チベット自治区でアジアゴールデンキャットを発見

2024年02月02日

　中国チベット自治区メトク（墨脱）県林業・草原局は1月26日、同県のヤルツァンポ（雅魯蔵布）大峡谷国家級自然保護区の標高4415メートル地点で、アジアゴールデンキャットが活動する姿を赤外線カメラで撮影したと明らかにした。ナクチュ（那曲）市嘉黎県の標高4300メートル地点を上回り、アジアゴールデンキャットが確認された地点の標高記録を更新した。新華社が伝えた。

　アジアゴールデンキャットは国家1級重点保護野生動物で、国際自然保護連合（IUCN）のレッドリストに準絶滅危惧種として指定されている。研究によると、生息地の消滅や断片化など複数要因の影響を受け、世界のアジアゴールデンキャット個体群数はここ数年で20～30％減り、減少傾向が続いている。

　中国グリーンカーボンシンク基金会および中金公益基金会の支援を受け、同局は山水自然保護センター、北京大学自然保護・社会発展研究センター、西子江生態保全センターと赤外線カメラによる調査活動を行った。研究チームは304カ所に赤外線カメラを設置。標高812～4415メートルの地点105カ所に設置したカメラがアジアゴールデンキャットの活動する映像を計355回撮影した。

　同局の劉震局長は「メトク県とヤルツァンポ大峡谷エリアは生物多様性が豊富だ。地方の林業部門は今後、研究チームと協力し、赤外線カメラをベースにしたモニタリングネットワークを維持・拡大するとともに、さまざまな調査研究方法を連携させて、生物多様性のバックグラウンド資料をさらに充実させ、特別科学研究と一連の保護活動を実施する」と語った。