2024年08月26日-08月30日
トップ  > 科学技術ニュース >  2024年08月26日-08月30日 >  古い写真を「よみがえらせる」生成AIが話題に

古い写真を「よみがえらせる」生成AIが話題に

2024年08月29日

 生成的人工知能(生成AI)は現在、最も注目されているAI技術の一つで、文字を入力するだけで、文章や画像、動画を生成することができる。同技術はまるで「魔法のカギ」のように、AIの無限の可能性の扉を開いた。中国工業・情報化部(省)が発表したデータによると、2023年、中国の企業における生成AI採用率は15%に達し、市場規模は14兆4000億元(1元=約20円)に上っている。このように生成AIはインターネットやクラウドコンピューティング、ビッグデータに続く巨大なブルーオーシャンになると見られている。中国新聞網が伝えた。

 吉林省吉林市に住む龐順明さんは、数十年間、古い写真を集めている。これらの写真を一人でも多くの人に見てもらおうと、龐さんはコレクションをソーシャルメディアにアップするようになった。

 そんな龐さんは最近、動画生成AIモデルを駆使して、大切に保管してきた古い写真を生き生きと「よみがえらせる」技術をマスターした。これによって龐さんはAIの達人として地元で有名になり、現地の博物館から「デジタル化するので、所蔵している歴史写真をよみがえらせてほしい」と依頼されるようにもなった。

 動画生成AIモデルは、映像制作にも使われている。パリ五輪の開幕前に中央広播電視総台はわずか2カ月で、16分のショートフィルム「百年前的那次出発(100年前のあの出発)」を製作し、公開した。同作品は100年の「タイムスリップ」をテーマとしているが、その内容は古い映像を修復するという形ではなく、85%はAIが生成したものだった。

 世界的に見ると、論文やメール、脚本、コードを生成してくれるAIチャットボット「ChatGPT」から動画生成AI「Sora」に至るまで、生成AIはたくさんの「花」を咲かせている。

 世界知的所有権機関(WIPO)が発表した「生成AIに関する特許動向報告書」によると、2014年から2023年の10年間、中国の生成AI関連の特許出願件数は3万8000件で、世界最多となった。この数は2位だった米国の6倍に相当する。このように中国の生成AIモデルはすでに競争段階に突入している。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

上へ戻る