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新駐中国大使が着任=「関係構築に尽力」と抱負

2020年11月27日

 垂秀夫駐中国大使が26日、北京に到着し着任した。新型コロナウイルス対策のため、中国政府が求める2週間の隔離生活を送る異例のスタートとなった。在中国日本大使館のホームページに載せたあいさつでは「外部環境に左右されない、安定的で建設的な日中関係の構築が重要であり、その構築のために微力ながら尽力していく」と抱負を述べた。デイリーチャイナが北京発共同通信電として伝えた。

 あいさつでは、赴任前に菅義偉首相や関係閣僚から指示を受けたほか、約150人の国会議員、100社以上の日本企業の幹部と意見交換したことを紹介した。

 日中関係については「双方が共に助け合う人間ドラマもたくさんあった。自分自身も関わっていきたい」と強調した。

 垂氏は25日、山東省青島の空港に到着。26日に北京の大使公邸に入った。

ファーウェイ排除巡り罰金=英、安全性確保へ新法案

2020年11月26日

 英政府は25日までに、第5世代(5G)移動通信システムから中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)製品を排除しなかった国内の通信事業者に対し、多額の罰金を科せるようにする法律を議会に提出した。チャイナ・ウオッチが、ロンドン発共同通信電として伝えた。

 通信網の安全性を確保するのが狙いで、法案はファーウェイなど「高リスク業者」の機器を用いないよう求める内容。違反した場合は最大で売上高の10%か、1日10万ポンド(約1,400万円)の罰金を科す。

 英政府は7月、ファーウェイ製品を2027年までに5G通信網から完全排除する方針を公表した。与党保守党の中で、香港情勢などを巡って中国への反発が強まっていることが背景にある。

 中国外務省の趙立堅副報道局長は25日の記者会見で、今回の英政府の発表を「確かな証拠もないのに、米国と歩調を合わせて中国企業に圧力をかけている」と批判した。

中朝貿易、史上最低水準=コロナ警戒、遮断徹底

2020年11月25日

 中国当局の発表で、10月の北朝鮮との貿易総額が史上最低水準に落ち込んでいたことが分かった。新型コロナウイルス流入阻止を掲げて1月末から国境を封鎖している北朝鮮側が遮断措置を徹底した結果とみられ、新型コロナへの警戒ぶりがうかがえる。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 北朝鮮は近年、貿易の9割以上を中国に依存してきた。物流遮断で経済活動や住民生活への影響は不可避とみられるが、金正恩朝鮮労働党委員長は新型コロナ対策を優先。統制強化を進める思惑も指摘される。

 19日付の党機関紙、労働新聞は「なくても生きていける物資のために国境の向こう側をうかがい、子どもらを殺すのかどうかの選択」だとし、結束して防疫活動に取り組むよう訴えた。

 中国税関総署の23日の発表によると、10月の中朝貿易総額は前月比92%減の165万9千ドル(約1億7200万円)で、前年同月の1%にも満たない。北朝鮮への輸出は前月比98%減の25万3千ドル。北朝鮮からの輸入140万6千ドル(同27%減)を下回り、通常と逆転した。

 米政府系メディア、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、中朝貿易総額が公表され始めた1998年以来、最少だ。ただ、最近は北朝鮮への石油輸出を統計に掲載しておらず、瀬取りなどによる密輸もあるとみられ、必ずしも貿易の全体像とは言えない。

 環日本海経済研究所の三村光弘主任研究員は「中国で新型コロナ感染が抑え込まれている状況でこれほどまで国境封鎖を徹底するのは、体制引き締めの狙いもあるのではないか」と指摘している。

中国国有の車メーカー破産=コロナ禍で経営悪化

2020年11月24日

 新華社によると、中国国有の自動車メーカー、華晨汽車集団(遼寧省瀋陽市)が20日、破産手続きに入った。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 新型コロナウイルスの影響で自主ブランド車の販売が低迷したのが原因。ドイツ大手BMWとの合弁事業は順調だが、全体の経営悪化をカバーできなかった。中国の破産法に基づき、事業を継続しながら負債を整理し、経営再建を目指すことになる。

 華晨はBMWの他に三つの自主ブランドを持ち、商用車でフランス大手ルノーとも合弁を組む。新華社は「コロナで自主ブランドの経営状況が一層悪化した」と伝えた。BMWなどとの合弁事業には影響しないという。

 新華社は、華晨の負債総額が523億元(約8,200億円)に上っているとしている。中国メディアによると、華晨グループの利益の大半はBMW事業に負っているという。

 中国の今年の新車販売はコロナでいったん激減した後、10月まで7カ月連続のプラス成長。ただ日本車をはじめ海外勢が好調な一方、中国の現地ブランドは苦戦も伝えられている。

 華晨は前身が1949年にさかのぼる中国自動車メーカーの名門。90年代にニューヨーク証券取引所に上場したが、後に撤退した。2000年代に入って業績は悪化していたとされている。

2012中国企業・製造業ランキング(中国企業聯合会、中国企業家協会)
2011年 中国の自動車販売台数(メーカー別)

世界各社EV新モデル注目=中国でモーターショー開幕

2020年11月20日

 中国広東省広州市で20日、「広州国際モーターショー」が開幕した。中国政府が電気自動車(EV)など「新エネルギー車」普及の計画を発表した直後で、世界各メーカーのEV新モデルの発表が注目されている。チャイナ・ウオッチが広州発共同通信電として伝えた。

 世界最大の自動車市場を誇る中国では、新型コロナウイルスによる打撃からの市場の回復傾向が持続、特にEVの好調さが目立っており、各メーカーが激しい競争にしのぎを削っている。

 トヨタ自動車は、部品共通化戦略「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を生かし、中国向けに開発した新車種を披露。中国での商品ラインアップを拡充する構えだ。

 モーターショーは、中国内外のメーカーが新エネルギー車約140台を含む計約千台を出展。29日まで開かれる。

ワクチン開発協力で合意=マレーシアと中国

2020年11月19日

 マレーシア政府は18日、中国と新型コロナウイルスの安全で効果的なワクチン開発に協力することで合意したと発表した。チャイン・ウオッチが、シンガポール発共同通信電として伝えた。

 期間は5年間で、その後は1年ずつ延長が可能という。

 合意により、マレーシアは中国が開発したワクチンの優先供給を受ける。開発のための専門知識を共有し、両国の大学や研究機関などの共同プロジェクトを支援する。

 ワクチンを巡る協力については10月13日に中国の王毅(おう・き)国務委員兼外相がマレーシアを訪問した際に協議していた。

月探査機今月下旬打ち上げへ=運搬ロケットを発射エリアに

2020年11月18日

 中国の運搬ロケット「長征5号遥5」と月探査機「嫦娥5号」は同日、文昌宇宙発射場の技術エリアで最終組み立てとテスト作業を終えた後、垂直の状態で発射エリアに運ばれた。今月下旬に時機を見て打ち上げられる予定。国家航天(宇宙)局への取材で分かった。チャイナ・ウオッチが文昌(海南省)発新華社の報道を引用した、中国通信=共同通信電として伝えた。

 今回のミッションは運搬ロケット「長征5号」シリーズによる2回目の打ち上げとなる。これに先立ち、中国初の火星探査機「天問1号」の打ち上げに成功している。

 嫦娥5号は中国の月探査プログラムにおける6回目のミッションを遂行する。月面での自動サンプルリターンを実現し、月の成因や進化の歴史などの科学研究を後押しする計画だ。これは中国の宇宙分野における最も複雑な、難度が最も大きいミッションの一つとなる。

上山文化が稲作文化の起源=約1万年前、中国の専門家

2020年11月17日

 浙江省で見つかった約1万年前の上山文化が世界の稲作文化の起源であると、上山遺跡発見20周年学術シンポジウムで専門家があらためて確認した。チャイナ・ウオッチが、杭州16日発新華社電を引用した中国通信=共同通信電として伝えた。

 水稲は世界の三大食糧作物で、人類がいつ野生水稲の馴化を開始し、栽培に適したものにしたのかという疑問に浙江省浦江県上山考古遺跡公園で見つかった炭化した約1万年前の米が答えをもたらし、稲作文化の起源がここであることの実物証拠となった。

 上山遺跡は2000年に発見された。今から1万1,400年から8,600年前のもので、代表される新石器文化が2006年に「上山文化」と命名された。この20年間、関係の考古学研究が続けられ、深められた。考古学調査チームのリーダーで、浙江省文物考古研究所研究員の蒋楽平氏は次のように語った。浙江省の銭塘江上流域と霊江流域で19カ所の上山文化遺跡を発見し、稲作農業起源の大量の実物証拠を発見した。さらに多くの遺跡が見つかる見込みが大いにある。

 14日まで開かれた上山遺跡発見20周年学術シンポジウムで中国科学院地質・地球物理研究所博士課程指導教師で研究員の呂厚遠氏は次のように説明した。農作物植物珪酸酸体鑑定法を使い、中国の学者が上山遺跡で約1万年前の馴化の特徴のある水稲珪酸体を発見した。これは当時の住民がすでに野生稲の馴化を行っていたことを示している。関係の論文は「米国科学アカデミー紀要」に掲載され、彼らが確立したこの方法は欧米の多くの教材に記されている。

 シンポジウムは中国考古学会、浙江省文化・観光庁、浙江省文物局、金華市政府の共催で、浦江で行われた。全国の多くの大学、研究機関の専門家、学者ら40人余りが参加し、稲作農業の起源について話し合い、次のように確認した。上山遺跡で水稲の収穫、加工、食用までの比較的整った証拠のつながりが見つかり、これはこれまでに世界で見つかった稲作農業跡の中で最も古いものである。上山文化は世界の稲作文化の起源地であり、中華文明形成過程の重要な起点である。

中国住宅、上昇都市減少=10月、当局が抑制

2020年11月16日

 中国国家統計局が16日発表した10月の新築住宅価格指数は、主要70都市のうち45都市で前月と比べ上昇した。上昇の都市数は前月から10都市減った。不動産価格の安定を目指す当局の抑制効果が続いているもようだ。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 北京や上海、広東省広州市といった大都市では上昇が目立った。新型コロナウイルスの被害が深刻だった湖北省武漢市も上がった。下落と横ばいは地方都市が多かった。

 中国政府と共産党は「住宅は住むためのものであって投機対象ではない」と繰り返し戒め、不動産市場が過熱しないよう各地方政府に対策を指示している。

日本、輸入商品取引で首位=5年連続、アリババ特売

2020年11月13日

 中国で「独身の日」とされる11日に実施されたインターネット通販セールで、最大手アリババグループは12日、輸入商品の国別の取引額ランキングで日本が5年連続首位だったと発表した。途中集計で上位10企業に美容健康機器メーカーのヤーマン、化粧品大手の花王、資生堂が入った。チャイナ・ウオッチが杭州発共同通信電として伝えた。

 新型コロナウイルスの流行を受け、サプリメントなど健康関連商品も人気を集めた。調理家電など自宅で使う商品の売り上げも増加したという。

 輸入商品に中国で生産した商品も加えた取引額では、米国がトップだった。米中が対立する中でもアップルの商品などが好調だったという。

 今年は3日間の先行セールを実施。新型コロナの影響で、生活必需品をまとめ買いする動きが例年以上に見られ、先行セールを含む累計取引額は4982億元(約7兆9千億円)に上った。11日だけをセール日として集計した前年の2684億元を大きく上回った。8億人以上が商品を購入し、配送の注文は23億件を超えた。

中国、自動運転50%に=25年、一定条件の車両普及

2020年11月12日

 中国が一定の条件下で自動運転する車の販売比率を2025年までに50%に引き上げる方向となった。チャイナ・ウオッチが、杭州発共同通信電として伝えた。

 工業情報省や北京市政府などが主催して11日に開かれた「コネクテッドカー(つながる車)」に関する大会で、今後のスケジュールが示された、と中国メディアが伝えた。

 ホンダが11日、高速道路での渋滞時などでシステムが走行を担う自動運転「レベル3」の搭載車を年度内に発売すると発表しており、技術競争が激しくなりそうだ。

 中国のスケジュールでは、35年にはより高度な自動運転車を「中国の広い地域で走行できるようにする」とうたった。既に各地で自動運転車の公道での走行実験が進んでいる。上海市ではシステムが全てを操作する「レベル4」の自動運転タクシーの走行実験が行われた。

 中国は35年までに一般的なガソリン車をハイブリッド車(HV)に置き換え、電気自動車(EV)などの比率も大幅に高める目標も示しており、官民で「自動車強国」に取り組んでいる。

中国、ネット独占規制か=プラットフォーム企業に

2020年11月11日

 中国政府は10日、インターネット企業の独占的な影響力を規制する対策案を発表した。当局による監視が強まる可能性がある。ネット通販最大手のアリババグループやIT大手の騰訊控股(テンセント)など、市民生活に欠かせないアプリを提供する企業も対象になるとの指摘が一部で出ている。チャイナ・ウオッチが杭州発共同通信電として伝えた。

 通販や会員制交流サイト(SNS)などのサービス基盤(プラットフォーム)を提供する分野の「独占禁止」の規則を定めるとしている。国家市場監督管理総局が発表し、意見を募っている。

 市場の支配力を行使し、不当な低価格の設定などで公正な競争を阻害することなどが規制対象に挙げられている。

 ネット企業の独占を巡っては、グーグルのインターネット検索サービスに関して米司法省などが独占禁止法違反で提訴。欧州連合(EU)欧州委員会もアマゾン・コムに対し、EU競争法(日本の独占禁止法に相当)に違反するとの暫定見解を示すなど、各国で厳しい目が向けられている。

RCEP「15日署名も」=交渉ほぼ完了とベトナム

2020年11月10日

 東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国ベトナムのグエン・クオック・ズン外務次官は9日、記者会見し、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉について、オンライン首脳会合が開かれる15日の署名もあり得るとの認識を示した。チャイナ・ウオッチが、ハノイ発共同通信電として伝えた。

 交渉自体はほぼ終わり「参加国が署名に向けた内部手続きを進めている」との認識をズン氏は示した。

 RCEPを巡っては、離脱を示唆したインドを除き、ASEAN加盟国と日中韓など計15カ国での妥結を目指し調整が続いており、首脳会合前の11日には閣僚会合が予定されている。ズン氏は「RCEP交渉は長年にわたっており、署名は各国の願いだ。地域の貿易発展の新たな起爆剤になる」と述べた。

 ベトナムは12~15日、RCEP首脳会合や東アジアサミットなどASEAN域外国も招いた一連の定例首脳会合をオンライン形式で主催する予定。

中国、人口抑制策撤廃か=減少時代へ政策転換

2020年11月09日

 14億人の人口を擁する中国の習近平指導部が、40年近く続く人口抑制策を撤廃する見通しが強まっている。人口減少時代を見据え、出産や子育てへの支援を充実させる。ただ労働人口が減り高齢化が進む流れは止まらず、指導部が掲げる2035年までの経済規模の倍増目標にも影響しそうだ。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

「人口構造の変化がもたらす課題に直面している」。習国家主席は2日、10年に1度の国勢調査が始まったことを受け、正確な人口データに基づく発展戦略を策定するよう指示した。

 中国共産党・政府が今月公表した21~25年の第14次5カ年計画の基本方針は、出産に関する政策を調整し「人口の長期的な均衡」を図る方針を明記。現行の5カ年計画で掲げている「計画出産の基本国策は堅持する」との記述がなかった。

 党機関紙、人民日報系の環球時報(英語版)は「出産抑制策は段階的に廃止される」との専門家の分析を伝えた。

 中国は16年、人口抑制のための「一人っ子政策」を廃止し、全ての夫婦に第2子出産を認めた。しかし期待していたベビーブームは起きず、出産の規制を全廃するよう求める声が高まっている。

 新たな5カ年計画では保育サービスの拡充、子育てや教育にかかる負担の軽減、老人福祉や介護事業の発展を打ち出した。ただ景気低迷に加えて新型コロナウイルスの影響で将来への不安が広がる中、若者らの出産意欲が高まる気配はない。

 中国のシンクタンク、恒大研究院は最近公表した報告書で、中国の人口は5年以内に減少に転じ、50年ごろに急速に縮小し始めると分析。労働人口の多さが成長に有利に働く人口ボーナス期は終わり、経済の潜在成長率は下がっていくと見通した。

アリババ決算、好調維持か=コロナの巣ごもり需要で

2020年11月06日

 中国の電子商取引最大手アリババグループは5日、2020年7~9月期決算を発表する。新型コロナウイルス流行に伴う「巣ごもり需要」の高まりを追い風に、中核事業のインターネット通販などが好調だったとみられる。チャイナ・ウオッチが上海発共同通信電として伝えた。

 20年4~6月期の売上高は1537億元(約2兆4千億円)で、前年同期比34%増。本業のもうけを示す営業利益は42%増の347億元だった。

 アリババを巡っては、傘下で電子決済サービス「アリペイ」を運営するアント・グループが3日、上海、香港両証券取引所への上場を延期すると発表した。

アリババ株、香港で急落=アリペイ上場延期で動揺

2020年11月05日

 中国の電子商取引最大手アリババグループ傘下で、電子決済サービス「アリペイ」を運営するアント・グループの上海と香港の両証券取引所での新規上場が直前に延期となったことを受けて、香港株式市場では4日、アリババ株が失望感から急落した。チャイナ・ウオッチが、上海発共同通信電として伝えた。

 一時前日比9%超下落するなど動揺が広がった。インターネット上ではアントの株式を上場前に公募で購入していたとみられる投資家から「資金はちゃんと戻ってくるのか」などと先行きを懸念する声が上がった。

 上海の日系証券会社幹部は「超異例の措置。『中国当局は直前にこんな介入をするのか』と外国人投資家は不信を強めることになり、中国市場にとって大きなダメージ」と指摘している。「仕切り直し後の上場規模は小さくなるだろう」と話した。

 アントは5日に両市場で上場し、上場による調達額としては過去最大の計約3兆6千億円となる見通しだった。しかし、同社幹部が中国証券監督管理委員会などから管理監督上の指導を受け、3日に上場延期を余儀なくされた。アリババ創業者の馬雲氏が10月に中国の金融当局を批判する発 をしたことが引き金とみられている。

デジタル元実現へ法改正=中国、民間の発行禁止

2020年11月04日

 中国人民銀行(中央銀行)が、通貨を電子化する「デジタル人民元」の実用化に向けた法改正に着手したことが2日、分かった。発行に「法的根拠」を与え、暗号資産(仮想通貨)など民間のデジタル通貨の発行を禁止する。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 中国はお金をつかさどる中銀が発行するデジタル通貨(CBDC)で実証実験を始めるなど日米欧に先行。法改正で国を挙げて後押しする姿勢を明確にする構えだ。

 中国メディアによると、法改正は2003年以来になるという。人民銀がこのほど改正案を公表し、意見を募っている。

 改正案では、人民元を「実物とデジタルの形式が含まれる」と明記。改正の趣旨説明で「デジタル通貨の発行に法的根拠を付与するため」としている。さらに「いかなる組織、個人も代替のデジタル通貨を発行してはならない」とし、CBDCとの併用を許さないように規定する。

 人民銀は10月、広東省深圳市でデジタル元を市民に配布して実際に使ってもらう実験を行った。22年の北京冬季五輪までに実用化されるとの観測も出ている。一方、米交流サイト大手フェイスブック(FB)が主導するデジタル通貨「リブラ」のような国家の「通貨主権」を脅かす動きを警戒している。既に中国国内では仮想通貨の取引が規制されている。

 中国メディアによると、人民銀の易綱総裁は2日、各地で実施されたデジタル元の実験でこれまで20億元(約313億円)が支払いに使われたと明らかにした。

 CBDCに関しては、先を行く中国を意識して日米欧も研究を進めている。日銀は21年度の早い時期に実証実験を開始する計画だ。

中国、GDP「中進国」に=35年目標、イタリア視野も

2020年11月02日

 中国共産党が29日に公表した2035年までの長期目標で、1人当たり国内総生産(GDP)を「中レベルに発達した国」の水準に引き上げるとしたことが注目を集めている。いわゆる「中進国」の地位を固める形だ。一方で、イタリア並みの水準が視野にあるとの見方もある。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。

 長期目標は29日に閉幕した第19期中央委員会第5回総会(5中総会)で示された。中国語で「中等発達国家」の水準を目指すとしている。

 中国メディアが紹介した政府系研究機関の定義などによると、発展途上国と先進国の間の発展段階にある国を指す。中国の公共政策の専門家は「中国の伝統的な定義では、いわゆる先進国の概念とは違う」と話した。日本の研究者も「中進国のことだ」と見ている。

 国際通貨基金(IMF)によると、中国の現在の1人当たりGDPは1万ドル(約104万円)余り。中国国営中央テレビは29日夜「中等発達国家」は3万ドル程度とする専門家の見方を報じた。スペインを超え、先進7カ国(G7)メンバーのイタリアに近づく水準だ。

 一方、別の中国メディアは1万5千~2万ドルが目安と伝えるなど見方は一致していない。共産党が今後、長期目標の詳細を公表する際などにどう説明するかが注目される。