中国の宇宙貨物船「天舟7号」に搭載された科学実験ペイロードには嫌気性古細菌と呼ばれるものがある。これは地球上で最も古い生物の一つで、地球の大気中に含まれるメタンガスの主な発生源でもあり、深海や稲田、反芻動物の胃など、嫌気性環境に広く分布している。この嫌気性古細菌は「天舟7号」によって中国の宇宙ステーションに送られ、火星をシミュレートした環境や宇宙放射線の極限環境において生存可能かどうか検証される。これは地球外生物が存在するかどうかという人類の大きな謎を解明するのに役立つ。中央テレビニュースが伝えた。
清華大学地球系統科学系の劉竹教授は、「嫌気性古細菌を選び、この微生物を装置に入れ、宇宙ステーションのプラットフォームに送る。その後、プラットフォームの宇宙放射線曝露条件下で、微小重力環境や、温度などが加わった極限環境で実験を行い、地球上の早期の生物が生存できるかどうかをテストする」と説明した。
劉氏はさらに「メタン生成古細菌がこの環境で生存でき、メタンガスを生成し、順調に成長できるならば、地球上の原始的な生命が地球外環境で生存し、成長できることを実証できる。そうなれば、われわれに大きなヒントを与えてくれる。そして、火星で検出されたメタンガスが生命に由来するものであれば、その生命は地球上の生命と同じ起源を持つ可能性がある」と語った。
画像は人民網日本語版(CCTV提供)より
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