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9.2 フロンティアサイエンス分野の現状および動向

(1) 数学

 中国では改革開放後、数学研究のレベルアップに努力が払われたこともあり、数学界における国際的な地位が向上している。また各分野の研究方向と内容が大きく変化するなかで、合理的な学科配置が行われ、重要な空白学科も補充された。とくに、応用数学における重要な分野での進展が顕著である。

 中国では、非線形問題における数学的理論・方法でここ数年、大きな進展が見られる。中国政府は、各自然科学分野の非線形現象の探究に有力な手段になるとの判断から、この分野の研究を重視、支援していく考えを示している。

 不確定性と離散問題の数学モデル、理論、方法を含む分野に関しては、例えば市場経済では株相場の高騰・下落、自然現象では台風や地震などの災害の発生、旱魃・洪水の原因となる降雨量など、さらに科学研究では遺伝子の突然異変や疾病の拡散、医療関連支出、個人予期寿命などへの応用が期待されている。

 中国国内では、数論、代数幾何、位相幾何学、群と代数、微分幾何、位相幾何学などの分野においては、多数の難しい数学問題が存在するものの、こうした問題の解決が数学研究において重大な価値を有するだけでなく、他の学科への波及効果も大きいとの認識で一致している。

 中国では国家自然科学基金委員会が1986年2月に設立されて以来、国家基礎科学数学養成基金、天元基金などを創設して数学分野での優秀な人材育成に努力を払ってきた。中国では一時、一貫して純粋数学が重視され、応用数学の面では世界との格差が大きい時期があった。しかし、国家自然科学基金委員会は近年、応用数学分野にも強力に肩入れしている。

 中国は数学教育にも力を入れており、高校生を対象として国際数学オリンピックでは2004年から2006年にかけて3年連続して国別成績で1位になった。2007年の第48回大会ではロシアに次いで2位となったが、2008年には再度1位に返り咲いた。

 世界的に有名な数学者でありフィールズ賞受賞者の丘成桐ハーバード大学教授の名前を冠した「丘成桐数学賞」が2007年12月に設立された。この賞は、全世界の中国系中高生に数学研究に対する関心を持ってもらい、前途有望な若手数学者を発見・育成することをねらっている。中国大陸の華北、華東、華南、台湾、海外の5つの区に分けて年に1回表彰することになっている。

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