2023年12月01日-12月08日
トップ  > 科学技術ニュース >  2023年12月01日-12月08日 >  中国初の深海ニュートリノ望遠鏡、概念設計が完了

中国初の深海ニュートリノ望遠鏡、概念設計が完了

2023年12月05日

 上海交通大学李政道研究所の「海鈴チーム」は、中国初の深海ニュートリノ望遠鏡の概念設計を完了した。関連論文はこのほど、学術誌「Nature Astronomy」に掲載された。中国青年報が伝えた。

 同論文はニュートリノ望遠鏡「海鈴計画」(英語の略称は「TRIDENT」)建設の青写真を明らかにしている。事前に選定されたこの望遠鏡の設置先は南シナ海北部の深さ約3.5キロの深海平原で、海底は平らで、海底数百メートルの高度範囲内の流速が小さい。深海海水測量の放射線量は一般的な海水の公開データと一致している。ニュートリノ望遠鏡は地球全体を遮蔽物として活用し、地球対面から透過するニュートリノをキャッチする。

 赤道付近に位置することから、「海鈴」は地球の自転を利用して360度・全天球のニュートリノが観測でき、南極のアイスキューブ・ニュートリノ観測所や北半球の他のニュートリノ望遠鏡と相互補完できる。

 プロジェクトチームは上海交通大学「思源1号」科学計算プラットフォームを利用してシミュレーション計算を行い、南シナ海ニュートリノ望遠鏡「海鈴計画」の概念設計を打ち出した。検出器アレイは1200本の垂直ケーブルで構成され、ケーブルは長さ約700メートル、間隔は70~100メートルで、海藻のように海底に垂直方向で固定され、約20の高分解能光検出ボールキャビンを搭載する。「海鈴」アレイの直径は約4キロ、総敷地面積は12平方キロ、高エネルギーニュートリノ反応のモニタリング可能海水体積は約7.5立方キロで、設計寿命は20年となる。

上海交通大学
 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます

中国科学技術ニュース 2023年12月

サイエンスポータルチャイナ事務局が、中国の科学技術に関するニュース記事を人民網と共同通信の記事より選んで、日々届くフレッシュなニュースとしてお届けしています。

下記よりご覧ください。

共同通信提供月別バックナンバーリスト

 

人気記事


 
 
APRC運営ウェブサイト


中国関連ニュース 関連リンク