中国人科学者 再生歯の生成に成功

2013年 8月2日

 中国科学院が明らかにしたところによると、中国科学院広州生物医薬・健康研究院の裴端卿研究員が率いる研究チームは、被験者の尿から分離した誘導多能性幹細胞(iPS細胞)を利用し再生歯を生成した。科学者がヒトのiPS細胞を利用し再生器官を生成したのは、これが初めてとなった。同研究成果は30日に、学術誌「Cell Regeneration」のウェブ版で発表された。人民日報が伝えた。

 情報によると、科学者はこれまでも尿から安定的なiPS細胞を得ることに成功しており、かつこれを神経細胞や心筋細胞などの異なる細胞に分離できたが、これを利用し再生器官を生成することは不可能だった。

 裴研究員が率いる研究チームは、ヒト?ネズミの組織を組み合わせた培養システムにより、ヒトの尿の多能性幹細胞を利用し、再生歯を生成することが可能であることを裏付けた。同システムは正常な歯の生成・発育の過程における上皮?間葉系幹細胞の相互作用をシミュレートした。まずiPS細胞を上皮状の膜状構造に分離し、さらにネズミの歯胚の間葉系幹細胞と組み合わせ、得られたサンプルを免疫に欠陥のあるネズミの体内に移植し、3週間後に歯の構造を形成した。

 裴研究員は、「これらの歯の構造は、ヒトの歯の正常な構造を持っている。これには上皮の部分から派生して得られたエナメル細胞やエナメル、間葉系幹細胞から発育した牙質細胞、牙質、歯髄、セメント質などの構造が含まれる。またこれらの歯の構造は正常なヒトの歯と同じ、硬度、ヤング率、化学組成成分といった理化学性質を持つ」と説明した。

 裴研究員は、「この歯の再生方法にはまだ、ネズミの細胞の使用、30%の歯生成率、エナメル質の硬度の低さといった問題が残されているが、将来的にヒトの間葉系幹細胞を使用した培養システムにより、これらの問題を解消できる。同研究成果は、再生歯の臨床個性化治療の実現に向け、重要な基礎を築いた」と語った。


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