中国青海省にある冷湖天文観測研究拠点は、これまでに11の科学研究機関と45台の望遠鏡を導入した。投資総額は約30億元(1元=約21円)で、「墨子」サーベイ望遠鏡(WFST)などの4台の望遠鏡が科学観測に用いられている。年内には30台以上の望遠鏡が科学観測に投入される見込みで、アジア最大規模の天文観測研究拠点が形成されつつある。科技日報が伝えた。
同省海西モンゴル族チベット族自治州の喬亜群州長は「自治州内の冷湖地区にある賽什騰山は標高4200メートルで、一年中涼しく乾燥しており空気がきれいで光害がない。夜の晴天率は70%に達し、天文観測に利用可能な日数は年間300日以上で、天文観測条件はハワイのマウナケア山頂や南米チリのアタカマ砂漠、スペインのカナリア諸島など世界トップレベルの大型光学天文観測拠点に匹敵し、東半球で現在天文観測に最も適しているエリアだ」と説明した。
冷湖科学技術イノベーションパーク管理委員会の田才譲副主任によると、「墨子」サーベイ望遠鏡(WFST)などの望遠鏡4台が科学観測に用いられているほか、太陽磁場正確測量に用いられる中赤外線観測システム(AIMS)などの望遠鏡7台が調整中、マルチ応用サーベイ望遠鏡アレイ(MASTA)の望遠鏡20台が設置中となっており、年内には30台以上の望遠鏡が科学観測に投入される見込みだ。このほか、35キロボルト(kV)送電線および変電所、Cプラットフォーム科学者研究拠点、観測プラットフォームが完成し使用開始している。