中国四川省成都市では、水田で働く大小2台のスマート点検ロボットが住民の注目を集めている。中国新聞網が伝えた。
これらのロボットは人の操作を必要とせず、田んぼの畦道を自在に移動しながら、作物の生育状況をリアルタイムでスキャンし、病害虫を分析し、気象データを収集する。さらに、障害物を自動で回避し、坂を登ったり段差を越えることも可能で、農地の情報を5Gネットワーク経由でクラウドに送信することができ、農家にとっての「スーパー・パートナー」となっている。
「小胖(シャオパン)」と「小痩(シャオショウ)」と名付けられたこれら2台のスマート点検ロボットは、成都市新都緑控農業服務有限公司が開発したもので、4月から正式に「勤務」を開始する予定だ。
「小胖」は、ミリメートル単位の精密監視を担当するエキスパートであり、360度回転可能な双眼カメラとDeepSeekディープラーニングアルゴリズムを搭載している。これにより、不正侵入者を識別するほか、作物の生育状況や温湿度、病害虫をミリメートルレベルの精度で分析できる。また、マルチスレッドLiDAR(ライダー)と赤外線システムを用いた動的障害物回避機能を備えており、複雑な農地環境に適応することができる。
一方、「小痩」は、地形適応能力に優れたロボットであり、柔軟な関節と6軸センサーを備えており、3度以上の傾斜を検知すると、自動的に「両足」の高さを調整し、水平な作業姿勢を維持する。300種類以上の地形テストを経ており、複雑な地形での作業効率が40%向上している。
2台のスマート点検ロボットは、5G・IoTプラットフォームを通じてデータをリアルタイムでクラウドに同期させ、農業用ドローンや施肥機などの機器と連携する。また、土壌水分状況や気象変化を分析し、灌漑・施肥戦略を動的に調整することで、資源の無駄を削減し、収量の向上を図るという。
(画像提供:人民網)
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