中国ではアジアゾウは雲南省にのみ分布している。同省林業・草原局によると、中国国内のアジアゾウ個体群は安定的に増加しており、分布範囲が拡大している。中国新聞網が伝えた。
同局のデータによると、野生アジアゾウの個体数は過去30年間で約150頭から300頭以上に拡大した。分布エリアは1990年代の2州(市)3県(市・区)14郷・鎮から、2018年には3州(市)9県(市・区)40郷・鎮に拡大。2020年にはさらに3州(市)11県(市・区)61郷・鎮へと増加した。
アジアゾウは中国の生物多様性保護の象徴種で、国家1級保護野生動物と、絶滅危惧野生動植物の種の国際取引に関する「ワシントン条約」(CITES)の附属書I種に指定されている。
雲南省はここ数年にわたり、生息地の環境保護・修復を実施し、自然保護区内外で生息に適した森林地域を選定し、アジアゾウ生息地を800ヘクタール以上修復。生息に適した場所を提供している。
同省はシーサンパンナアジアゾウ救護・繁殖センターを建設し、アジアゾウを救助している。収容・救助された野生のゾウを自然にかえすことにも成功しており、野生に戻ったゾウの「阿宝」は、野外の生活にほぼ適応している。
同省はさらに、ラオス北部の複数の地域と面積20万ヘクタール近くの共同保護エリアを設立。ラオスやミャンマーの野生アジアゾウとの交流の場を確保し、個体群の遺伝的劣化を防いでいる。
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