、二酸化炭素排出量を減少に転じさせ、低炭素社会の実現を目指す方針を掲げた。世界各国が脱炭素に向けてかじを切る中で、電気自動車(EV)などの分野で産業競争をリードしたい考えだ。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
会議では「エネルギー革命の推進を加速する」ことを確認。ガソリン車や石炭火力発電を規制し、エコカーや再生可能エネルギーの導入を促進する構えだ。
21~25年の中期経済目標「第14次5カ年計画」でも「生産や生活面での(環境に配慮した)グリーンへの転換で明らかな効果を上げる」と強調。エネルギー効率を大幅に向上させるとした。
中国は二酸化炭素排出量を60年までに実質ゼロにする計画を掲げており、中長期の目標で具体策が示されるか注目されていた。
ただ中国の1次エネルギー消費のうち石炭の割合は50%を超え、経済の化石燃料への依存度は高い。新型コロナウイルスの影響で景気が低迷し、地方政府は雇用確保や税収につながる石炭火力発電への投資を増やす傾向にあり、低炭素社会の実現に向けた課題は山積みだ。
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中国、ガソリン車全廃へ=35年までに電動化徹底
2020年10月29日
中国で2035年までに一般的なガソリン車の販売ができなくなる方向となった。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
ハイブリッド車(HV)に置き換え、電気自動車(EV)などの比率も大幅に高める。世界最大の自動車市場が国を挙げて電動化を徹底した。英国やフランス、米カリフォルニア州でも同様の動きが出ており、環境技術で先行する日系メーカーも激しい開発競争にさらされそうだ。
中国自動車エンジニアリング学会が28日までに、今後の自動車製造の方向性を示すスケジュールを発表した。同会は工業情報省の指導を受けている。
35年までに「伝統的な動力に占めるHVの割合を100%にする」と明記した。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)、水素で走る燃料電池車(FCV)といった「新エネルギー車」が全体の50%を占めるとした。FCVの台数は35年に100万台にすると高い目標を掲げた。
習近平国家主席が二酸化炭素(CO2)の排出量を60年までにゼロにすると表明したことを受け「自動車業界としても低炭素化の目標を定めた」(学会幹部)という。
トヨタ自動車は中国でのHVの販売が累計100万台に達したと発表したばかり。FCVも「MIRAI(ミライ)」を商品化している。
ホンダや日産自動車は今月まで開かれた北京国際モーターショーで、EVの拡大戦略を発表している。
日本政府はこれまで、新車販売に占めるEVやFCVなど「次世代自動車」の比率を30年に50~70%まで引き上げる目標を掲げてきた。ガソリン車の全廃目標は現時点では打ち出していない。
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中国、エコカー強化方針=35年までに「電動化」
2020年10月28日
中国が環境政策を進めるため、2035年までにハイブリッド車(HV)以上の環境性能を持つエコカーを主流にし、「電動化」を強化する方針を示したことが27日分かった。一般的なガソリン車の販売が厳しくなる恐れがある一方で、環境性能に優れる日系メーカーに有利となる可能性がある。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
中国政府の意向を受けたとみられる中国エンジニアリング学会が、今後の自動車製造の方向性を示すスケジュールとして明らかにした。学会は「伝統的な動力に占めるHVの割合を100%にする」としている。トヨタ自動車は中国でのHVの販売が累計100万台に達したと発表したばかり。中国では政府の環境規制も改正され、HV販売に追い風となる見込みだ。
中国の習近平国家主席は60年までに脱炭素社会の実現を目指すと表明し、環境政策の策定を進めている。中国政府は電気自動車(EV)などの「新エネルギー車」の中国での「保有数は世界最多となった」とアピールしている。
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アリペイ、史上最大上場へ=中国、3兆6千億円調達
2020年10月27日
中国の電子商取引最大手アリババグループ傘下で、電子決済サービス「アリペイ」を運営するアント・グループが、上海と香港の両証券取引所への新規上場によって史上最高額となる約3兆6千億円を調達する見通しであることが26日、明らかになった。チャイナ・ウオッチが、上海発共同通信電として伝えた。
同社が両証取に提出した資料から判明した。同社は11月上旬に上海と香港で上場する見通し。これまでの資金調達額の記録は、サウジアラビア国営で世界最大の石油会社サウジアラムコによる294億ドル(約3兆800億円)。
アントの資料によると、上海での公募価格は1株68.80元(約1,070円)で、香港は80香港ドル(約1,080円)。株式総数はそれぞれ約16億7,070万株で、公募価格から算定すると調達額は上海と香港でそれぞれ約1兆8千億円に上る。
アントによると、アリペイの利用者は中国を中心に10億人超で電子決済サービスの草分け的存在。日本でも百貨店や家電量販店などが訪日中国客向けに導入している。
一方で決済関連データの流出などに懸念の声もあり、ロイター通信によると、米国務省はアントを禁輸措置の対象とするよう提案している。
アントは上海市場では、中国版ナスダックと呼ばれる新興企業向け株式市場「科創板」に上場する。
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中朝貿易、減少続く=コロナ対策の国境封鎖で
2020年10月26日
中国税関総署は23日、北朝鮮との9月の貿易総額が前月比19%減の2081万ドル(約22億円)だったと発表した。北朝鮮は新型コロナウイルス対策で1月末から中国との国境を封鎖、中朝貿易の減少が続いている。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
9月の北朝鮮への輸出は前月比微減の1888万ドル、北朝鮮からの輸入は同70%減の193万ドル。1~9月の貿易総額は前年同期比72・8%減の5億3117万ドルとなった。
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アビガン、中国展開へ=現地企業と提携で
2020年10月23日
チャイナ・ウオッチによると、富士フイルム富山化学(東京)は22日、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補「アビガン」を中国で展開するため、現地の製薬会社「安徽康瓴薬業(ケアリンク)」を提携先に選んだと発表した。中国でのアビガンの輸入申請などを独占的に行う。アビガンによる治療の選択肢を増やすため、共同で注射剤の開発も進める。
アビガンは新型インフルエンザの治療薬として既に承認されており、今月16日に新型コロナ治療薬として厚生労働省に承認申請した。新型コロナ治療薬は国内では「レムデシビル」と「デキサメタゾン」が認められている。
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中国、非化石燃料促進へ=新エネ車「世界最多」
2020年10月22日
中国生態環境省の趙英民次官は21日記者会見し、地球温暖化対策として石炭使用量を減らし、太陽光など非化石エネルギーの利用率の引き上げを急ぐ方針を示した。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。
趙氏は電気自動車など「新エネルギー車」の中国での販売台数は世界全体の55%に達し「保有量は世界最多となった」とアピールした。
温室効果ガス排出量が世界最大の中国は低炭素型経済への転換を図っている。趙氏によると、2019年末までに国内総生産(GDP)当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は15年に比べて18.2%減った。一方で1次エネルギーに占める非化石エネルギーの比率は15.3%に達したという。
習近平国家主席は9月にCO2排出量を2060年までに実質ゼロにすると表明した。趙氏は目標達成に向け、21~25年の第14次5カ年計画の期間中に、石炭から再生可能エネルギーなどへの転換を促し、全国レベルの排出量取引市場の整備を加速する考えを強調した。
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笑顔ならオフィス入れます=キヤノン中国が認証技術
2020年10月21日
キヤノン中国は20日、オフィスや会議室に入る際に社員の「笑顔」を認証するITシステムを発表した。新型コロナウイルス対策の体温測定も同時に行う。コロナで暗くなりがちな社内の良い雰囲気づくりに役立ててもらうとしている。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
社員や訪問者は受付などに設置したタブレット型の端末に向かって笑いかける。認証されると画面にイラストの笑顔マークが表示される。しかめ面では扉は開かない。
社員が複合機を使用する場合など、さまざまな場面で応用できるという。防犯や会議室の利用状況を管理する機能などとセットで売り込む。
キヤノン中国の江原大成副社長は「笑顔で重い気持ちをリラックスできる。ただの顔認証ではない効能をアピールしていきたい」と話した。
既に中国国内のほか、シンガポールの複数の企業で採用が進んでいるという。
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中国輸出規制、罰金明記=米国以外も対象に
2020年10月20日
中国は19日までにハイテク分野などに絡む輸出規制法の全文を公表した。安全保障上、違法と判断した企業をリスト化するほか、違法事業規模の20倍の罰金を科すことも明記している。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。
中国から材料を購入して製品をつくる企業も対象になる可能性があり、「中国排除」を進める米国以外にも幅広い網を掛ける。日本企業も巻き込まれる恐れが出てきた。
規制法は12月1日に施行する。禁輸や制限をかけるのは、軍事と核関連のほか「国家の安全や利益に関わる」物品・技術。軍事転用が可能な民間のものも含む。輸出業者は事前に部品などの最終用途を報告しなければならず、納入先での変更があった場合も届け出を義務付けた。違法で得た収入は没収する。
ハイテク部品や自動車などで中国の部品、材料を使う海外企業が、中国政府や軍事を掌握する中央軍事委員会から「中国の安全と利益を損なう」と認定される可能性がある。
トランプ米政権は中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)や中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」への制裁措置を強化している。
中国商務省は既に、国家の安全や中国企業の利益を損ねる外国企業をリスト化する制度を発表するなど対抗する動きを見せている。
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中国成長率、4・9%増=7~9月、コロナ回復続く通年プラスに弾み
2020年10月19日
中国国家統計局が19日発表した2020年7~9月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比4・9%増だった。新型コロナウイルスによる打撃からの回復の勢いが持続し、成長率は4~6月期から1・7ポイント増加した。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
1~9月期も0・7%増、感染拡大後に初めて累計で増加となった。通年でのプラス成長達成に弾みをつけた形だ。
ただ7~9月は大方の市場予測の5%台を下回った。今後は冬に向けてコロナ感染の再流行を抑え込めるかどうかも左右しそうだ。ハイテク分野での米国との対立も懸念材料となる。
9月の主要指標は、工業生産が前年同月比6・9%増だった。自動車やパソコン、集積回路(IC)などが伸びた。
消費動向を示す9月の小売売上高も前年同月比3・3%増となった。コロナの「巣ごもり需要」を反映して通信機器や化粧品などが好調だった。飲食店は苦戦している。
工場やオフィスビルへの1~9月の固定資産投資は前年同期比0・8%増だった。
中国では1月後半から感染が拡大し、経済活動が停滞。1~3月期の成長率は6・8%減と、四半期の統計がある1992年以降で初のマイナス成長を記録した。
習近平指導部はコロナ収束の見通しが立たないことから、20年の成長目標の設定を見送った。4~6月期に3・2%増まで持ち直していた。
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サンマ漁獲枠を暫定維持=国際会合延期を踏まえ
2020年10月16日
チャイナ・ウオッチによると、水産庁は15日、不漁が懸念されるサンマに関し、来年の漁期(1~12月)の漁獲枠を暫定的に2020年と同じ26万4千トンとする案を公表した。日本や中国、台湾など8カ国・地域がサンマの資源管理を話し合う北太平洋漁業委員会(NPFC)の年次会合が、新型コロナウイルスの影響で今年6月から来年2月に延期されたことを踏まえた。
昨年の年次会合では、参加国・地域が全体で漁獲できる上限を初めて導入。日本は来年の年次会合で、主に中国や台湾が操業する公海での総漁獲枠の圧縮や国・地域別の漁獲枠導入といった規制強化を目指しており、合意できれば日本の漁獲枠も減らす見通しだ。
漁獲枠を26万4千トンとするのは7年連続となるが、日本の19年の漁獲実績は4万5800トン(速報値)で実態との差は大きく、規制効果は薄い。
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米、アリババ系金融制裁案=国務省、データ流出を懸念
2020年10月15日
ロイター通信は14日、米国務省が中国電子商取引最大手アリババグループ傘下の金融会社アント・グループを輸出禁止措置の対象に加えるよう提案したと報じた。チャイナ・ウオッチが、ワシントン発共同通信電として伝えた。
米国民の決済関連データの流出などを懸念しているという。実際に制裁を発動すれば、中国の反発は必至だ。
アントは電子決済サービス「アリペイ」を運営し、香港と上海の証券取引所に新規株式公開(IPO)を目指している。米政権内の対中強硬派が米投資家のIPO参加を思いとどまらせようとしていることに加え、大統領選に向けて中国に厳しく臨む姿勢をアピールする思惑もありそうだ。
米政権はハイテク分野を中心に中国企業の排除に取り組んでいる。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は既に禁輸対象で、日本を含めた同盟国にも機器を使わないよう要求している。消費者に身近なスマートフォンのアプリにも矛先を向け、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業売却を運営会社に迫るなど締め出しを進めている。
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中国9月の輸出9%増=コロナ復調、対米もプラス
2020年10月14日
中国税関総署が13日発表した貿易統計によると、9月の世界全体に対する輸出額は前年同月比9・9%増の2397億ドル(約25兆円)だった。新型コロナウイルスによる打撃からの外需の復調を反映し、上昇率が前月から0・4ポイント拡大。4カ月連続で前年実績を上回った。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
輸入も13・2%増の2027億ドルと大きく伸び、3カ月ぶりに前年実績を上回った。内需の回復が追い風になった。輸出入を合わせた総額は、11・4%増。
貿易摩擦を抱える米国からの1~9月累計の輸入は前年同期比0・2%増え、1~2月以来のプラスとなった。
全体の輸出は、感染防止用のマスクや、在宅勤務で活用されるノートパソコンなどが伸びた。輸入では米国との貿易協議で大量購入を約束している大豆などが増加。また、アフリカ豚熱(ASF)の影響で価格が高騰している豚肉は2倍以上に膨らんだ。
人民元ベースでは1~9月の累計総額が前年同期と比べて0・7%増となり、今年初めて前年実績を上回った。
一方、中国では貿易拠点の一つである山東省青島市でコロナの感染が相次いでいる。海外での再流行も今後の貿易の懸念材料になりそうだ。
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市民950万人PCR検査=中国・青島、コロナ感染で
2020年10月13日
中国山東省青島市は12日、新型コロナウイルス感染症の発症者6人と無症状感染者6人を確認したと発表した。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。
全員が市内の病院と関連があった。集団感染の可能性がある。市は5日以内に約950万人の全市民を対象にPCR検査を実施する。
感染は11日以降に相次いで判明した。当局は感染者が出た病院や居住地周辺を封鎖した。市民のPCR検査を急ぎ、既に27万人超が検査を終えたという。中国メディアによると、検査場には長い行列ができた。
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デジタル元を市民に配布=中国が実用化へ試験運用
2020年10月12日
中国広東省深圳市は10日までに「デジタル人民元」を市民に配布すると発表した。中国人民銀行(中央銀行)と連携した試験運用の一環として、実際にスマートフォンで使ってもらうという。チャイナ・ウオッチが新華社などの報道を引用した北京発共同通信電として伝えた。
人民銀は既に中国各地でデジタル元の試験を進めているが、実用化を見据えさらに踏み込んだ形だ。中央銀行デジタル通貨(CBDC)を巡っては、中国主導を警戒する日米欧も導入に向けて作業を加速しており、今回の取り組みは関心を呼びそうだ。
配布総額は計1千万元(約1億5700万円)。抽選で1人当たり200元を配る。専用のアプリをダウンロードして使う。
期間は12~18日で、市内の一部地域の3千を超える店舗での支払いに利用できる。支払いの際には、一般的なキャッシュレス決済のようにインターネットにつなぐ必要はないとしている。
デジタル通貨は当局に市民のお金の使用状況が把握されるという懸念も出ているが、新華社は「匿名性は保たれる」と伝えた。
日本もCBDC発行へ検討を本格化させており、日銀は9日、実現可能性を検証する実証実験を2021年度の早い時期に開始する考えを表明した。
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中国:海外依存脱し製造業強化=半導体、制裁で苦境
2020年10月09日
「要となる核心技術をしっかりと掌握しなければならない」。9月17日、湖南省長沙市。視察先の建設機械メーカーで中国の習近平国家主席はこう力を込め、自国の製造業強化の必要性を訴えた。チャイナ・ウオッチが上海発共同通信電として伝えた。
習指導部は2015年、産業発展戦略「中国製造2025」を発表した。次世代情報技術や新エネルギー車など10分野を重点産業と位置付け全面的に支援。25年までに製造強国に仲間入りし、建国100年となる49年までに世界トップクラスとなることを掲げる。しかしトランプ米政権による度重なる中国企業への制裁で、思い描くようには進んでいない。
5G移動通信システムや人工知能(AI)に欠かせない半導体産業は海外の製品や技術に頼る部分が大きい。そのため、米国の格好の標的となり苦境に陥っている。
中国の半導体受託製造大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は10月4日、米政府が同社に対する米国製設備などの輸出規制を一部の取引企業へ通知したと発表。半導体製造技術は米企業が強く、今後の生産に不安を抱える。
ファーウェイも9月15日に米国が発動した禁輸措置に伴い、世界最大手の台湾メーカーから最先端半導体を入手できなくなった。SMICからも供給を断たれれば、高性能と低価格を武器に世界を席巻しつつあったスマートフォンや5G基地局設備の生産が見通せなくなる。最近は同社幹部が弱音を漏らす場面が増えている。
ティックトックもファーウェイと同様に世界的シェアを獲得したことで、大量の個人情報が中国政府に渡ることを警戒され米政府の制裁対象となった。「米政府は海外企業が米企業を大きくリードすると権威主義的な手法に頼る」(中国メディア)と中国側の反発は大きい。
中国政府は製造業の「脱米国依存」を急ぐ考えで、中国科学院の白春礼院長は半導体などが「米国に死命を制されている分野」と指摘。官民一体で研究開発を強化すると宣言している。
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中国9月の外貨準備減少=コロナ再流行が影響
2020年10月08日
中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した9月末の外貨準備高は3兆1,425億ドル(約333兆円)と、前月と比べ221億ドル減った。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた
減少に転じるのは6カ月ぶり。海外での新型コロナウイルス感染症の再流行や主要国の金融政策など複合的な要因が影響したとしている。
国家外貨管理局は、感染拡大と世界経済の情勢は「依然として複雑で厳しく、不安定要素が明らかに増えている」と警戒感を示した。一方で、中国経済は安定成長に向かっており、潜在力も大きいことから外貨準備の規模は全体として安定を保つと強調した。
地裁審理、大統領選翌日に=米のTikTok禁止で
2020年10月07日
米首都ワシントンの連邦地裁は6日、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を米国で禁じるトランプ政権の措置を巡る訴訟に関し、11月4日に審理を開くと明らかにした。大統領選の翌日となる。チャイナ・ウオッチがニューヨーク発共同通信電として伝えた。
11月12日までに安全保障上の懸念が解決できない場合に全面禁止とする措置に関し、審理を踏まえて差し止めるかどうかを判断するとみられる。
同地裁のニコルズ判事は9月27日、ティックトックの主張を認め、同日夜に迫っていたダウンロードなどの禁止措置を一時差し止めた。判断理由として、禁止措置は法律の権限を越える可能性が高いと指摘していた。
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中国コロナワクチン11月実用化目指す 国内でも積極投与
2020年10月06日
新型コロナウイルス感染症のワクチン外交を進める中国政府は、国内で実用化の前に例外的に投与を認める緊急投与を積極的に進めている。9月までに35万人以上が接種したとの報道もある。国際的な開発競争をにらみ、早ければ11月にも実用化することを目指している。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。
北京市郊外にある製薬大手、中国医薬集団(シノファーム)の関連施設では9月末、臨床試験の最終段階に入っているワクチンを接種するため多くの人が訪れていた。2回接種したという女性(22)は「英国に留学するために受けた。接種している人がたくさんいたので怖くない」と語った。料金は無料だという。
米メディアによると、中国は開発段階でのワクチンについて、軍が先行して使用することを承認している。シノファーム関連会社の関係者によると、現在の接種対象は共産党・政府系企業の関係者や「特別な人脈のある」学生が中心だという。
ワクチン投与では副作用への対処が課題となる。中国政府の指揮下で開発を担う専門家は、副作用は軽微にとどまっていると説明、安全性をアピールする。だが米メディアは、中国のワクチンは治験段階で副作用が多く半数近くが発熱や疲労感などを訴えたと伝えた。
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上野の親パンダ貸与延長へ=東京都、中国側と最終調整
2020年10月05日
上野動物園(東京都台東区)で飼育されているジャイアントパンダのカップル、リーリー(雄、15歳)とシンシン(雌、15歳)について、東京都が来年2月の貸与期限を延長する方向で中国側と最終調整を進めていることが2日、分かった。小池百合子知事が定例記者会見で明らかにした。チャイナ・ウオッチが伝えた。
小池氏は会見で「パンダは愛される存在。都民の気持ちも受け、鋭意交渉を進める」と話した。子どものシャンシャン(雌、3歳)は繁殖活動のため予定通り今年12月末までに中国へ返還する準備を進めることになっており、「寂しいと思うが、理解いただきたい」と述べた。
リーリーとシンシンは2005年に中国で生まれ、日中間の協定に基づき、11年2月に上野へ来園。協定では日本側が10年間借り受け、中国側に野生動物保護への協力金名目で一定の金額を支払うとされた。
17年6月には2頭の間にシャンシャンが誕生。子どもの所有権は中国側にあり、昨年5月に返還時期が決まった。都は今年9月、リーリーとシンシン用に約30年ぶりの新飼育施設「パンダのもり」を整備。保育機能が増強され、新たな子どもの誕生が期待されている。
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中国、コンビニ倍増へ=30万店に、コロナ禍後押し
2020年10月02日
中国政府が全国のコンビニ店舗数を2022年までに現在の倍以上の30万店に増やす計画を打ち出した。新型コロナウイルスの感染拡大で人々の移動を制限した際、食品や生活必需品を提供する身近な拠点として便利さが痛感されたためだ。日系コンビニにとっても拡大のチャンスとなるが、地方都市への展開は物流網の整備が課題となる。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
中国商務省がこのほど「3年計画」として発表した。コンビニが新型コロナで「人々の生活を保障した」と評価。今後は地方都市への展開を強化し、無人店を含めた24時間営業店も増やすよう指示した。各店で生鮮食品や食事を提供し、電気、水道など公共料金の支払いができるようにするなどサービス面の強化も促す。
中国のコンビニ数は19年時点で13万店以上(中国チェーン経営協会)。日本の約5万5千店を上回り、全体の売上高は15年から倍増の2556億元(約4兆円)となった。ただ中国メディアによると、1店当たりの人口は日本が2千人超に対し、中国は1万人以上で普及密度は低く、拡大の余地がある。
協会によると、中国の店舗数トップ10のうち、ローソンが約2600店で8位、セブン-イレブンが約2100店で10位と、最大手「易捷」(約2万7600店)とは距離がある。ローソンの担当者は「中国でコンビニの役割は高まっている。生活レベルの向上で消費者の嗜好の変化が起こっており、対応が求められる」と述べ、店舗拡大に意欲を示した。
コロナ被害が最も深刻だった湖北省武漢市の現地コンビニ「Today」は、日系コンビニのようなサンドイッチやおにぎりを武漢市民の好みに合う具材で販売し、好評だという。
ただ中国では低温管理で食材の鮮度を保つ物流方式「コールドチェーン」がまだ弱いことが、地方への店舗普及のネックだ。中国インターネット通販2位の京東集団(JDドット・コム)やパナソニックが、冷凍・冷蔵物流の強化に乗り出している。
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コロナ起源調査で協力=中国、WHOと一致
2020年10月01日
中国国家衛生健康委員会の馬暁偉主任は30日、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長と電話会談し、新型コロナウイルスの起源を探す調査で協力を続けることで一致した。同委員会が発表した。チャイナ・ウオッチが、北京発共同通信電として伝えた。
馬氏は「中国はWHOの専門家の訪中を2回受け入れ、率直かつ深く交流した」と述べた。新型コロナを巡る調査に協力的でないとする国際社会の懸念を意識したとみられる。委員会は、中国によるウイルスの起源の研究などをテドロス氏が称賛したとしている。
中国は湖北省武漢市が新型コロナの発生源かどうかは分かっていないとの立場で、外務省の報道官が「米軍が感染症を武漢に持ち込んだのかもしれない」と主張したこともある。
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