2024年01月04日-01月05日
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フードデリバリー容器が速乾ポロシャツに変身

2024年01月04日

 フードデリバリーの普及に伴い、大量の容器が廃棄されている。デリバリープラットフォーム「美団」が設立した美団青山科技基金の支援を受け、東華大学先進低次元材料センターの李斌上級研究員らは、再生容器で作る低炭素ポリプロピレン生地を開発した。研究チームは廃棄容器の画期的な加工と性質変更により超極細ポリプロピレン繊維を作り出し、速乾機能を持つポロシャツへと変身させた。科技日報が伝えた。

 データによると、中国で毎年使用されるフードデリバリー用容器はすでに100万トンを超えている。李氏は「こうした容器の行き場を考えた際に、我々は20年以上前に廃棄ペットボトルから再生ポリエステル生地が作られたことを思い出した。そこでポリプロピレンで作られた容器も回収後に再生ポリプロピレン生地にできるのではないかと考えた」と説明した。

 このアイデアは一定の実行可能性を持つが、実現する上では、再生容器の不純物や匂いの除去、紡糸、生地生産などの技術的問題があった。まず、容器の回収と洗浄では、回収された容器には多くの不純物が含まれ、熱洗浄や超音波洗浄などの特殊技術が必要だった。次に粒状化して性質変更すると、容器の材料が加熱と溶融によって性能が大幅に下がるため、その性能を高める必要があった。そして紡糸では、再生材料紡糸は製法に対して特殊な要求を持っていた。これらの課題に対応する技術や製法を調整して初めて、基準を満たす超極細ポリプロピレンを作ることができる。

 李氏は「こうした問題を解決するためには産業チェーンの川上と川下の一体化を行い、専門的な人材に専門的な仕事をさせる必要があった。複数の関係者のたゆまぬ努力により、チームは最終的に難題を一つずつ解決し、『再生容器-切片-粒状化-紡糸-織布-完成衣料品』という技術ロードマップを形成した。これにより、フードデリバリー容器の速乾性ポロシャツとしての再利用を実現した」と語った。

 李氏によると、このポロシャツは一般的な商品と同じように見えるが、実際は超極細ポリプロピレン繊維の疎水性と速乾性という独自の優位性を持つ。ポリプロピレン自体が親水性を持たないため、汗が生地に吸収されず、速やかに排出される。ポリプロピレンは熱伝導率が低いため、超極細ポリプロピレン繊維は通常、保温インナーとして作られる。しかもポリプロピレンの密度はポリエステルや他の繊維よりも軽いため、超極細ポリプロピレン繊維は速乾性の高い衣料品やスポーツウェアに用いられることが多い。

 美団青山計画プロジェクトディレクターを務める田瑾氏は「このポロシャツの生地は廃棄されたフードデリバリー容器から作られているため、従来の超極細ポリプロピレン繊維よりも低炭素で、プラスチックの循環を促進する意義がある」と述べた。

 スポーツウェアの需要が増えるのに伴い、超極細ポリプロピレン繊維の市場シェアが年々増加している。チームはその応用の将来性に自信を持っている。李氏は「再生容器材料から作られた低炭素ポリプロピレン生地は、再生ポリエステルに並ぶ持続可能な繊維生地となり、将来的により多くのブランドと消費者から注目されると信じている」と意欲を示した。

 
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中国科学技術ニュース 2024年01月

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